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五章妖精達の森
宴の誘い
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メイド達と戦ったが、結局戦いに使った時間は5分程度で、僕は8時間以上も眠れる事が出来た。
誰にも怪しまれていないようで少しホッとしている。
日本には一難去ってまた一難ということわざがある。ステータスカードを手に入れるまでは縁のない言葉だったが、魔物と戦うようになってから実感する時が増えた。
そして今も一難去って一難を実感している。
「パーティー・・・ですか・・・?」
「あぁ、パーティーだ。しかもただのパーティーではないぞ。新王就任記念パーティーだ」
確かにただのパーティーではないな。それって王族でも貴族でもない僕が出ていいパーティーなのだろうか?
「何言っているのだ?君はシトラの婚約者であろう?十分に資格を持っている。それに聖女マリーの孫なんだからきっとニコラス王もお喜びになられるぞ」
確かにお祖母ちゃんからニコラス王はかつての仲間だと聞いていたが、孫だからって受け入れられるというわけではない。
「それに英雄シグルの生まれ変わりだぞ君は?受け入れられるに決まっている!!」
「そうですかねー・・・」
生まれ変わりといってもラグドさん曰く性格が全然違うと言うし、 やはり人と仲良くなるには人間性が決め手だ。
「そんな事言ってても人とは仲良くはなれないよ。当たって砕けろだよ歩」
「そう、だよね・・・」
毎回シトラにはいざっていうときに助けてもらっている。僕も彼女の婿になるのだ。しっかりしなければ。
「では、行くって事で良いんだね?」
「はい。お願いします」
「それでこそ男だ!服はこちらに任せとけ!」
エルフの礼装はやはり人間のものとは違うのだろうか。少し着てみたいという気持ちがある。
「パーティーは今夜の7時からだからそれまでは街を歩くなり好きにしていなさい」
「ありがとうございます、メスールさん」
★
睡眠魔術から目が覚めたメイド長は新人メイドから全て聞かされると悔しさと恥ずかしさのあまり両手で顔を覆ってしまった。
「私ともあろう者が・・・情けない」
「歩様は快く黙っておくと約束してくれたので旦那様に怒られる事はないかと・・・」
「ええ、本当にそこは感謝しているわ」
問題はこれからである。自分達が仕掛けた戦いなのに見返りなしで受け入れてくれたわけではないはず。
きっと若いメイドとイヤらしい事をさせろとかお前らメイドの給料をいただくとか言ってくるはず・・・!
「考えすぎですよメイド長。彼は根っこからの善人ですよ」
「本当かしらね・・・」
別にメイド長は疑り深い人間ではない。ただ純粋にシトラが心配でやっているのだ。
結婚した途端性格が急変するかもしれない。暴力を振るわれるかもしれない。
そういう可能性を考えた上で彼女は行動しているのだ。
コンコン。ドアをノックする音が部屋中に響き渡る。
「すみません、入っていいですか?」
ノックの後に聞こえてきたのは若い男の声だった。今この館にいる若い男はあの男しかいない。
「ええ、どうぞ」
断る理由はないので部屋に入れてやることにする。万が一変な動きをしたらすぐに捕られるように身構えておく。
案の定入ってきたのはシトラの婚約者である歩だった。お嬢様を取られたという恨みはあるが、昨日の事は詫びなければならない。
「昨日は、すみませんでした・・・怒りに任せて行動したばかりにあんな目に合わせてしまい・・・」
「その事は気にしないで下さいよ。それよりも怪我とかはありませんでしたか?」
完全に暴走しきる前に歩が眠らせた為メイド長の身体には傷は無かった。その代わり副作用で眠たそうだが。
「メイド長さん。昨日はあんな事になっちゃって聞けなかったのですが、良いですか?」
「・・・何でしょうか」
分かっている。彼は審査会の結果を聞きにきたのだろう。
正直に言おう彼は強い。シトラお嬢様を十分に守れるくらいに強い。
そしてメイド達から聞いた話によると今回の審査会の件は旦那様に話していないのだという。
そんな行動は根っからの優しい人間しか出来ない。彼の優しさは本物だ。
だから私は───。
「悔しいですが・・・合格です」
合格という判定を出した。
歩もその判定に満足のようでニコニコと太陽のような笑顔を讃えている。
この笑顔を見て何か分かった気がする。何故シトラお嬢様が歩に好かれていったのか。
