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五章妖精達の森
実家への挨拶にはお土産を
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「なんか最近さ、誰かに見られているような気がするんだよね・・・」
「そう?アタシは全然感じないけど?」
「だからあんまりこういう公の場には来たくなかったんだけどな・・・」
「お土産を持っていきたいって言ったのは歩でしょ?」
『憩いの場』にも一応休業日はある。基本的には月曜日と木曜日である。
そして今日は木曜日。『憩いの場』の休業日だった。
いつもなら映画を見に行ったり、家でゲームをするのが基本だが、今日は違う。
少し遠くの町のデパートまで来ていた。
「歩、帰りにジェラート食べて帰ろうよ!」
「寒いのにアイス食べるの?まあ、良っか。その前にシトラもお土産考えねー」
「はーい」
親に向けて持っていくお土産を買うからかシトラはいつもよりも元気な気がした。1年半ぶりに会う親なのだから楽しみで仕方がないのは分かる気がする。
「でも、警察官の3人はともかく、葵が行けないっていうのはちょっとショックだったなぁ~」
今日の10時頃、葵にエルフの国への誘いをしたのだが、葵が入ったサークルでベネチアに行くとのこと。一ヵ月前から決めていた事だったらしく、流石にドタキャンは無理らしい。
「仕方がないよ。葵だって忙しいんだし」
「第1いきなり過ぎたよね。そこはちょっと反省」
結局今回エルフの国に行くのは僕とシトラだけになってしまった。まぁ、今回は遊びに行くだけだし戦闘は無いだろう。
「さーてと何が良いかな・・・」
全国のお土産というよくあるコーナーを見つけると、歩達は早速入っていった。こういうコーナーがあるからデパートは好きなんだ。
「なあ、シトラの親御さんって甘い物とか好き?」
「ええ、お父さんとお母さんは甘い物はけっこう好きよ。でもあんこはどうかしら?」
会った事もない人の味覚など分かりはしないが、なるべく美味しい物を持っていきたい。かと言ってクッキーやケーキなどさ止めておこう。だとすると和菓子か・・・?
「おいおい、見ろよ。あの人スッゲェ美人じゃね?」
お土産物を探している僕らの背後から複数のヒソヒソ話が聞こえてきた。
「良いなぁ、俺もあんな彼女が欲しいぜ・・・」
「お前じゃ無理だな。痩せたらワンチャンあるかもしれないけど」
「あっちの子も可愛いけど、彼氏さんの方も結構可愛くない!?」
「分かる!分かる!落ち込んでたらギュッと抱き締めたい顔してるよね!」
悪口だったら、文句を言いに言っていたが、聞く限りどうやら悪口ではないようだ。寧ろ褒められている気がする。
僕は・・・もう少し別の言葉で誉められたかったが。
シトラも聞こえているようでご満悦のようだ。
「歩ぅ~。アタシ達ってそんなに褒められても何も出てこないよ~」
「シトラ、凄いだらしない顔してるよ」
周りのひそひそ話に集中を削がれながらもゆっくりと慎重にお土産を選ぶ。結局かったのは京都名物生八ツ橋だった(ここ埼玉だけど)。
「あとさ、エルフの里に行く前に寄りたい所があるんだけど良いかな?」
「シスター・マリーの所?」
こくりと縦に頷く歩。よく見たら生八ツ橋の箱は10箱以上あった。
「おばあちゃ───間違えた。シスター・マリーにもこっちのお菓子を食べてもらいたいんだよね・・・ハハハ」
「今、おばあちゃんって言いかけてなかった?」
図星を突かれたようで歩は顔を赤くし、そっぽを向いている。
「・・・呼んでないよ」
「フフ、歩可愛い」
ギュッとシトラは歩の右腕にしがみつく。すると周りからのひそひそ話が大きくなった。
「嘘!?ラブラブじゃん!!」
「彼氏ちゃんも顔真っ赤にしてカワイー!」
何でだろうか?シトラがいきなり抱きついてくる事などは慣れているはずなのに、何だか恥ずかしい。一方のシトラはニコニコと笑顔を作っている。
やばい、恥ずか死ぬ───!!
