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四章二人の魔女の戦争

シトラの作戦

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「多いな、とは思っていたけれども・・・こう目の前にしてみると怖いわね」

 黒髪の魔女はコロシアムの真ん中に立っていた。まるでコロシアムの戦いに勝った勝者に。

 黒髪の魔女は右腕を天高く上げると、パチンと指を鳴らした。すると何もないはずの闘技場の空中に恐ろしく大きなクリスタルが現れ魔女の前へと降りてくる。そのクリスタルは後ろにいる魔女が見えなくなるほど巨大であった。

 だが、驚いたのはクリスタルの大きさだけではない。そのクリスタルの中に見えるものにも驚いてしまう。

「シャルナ!!」

 なんとクリスタルの中にはシャルナ王女が入っていた。封印魔術の1種だろうか?シャルナ王女は目を閉じており眠っているかのように見える。

「貴様・・・!!」

「どうどう、怒らないの。殺さなかっただけ感謝しなさい」

 何と傲慢な態度なのだろうか。ロマニア王がもしも短気な性格だったらすぐに兵士を進軍させていただろう。ロマニア王は抜きかけていた剣を納め、後退する。

「そうそう🎵それで良いのよ」

 僕は短気ではない・・・と今まで思っていたが、違ったのだろうか?今から剣を抜いてドラゴブレイクを全力で打ちたいと思ってしまった。

「歩、落ち着け。ムカつくのはわかるが我慢しろ」

 一方、ライムさんは冷静だった。いや、冷静を保っているのだろう。いつもの彼なら喧嘩を売られたら喧嘩を即行で買うタイプの人間なのだから。

 ライムさんも我慢にしているのに自分は我慢しなくてどうする!と歩は自分を抑える。

 作戦成功には自分を抑制しなければならないのだから。ラグドからの合図を確認。今だ───!!

「あ、そういえばそっちの方に偵察隊送ったんだけど、知らない?」

 思い出したかのようにライムが黒髪の魔女に話を切り出す。黒髪の魔女はすぐに反応した。

「あら?そんなのを送ってたわけ?」

 ニヤニヤと笑って余裕そうに振る舞う人を嘲笑うかのような笑みがなんとも腹立つ。

「そうか・・・なら良かった」

 ライムは安堵した表情を見せると、ポケットから手のひらサイズのクリスタルを取り出し、クリスタルに向かって喋った。

「偵察部隊に告ぐ!爆撃開始!!」

 ライムが叫んだ次の瞬間、闘技場の観戦席のあちこちから爆弾が投げ放たれた。

 次々と落ちてきては爆発する爆弾に黒髪の魔女も動揺し、動けていない。

「ちょっ!何!?」

「ステップ2だ!!シトラ、やれ!!」

 クリスタルに向かって再び叫ぶと何処からともなく飛んできた矢がシャルナが閉じ込められたクリスタルに突き刺さり、ひび割れ、そして割れた。

「ステップ3じゃあぁぁぁ!!」

 割れたと同時にライムがダッシュし、倒れるシャルナの身体をキャッチしてこちら側へと戻ってきた。

「えっ───ちょ、待っ───!!」

 大事な人質がとられてしまった黒髪の魔女はこちらに手を伸ばして待ってと叫ぼうとするが、ロマニア王は決して待ちはしなかった。

「人質はもういない!!構わず射てぃ!!」

 ロマニア王の目は完全に血走っていた。だが、今はその血走った目がとても役にたっている。今のロマニア王に人情などという感情は一欠片もない。だからどんなに人間に似た姿をした者が相手でも殺す気で号令が出せる。

 王に命令を出されたならば、仕方がない。兵士達は弓を矢に番えて放った。その矢の数、実に500本。

 何十本かは外れたが、放った6割程は魔女の手や足や胸に刺さる。魔女はあまりの傷みに声も出ないようだ。

「よし、締めだ!!──ステップ4ぅ!!」

 ライムの指示によって前に現れたのは平均レベル40以上の魔術師軍団。彼等は前へと出てくるや否や魔術の詠唱を始めた。

「「「「死を司る炎よ、敵を焼き尽くせ───『フレイム』!」」」」

 総勢40人の魔術師軍団が放った魔術は炎の魔術フレイムだった。矢の大部分は木で出来ている良く燃えるだろう。

「ガソリンっていう良く燃える油も使ってんだ。いい感じに焼けてくれよ魔女様♪」

 亮一が言った通り黒髪の魔女は大迫力の炎で焼けた。あまりの大きさに魔術師軍団もおおっ!と声を上げる程の炎だ。小学生の時に見たキャンプファイアーを彷彿とさせるその炎はパチパチと音を立てながら魔女の肉を焼き焦がしていく。