彼は正真正銘の善人なんだ。
「ですが、これだけは約束してください。絶対にシトラお嬢様を傷つけるような行為は止めてください」
「勿論!」
とても大きな溝があった2人であったが、最後は握手をかわすのであった。
★
「どうですか?キツかったら言ってください」
「いえ、丁度良いです」
時刻は午後5時。パーティー開始まで残り2時間。
シトラのガイドで観光所巡りをしていた歩とシトラはメスール邸へと戻って礼装に着替えていた。
いつ測ったのかそれともまぐれかは不明であるがスーツはピッタリだった。
僕が着る事になったスーツは一見は普通の物であるが、魔術によって強度が上げられている。
何でもラグナロクの貴族はどこから命を狙われているか分からないので最低限度の対策の為に強度を上げているとか。
何か裏がありそうだが、身体に害はないし、ラグナロクの方の掟は分からないので口は出さないでおく。
「そういえば剣は何処に置いておけば良いですかね?」
礼装に着替えたのは良いが、肝心の剣を置く所が無い。この屋敷に置いておくと言ったら盗みがあるかもしれないからとメスールさんに止められてしまったのだ。
確かにこの剣は父さんの形見だが、剣を腰にぶら下げてパーティーに行くのは常識に反している。
「なら、専属のメイドをつけましょう。レゼェド、いらっしゃい」
「はい」
メイド長の後ろで凛として立っていたレゼェドという名のメイドが僕の前に立ち塞がる。
「この娘はまだ若いですが、とても優秀ですので預けても安心ですし、万が一の事があったとしてもすぐに手に取る事が出来ます」
「よろしくお願いいたします」
ペコリと頭を垂れて挨拶をする。歩もクセで吊られて頭を下げる。
歳は僕より1個下か同い年ぐらいの若いメイドさんだ。
昨日の審査会の時もいたが何も喋っていなかったような気がする。顔も無表情で感情を読み取る事が全然出来ない。
「では、歩様。剣を私に・・・」
「良いですか?この剣は音速の騎士トーマが愛用していた聖なる剣です。絶対無くさないように」
「分かりました」
ペコリと無表情で頭を垂れるレゼェドを見てメイド長は安心したのか、表情が柔らかくなる。
「では、行ってらっしゃいませ」
メイド長が優雅に手を振るのに背を向けて着替室から出てきた歩は玄関へと向かう。
話によると外で馬車が待っているらしい。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・あの、重くありませんか?」
「少々重いですが、苦しむ程の重さではないのでご安心を」
「あ、はい・・・」
何だろう、凄く気不味い。初対面で一切話した事がない人と長い廊下を歩くのは少しツライ。
気まずさに苦い顔をしているとレゼェドが気にかけたのか口を開いてくれた。
「歩様は・・・」
「僕がどうしたの?」
「マクドス王子を何故殺したのですか?」
あ、これ違う。この娘けっこう空気が読めない娘だ。
ただここで濁らせるのも良くはない。しっかりと話すべきだ。
「君達からしたらマクドス王子は国民想いの良い王子だったのかもしれない。けど、僕らエデンの世界に姿を現したまったく別の悪党だった」
「マクドス王子が、悪党・・・?」
レゼェドは何を言っているんだといわんばかりの顔をする。
彼女も善人だったマクドス王子のファンだったようだ。表情を見たら分かる。
「彼はシトラに好意を寄せていた。その事自体は決して悪い事ではない。ただ、協力者に頼ったのが駄目だったんだ」
「ッッ───!!」
先程まで無表情だったレゼェドは目を見開いて驚いていた。だが、すぐに真顔に戻る。
「僕はマクドス王子を倒した事を正しい行いだと今でも信じている。それがシトラを助ける唯一の方法だったから。もし、間違いだと言うのなら僕は今からでも罪を償おう」
「そうですか・・・」
それから玄関までレゼェドから話しかけられる事は無かった。
誰にも怪しまれていないようで少しホッとしている。
日本には一難去ってまた一難ということわざがある。ステータスカードを手に入れるまでは縁のない言葉だったが、魔物と戦うようになってから実感する時が増えた。
そして今も一難去って一難を実感している。
「パーティー・・・ですか・・・?」
「あぁ、パーティーだ。しかもただのパーティーではないぞ。新王就任記念パーティーだ」
確かにただのパーティーではないな。それって王族でも貴族でもない僕が出ていいパーティーなのだろうか?