「シトラ、ちょっと離れてよ。皆見てるから!!」
小声で呼び掛けるもシトラは横に顔をブンブンと振って拒否した。
「やーだよ。でも、歩なら無理矢理でも引き剥がせるんじゃない?」
確かに言う通りだ。最初の頃は僕の方が下だったはずのステータスやレベルは1年半でシトラを追い抜かしていた。それ故無理矢理でもシトラを引き剥がす事は出来る。
だが、ここで。公衆の面前で女性を力で引き剥がすような行為をしたらどうなるだろう。きっとデパートを出るまで冷たい目線が僕の心を焼き付くすだろう。
くそっ!シトラの奴!!そこまで計算して右腕に抱きついたのか!!
すべてを察した僕の顔を見たシトラはニヤリと小悪魔のような笑みを浮かべた。
こうなってしまったシトラを止める事は魔物を退治する事よりも難しい。潔くシトラに抱きつかれているしかない。
それからジェラートを食べて家に帰るまでの2時間、シトラがずっと僕の右腕に抱きついて事はこれから死ぬまでずっと覚えているだろう。こんなに恥ずかしい思いをしたのは初めてだった。
★
「あ~楽しかった!!」
「僕は死ぬほど恥ずかしいかった」
自宅へ着いた歩とシトラは生八ツ橋を冷蔵庫に入れると2階の居間でバラエティー番組を見ながらくつろいでいた。
シトラは他に座る場所があるにも関わらず、あぐらをかいた僕の上に座ってもたれ掛かっていた。
まるでネコように寛ぐシトラを見ているとついつい顎を撫でたくなってしまう。それをやるとシトラが「顎だけは止めて!」と怒るのでやらないのだが。
「ちょっとさ、気になってる事があるんだけど聞いても良い?」
「良いよー」
「エルフと人間以外の種族っているの?」
1年半も一緒にいて何故今まで聞いていなかったのだろうか?エルフがラグナロクに存在するなら、もしかしたら神話に登場するドワーフやオーガなどの種族も存在するのではないだろうか?
「いるよー、アタシ達エルフと人間以外の種族はー。ドワーフとかオーガとか魔族とか」
「やっぱり存在してたのか───って魔族!?」
種族の中に異様な存在が混じっていた事に歩は驚く。てっきり昔の魔王退治の際に絶滅しているかと思っていた。
「そんな簡単に1種の生物が絶滅する事はないよー。ゴキブリだっていっぱい殺しているのに死ぬほどいるでしょ?」
「例え方例え方」
とてもシンプルで分かりやすかったが、例えが汚い。だが、驚きはそれだけではすまなかった。
「しかも魔王もいるんだし、絶滅はまず無いよ」
「・・・ごめん、今何て言った?」
「魔王がいるから魔族の絶滅はありえないって言ったけど」
「魔王生きてるのぉ!?」
待て待て!魔王は確か昔にラグドさん達が倒したのでは無いのか!!それとも殺さずに許したのか!?
「そうそう。倒しはしたけど、殺しはしてないよ。そんな事したら後で魔族達に恨みを買うのがオチだよ~」
まあ、しばらくの間牢獄にぶちこまれたけどね、と情報をついかする。意外だった。倒したと聞いたのでてっきり殺したのかと・・・。
「もしかして魔王の事、絶対悪と思ってない?」
「ま、まあそうかな・・・?」
RPGでは魔王という存在は全生命の絶対悪。ラグナロクでは違うのか?