「熱い!熱い!助けてぇぇぇ!!」

 しかし誰も助けはしない。当然の報いという言葉はあまり好きではないが、今の魔女の様はまさに当然の報い状態であった。

 美しかった肌が、きらびやかだった髪がどんどん二酸化炭素へと変換していく様は見ていると吐き気を催す。すでに何人かの新米兵士が吐いていた。

 キャンプファイアーならぬウィッチファイアーは天高く燃えた。



「うわぁ・・・肉が焦げた匂いがする」

 それはそうであろう。魔女を直火で焼いたのだから。焦げ臭い匂いがして当然だ。

「それにしても、少しやり過ぎなのでは・・・?」

「焼かなかったにせよ、この魔女は遊びで国を潰そうとしたのだ。雑草は成長する前に抜くのが道理であろう?」

 ロマニア王の意見も確かに分からないでもないが、流石にやり過ぎだと思ってしまった。

 黒髪の魔女は、肉だけでなく骨までもが灰と化していた。身体は人間だった為何とも罪悪感が残るものだなと思う。

 なら、何故止めなかったのか?きっと心の奥底で魔女なんて死んでしまえば良いと思ってしまっているからだろう。

「とにかく今はシャルナの方が心配じゃ。早く城に戻って専属の医者に見てもらう事にしよう」

 ロマニア王は魔女を倒して完全に気が抜けた兵士達を連れて闘技場を後にした。

「客将達は残るのかね?」

「はい、まだ調べたい事があるとか。騎士団長も残っているので万が一の事があっても大丈夫かと」

「彼等はそんな人間ではないよ」

 ただ、調べたい事は何なのかは気になるね。



「やったわね、歩!残りの青い方も倒しちゃいましょう!!」

 自分の作戦が大成功した事で大喜びのシトラは歩に飛びつくくらいの勢いで歩達のいる場所へと駆けつける。

 歩はそんな彼女を笑顔で迎えるがシトラはその笑みに違和感を覚える。歩の笑みは靄がかかっているようだった。

「何か・・・あったの?」

 歩が目線を向けたのは黒髪の魔女だった炭だった。歩は炭化した黒髪の魔女の顎の骨を死骸から砕いて手に取った。

「何やってんの、歩?衛生面的に良くないと思うから触んない方が───」

「やっぱりだ・・・」

 シトラが全て言い切る前に歩の言葉が遮る。シトラは遮れた事に怒りは覚えなかったが、何がなのか気になってしまった。

「ラグドさん、これ

「え・・・」

 何と歩は黒髪の魔女の死骸を骨ではないと言ったのだ。では黒髪の魔女は何で出来ていたというのだ?

「これ・・・木だな」

「木!?」

 何という事だろうか!黒髪の魔女の骨格は骨ではなく木で出来ていたのか!シトラが驚いていると歩が更に飛んでもないことを言い出した。

「シトラ。シャルナ王女を救うのには成功したけど、まだ黒髪の魔女は生きてるらしい」

「はい!?」

 という事は丸焦げにされたのは偽物だという事なのか?シトラが歩にそう聞くと歩はしっかりと首を縦に振った。

「何処にいるか分からないから早く出てきてくれ!!」

 闘技場に響き渡る声で叫んで黒髪の魔女に呼び掛ける。からの静寂。返事は返ってこない。

「いないのかー?僕達は正々堂々と戦う───」

 大声で叫んでいた歩の口が止まる。止めたのは他の人の言葉ではなく。

「しまっ・・・た───」

 シトラが手に握るナイフだった。シトラ?のナイフは歩の脇腹に深く刺さっている。シトラ?はニヤリと厭らしい笑みをフリーズする歩に見せつけると、ドアの鍵を開けるかのようにグリグリとナイフを捻る。

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 捻る毎に歩の悲鳴が闘技場中に響き渡っる。

 唖然として見ていた亮一達も数秒後にフリーズから戻り歩の肉を抉るシトラ?取り押さえようとする。

「邪魔するんじゃないよ!」

 突き出した手から魔力で作られた縄のような物が飛び出し、生き物のように亮一達の身体に絡み付く。

 何とかしてほどこうとするが、息が詰まる程にキツく縛られてしまった為、ほどけない。

 縄の拘束に喘ぎながらもラグドはシトラ?に叫んだ。

「止めろ!!魔女!!」

 シトラ?はラグドが言った通りにナイフを歩の脇腹から抜き取り、こちらの方へと姿歩み寄ってくる。

「やっぱり、油断した所を突いた時の人間の顔って最高ね。貴方達もそう思うでしょう?」

 歩達は先日の戦術的勝利で見くびっていたかもしれない。魔女という化け物の真骨頂を。
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