「何言っているのだ?君はシトラの婚約者であろう?十分に資格を持っている。それに聖女マリーの孫なんだからきっとニコラス王もお喜びになられるぞ」
確かにお祖母ちゃんからニコラス王はかつての仲間だと聞いていたが、孫だからって受け入れられるというわけではない。
「それに英雄シグルの生まれ変わりだぞ君は?受け入れられるに決まっている!!」
「そうですかねー・・・」
生まれ変わりといってもラグドさん曰く性格が全然違うと言うし、 やはり人と仲良くなるには人間性が決め手だ。
「そんな事言ってても人とは仲良くはなれないよ。当たって砕けろだよ歩」
「そう、だよね・・・」
毎回シトラにはいざっていうときに助けてもらっている。僕も彼女の婿になるのだ。しっかりしなければ。
「では、行くって事で良いんだね?」
「はい。お願いします」
「それでこそ男だ!服はこちらに任せとけ!」
エルフの礼装はやはり人間のものとは違うのだろうか。少し着てみたいという気持ちがある。
「パーティーは今夜の7時からだからそれまでは街を歩くなり好きにしていなさい」
「ありがとうございます、メスールさん」
★
睡眠魔術から目が覚めたメイド長は新人メイドから全て聞かされると悔しさと恥ずかしさのあまり両手で顔を覆ってしまった。
「私ともあろう者が・・・情けない」
「歩様は快く黙っておくと約束してくれたので旦那様に怒られる事はないかと・・・」
「ええ、本当にそこは感謝しているわ」
問題はこれからである。自分達が仕掛けた戦いなのに見返りなしで受け入れてくれたわけではないはず。
きっと若いメイドとイヤらしい事をさせろとかお前らメイドの給料をいただくとか言ってくるはず・・・!
「考えすぎですよメイド長。彼は根っこからの善人ですよ」
「本当かしらね・・・」
別にメイド長は疑り深い人間ではない。ただ純粋にシトラが心配でやっているのだ。
結婚した途端性格が急変するかもしれない。暴力を振るわれるかもしれない。
そういう可能性を考えた上で彼女は行動しているのだ。
コンコン。ドアをノックする音が部屋中に響き渡る。
「すみません、入っていいですか?」
ノックの後に聞こえてきたのは若い男の声だった。今この館にいる若い男はあの男しかいない。
「ええ、どうぞ」
断る理由はないので部屋に入れてやることにする。万が一変な動きをしたらすぐに捕られるように身構えておく。
案の定入ってきたのはシトラの婚約者である歩だった。お嬢様を取られたという恨みはあるが、昨日の事は詫びなければならない。
「昨日は、すみませんでした・・・怒りに任せて行動したばかりにあんな目に合わせてしまい・・・」
「その事は気にしないで下さいよ。それよりも怪我とかはありませんでしたか?」
完全に暴走しきる前に歩が眠らせた為メイド長の身体には傷は無かった。その代わり副作用で眠たそうだが。
「メイド長さん。昨日はあんな事になっちゃって聞けなかったのですが、良いですか?」
「・・・何でしょうか」
分かっている。彼は審査会の結果を聞きにきたのだろう。
正直に言おう彼は強い。シトラお嬢様を十分に守れるくらいに強い。
そしてメイド達から聞いた話によると今回の審査会の件は旦那様に話していないのだという。
そんな行動は根っからの優しい人間しか出来ない。彼の優しさは本物だ。
だから私は───。
「悔しいですが・・・合格です」
合格という判定を出した。
歩もその判定に満足のようでニコニコと太陽のような笑顔を讃えている。
この笑顔を見て何か分かった気がする。何故シトラお嬢様が歩に好かれていったのか。
彼は正真正銘の善人なんだ。
「ですが、これだけは約束してください。絶対にシトラお嬢様を傷つけるような行為は止めてください」
「勿論!」