「魔王って魔族の王の略だからね!だから魔王が絶対悪とは限らないよ」
「そ、そうなの・・・」
「こっちの世界にもいたでしょ?この世を支配しようとした暴君。ラグドさん達が倒した魔王がまさにそれだったわけ」
世界を手に入れようとした王はいなかったが、暴君なら様々な時代に現れている。
中国の煬帝やローマのネロ帝などが良い例だ。
「まあ今は病気で死んじゃったから魔王の実の娘が統治してるけどね」
「何とも普通の死に方だな・・・新魔王はどんな感じなの?」
「アタシも小さい頃に会っただけなんだよね。ちょっと根暗だけど良い子だったよ。今は魔族の名誉回復の為に頑張ってるらしいよ」
成る程。魔族と聞いてあまり良いイメージはなかったが、どうやら僕の思い違いだったようだ。善良な魔族に会う前に聞いておいて良かった。
「久しぶりに会いたいけど・・・今会ったら迷惑かな?」
「落ち着いたら行くと良いよ」
「歩もその時は一緒に来てね?彼氏って事で悪いようにはしないと思うから」
「それはありがたいね」
「そう?アタシは全然感じないけど?」
「だからあんまりこういう公の場には来たくなかったんだけどな・・・」
「お土産を持っていきたいって言ったのは歩でしょ?」
『憩いの場』にも一応休業日はある。基本的には月曜日と木曜日である。
そして今日は木曜日。『憩いの場』の休業日だった。
いつもなら映画を見に行ったり、家でゲームをするのが基本だが、今日は違う。
少し遠くの町のデパートまで来ていた。
「歩、帰りにジェラート食べて帰ろうよ!」
「寒いのにアイス食べるの?まあ、良っか。その前にシトラもお土産考えねー」
「はーい」
親に向けて持っていくお土産を買うからかシトラはいつもよりも元気な気がした。1年半ぶりに会う親なのだから楽しみで仕方がないのは分かる気がする。
「でも、警察官の3人はともかく、葵が行けないっていうのはちょっとショックだったなぁ~」
今日の10時頃、葵にエルフの国への誘いをしたのだが、葵が入ったサークルでベネチアに行くとのこと。一ヵ月前から決めていた事だったらしく、流石にドタキャンは無理らしい。
「仕方がないよ。葵だって忙しいんだし」
「第1いきなり過ぎたよね。そこはちょっと反省」
結局今回エルフの国に行くのは僕とシトラだけになってしまった。まぁ、今回は遊びに行くだけだし戦闘は無いだろう。
「さーてと何が良いかな・・・」
全国のお土産というよくあるコーナーを見つけると、歩達は早速入っていった。こういうコーナーがあるからデパートは好きなんだ。
「なあ、シトラの親御さんって甘い物とか好き?」
「ええ、お父さんとお母さんは甘い物はけっこう好きよ。でもあんこはどうかしら?」
会った事もない人の味覚など分かりはしないが、なるべく美味しい物を持っていきたい。かと言ってクッキーやケーキなどさ止めておこう。だとすると和菓子か・・・?
「おいおい、見ろよ。あの人スッゲェ美人じゃね?」
お土産物を探している僕らの背後から複数のヒソヒソ話が聞こえてきた。
「良いなぁ、俺もあんな彼女が欲しいぜ・・・」
「お前じゃ無理だな。痩せたらワンチャンあるかもしれないけど」
「あっちの子も可愛いけど、彼氏さんの方も結構可愛くない!?」
「分かる!分かる!落ち込んでたらギュッと抱き締めたい顔してるよね!」
悪口だったら、文句を言いに言っていたが、聞く限りどうやら悪口ではないようだ。寧ろ褒められている気がする。
僕は・・・もう少し別の言葉で誉められたかったが。
シトラも聞こえているようでご満悦のようだ。
「歩ぅ~。アタシ達ってそんなに褒められても何も出てこないよ~」
「シトラ、凄いだらしない顔してるよ」
周りのひそひそ話に集中を削がれながらもゆっくりと慎重にお土産を選ぶ。結局かったのは京都名物生八ツ橋だった(ここ埼玉だけど)。
「あとさ、エルフの里に行く前に寄りたい所があるんだけど良いかな?」
「シスター・マリーの所?」
こくりと縦に頷く歩。よく見たら生八ツ橋の箱は10箱以上あった。
「おばあちゃ───間違えた。シスター・マリーにもこっちのお菓子を食べてもらいたいんだよね・・・ハハハ」
「今、おばあちゃんって言いかけてなかった?」
図星を突かれたようで歩は顔を赤くし、そっぽを向いている。
「・・・呼んでないよ」
「フフ、歩可愛い」
ギュッとシトラは歩の右腕にしがみつく。すると周りからのひそひそ話が大きくなった。
「嘘!?ラブラブじゃん!!」
「彼氏ちゃんも顔真っ赤にしてカワイー!」
何でだろうか?シトラがいきなり抱きついてくる事などは慣れているはずなのに、何だか恥ずかしい。一方のシトラはニコニコと笑顔を作っている。
やばい、恥ずか死ぬ───!!