とても大きな溝があった2人であったが、最後は握手をかわすのであった。
★
「どうですか?キツかったら言ってください」
「いえ、丁度良いです」
時刻は午後5時。パーティー開始まで残り2時間。
シトラのガイドで観光所巡りをしていた歩とシトラはメスール邸へと戻って礼装に着替えていた。
いつ測ったのかそれともまぐれかは不明であるがスーツはピッタリだった。
僕が着る事になったスーツは一見は普通の物であるが、魔術によって強度が上げられている。
何でもラグナロクの貴族はどこから命を狙われているか分からないので最低限度の対策の為に強度を上げているとか。
何か裏がありそうだが、身体に害はないし、ラグナロクの方の掟は分からないので口は出さないでおく。
「そういえば剣は何処に置いておけば良いですかね?」
礼装に着替えたのは良いが、肝心の剣を置く所が無い。この屋敷に置いておくと言ったら盗みがあるかもしれないからとメスールさんに止められてしまったのだ。
確かにこの剣は父さんの形見だが、剣を腰にぶら下げてパーティーに行くのは常識に反している。
「なら、専属のメイドをつけましょう。レゼェド、いらっしゃい」
「はい」
メイド長の後ろで凛として立っていたレゼェドという名のメイドが僕の前に立ち塞がる。
「この娘はまだ若いですが、とても優秀ですので預けても安心ですし、万が一の事があったとしてもすぐに手に取る事が出来ます」
「よろしくお願いいたします」
ペコリと頭を垂れて挨拶をする。歩もクセで吊られて頭を下げる。
歳は僕より1個下か同い年ぐらいの若いメイドさんだ。
昨日の審査会の時もいたが何も喋っていなかったような気がする。顔も無表情で感情を読み取る事が全然出来ない。
「では、歩様。剣を私に・・・」
「良いですか?この剣は音速の騎士トーマが愛用していた聖なる剣です。絶対無くさないように」
「分かりました」
ペコリと無表情で頭を垂れるレゼェドを見てメイド長は安心したのか、表情が柔らかくなる。
「では、行ってらっしゃいませ」
メイド長が優雅に手を振るのに背を向けて着替室から出てきた歩は玄関へと向かう。
話によると外で馬車が待っているらしい。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・あの、重くありませんか?」
「少々重いですが、苦しむ程の重さではないのでご安心を」
「あ、はい・・・」
何だろう、凄く気不味い。初対面で一切話した事がない人と長い廊下を歩くのは少しツライ。
気まずさに苦い顔をしているとレゼェドが気にかけたのか口を開いてくれた。
「歩様は・・・」
「僕がどうしたの?」
「マクドス王子を何故殺したのですか?」
あ、これ違う。この娘けっこう空気が読めない娘だ。
ただここで濁らせるのも良くはない。しっかりと話すべきだ。
「君達からしたらマクドス王子は国民想いの良い王子だったのかもしれない。けど、僕らエデンの世界に姿を現したまったく別の悪党だった」
「マクドス王子が、悪党・・・?」
レゼェドは何を言っているんだといわんばかりの顔をする。
彼女も善人だったマクドス王子のファンだったようだ。表情を見たら分かる。
「彼はシトラに好意を寄せていた。その事自体は決して悪い事ではない。ただ、協力者に頼ったのが駄目だったんだ」
「ッッ───!!」
先程まで無表情だったレゼェドは目を見開いて驚いていた。だが、すぐに真顔に戻る。
「僕はマクドス王子を倒した事を正しい行いだと今でも信じている。それがシトラを助ける唯一の方法だったから。もし、間違いだと言うのなら僕は今からでも罪を償おう」
「そうですか・・・」
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