「シトラ、ちょっと離れてよ。皆見てるから!!」
小声で呼び掛けるもシトラは横に顔をブンブンと振って拒否した。
「やーだよ。でも、歩なら無理矢理でも引き剥がせるんじゃない?」
確かに言う通りだ。最初の頃は僕の方が下だったはずのステータスやレベルは1年半でシトラを追い抜かしていた。それ故無理矢理でもシトラを引き剥がす事は出来る。
だが、ここで。公衆の面前で女性を力で引き剥がすような行為をしたらどうなるだろう。きっとデパートを出るまで冷たい目線が僕の心を焼き付くすだろう。
くそっ!シトラの奴!!そこまで計算して右腕に抱きついたのか!!
すべてを察した僕の顔を見たシトラはニヤリと小悪魔のような笑みを浮かべた。
こうなってしまったシトラを止める事は魔物を退治する事よりも難しい。潔くシトラに抱きつかれているしかない。
それからジェラートを食べて家に帰るまでの2時間、シトラがずっと僕の右腕に抱きついて事はこれから死ぬまでずっと覚えているだろう。こんなに恥ずかしい思いをしたのは初めてだった。
★
「あ~楽しかった!!」
「僕は死ぬほど恥ずかしいかった」
自宅へ着いた歩とシトラは生八ツ橋を冷蔵庫に入れると2階の居間でバラエティー番組を見ながらくつろいでいた。
シトラは他に座る場所があるにも関わらず、あぐらをかいた僕の上に座ってもたれ掛かっていた。
まるでネコように寛ぐシトラを見ているとついつい顎を撫でたくなってしまう。それをやるとシトラが「顎だけは止めて!」と怒るのでやらないのだが。
「ちょっとさ、気になってる事があるんだけど聞いても良い?」
「良いよー」
「エルフと人間以外の種族っているの?」
1年半も一緒にいて何故今まで聞いていなかったのだろうか?エルフがラグナロクに存在するなら、もしかしたら神話に登場するドワーフやオーガなどの種族も存在するのではないだろうか?
「いるよー、アタシ達エルフと人間以外の種族はー。ドワーフとかオーガとか魔族とか」
「やっぱり存在してたのか───って魔族!?」
種族の中に異様な存在が混じっていた事に歩は驚く。てっきり昔の魔王退治の際に絶滅しているかと思っていた。
「そんな簡単に1種の生物が絶滅する事はないよー。ゴキブリだっていっぱい殺しているのに死ぬほどいるでしょ?」
「例え方例え方」
とてもシンプルで分かりやすかったが、例えが汚い。だが、驚きはそれだけではすまなかった。
「しかも魔王もいるんだし、絶滅はまず無いよ」
「・・・ごめん、今何て言った?」
「魔王がいるから魔族の絶滅はありえないって言ったけど」
「魔王生きてるのぉ!?」
待て待て!魔王は確か昔にラグドさん達が倒したのでは無いのか!!それとも殺さずに許したのか!?
「そうそう。倒しはしたけど、殺しはしてないよ。そんな事したら後で魔族達に恨みを買うのがオチだよ~」
まあ、しばらくの間牢獄にぶちこまれたけどね、と情報をついかする。意外だった。倒したと聞いたのでてっきり殺したのかと・・・。
「もしかして魔王の事、絶対悪と思ってない?」
「ま、まあそうかな・・・?」
RPGでは魔王という存在は全生命の絶対悪。ラグナロクでは違うのか?
「魔王って魔族の王の略だからね!だから魔王が絶対悪とは限らないよ」
「そ、そうなの・・・」
「こっちの世界にもいたでしょ?この世を支配しようとした暴君。ラグドさん達が倒した魔王がまさにそれだったわけ」
世界を手に入れようとした王はいなかったが、暴君なら様々な時代に現れている。
中国の煬帝やローマのネロ帝などが良い例だ。
「まあ今は病気で死んじゃったから魔王の実の娘が統治してるけどね」
「何とも普通の死に方だな・・・新魔王はどんな感じなの?」
「アタシも小さい頃に会っただけなんだよね。ちょっと根暗だけど良い子だったよ。今は魔族の名誉回復の為に頑張ってるらしいよ」
成る程。魔族と聞いてあまり良いイメージはなかったが、どうやら僕の思い違いだったようだ。善良な魔族に会う前に聞いておいて良かった。
「久しぶりに会いたいけど・・・今会ったら迷惑かな?」
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