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四章二人の魔女の戦争
歩、目覚める
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ぺたりと冷たい何かが顔を覆う。水を含んだタオル?最初は何か分からなかったが、生地で分かった。
僕は今誰かに顔を拭われているらしい。何とも目を開けずらいタイミングに起きてしまったな。
1つここで疑問がある。何故僕は顔を拭われているのだ?少し前の事を思いだそうとするが、中々思い出せない。
記憶を読み戻そうと奮闘していると、顔に感じていた濡れたタオルの感触がなくなった。起きるなら今だ。
思い立った歩はゆっくりと目を開けた。
「あら!目が覚めたようですね!」
「・・・ここは?」
「教会です」
「教会・・・?」
よく見ると僕の世話をしていた女性は修道女だった。修道女は太陽のような笑みを僕に向かって称えている。
「すみません、何故僕はここに・・・?」
「えっと、ですね。貴方は魔女の手駒にはれていたんです」
「手駒・・・・・あっ───!」
忘れられていた記憶が鮮明に思い出される。そうだ僕は洗脳を受けて記憶を封印されたんだ!
だから魔女は僕の事をウォークスという名で呼んでいたのだろう。
「あの、もしかして僕かなりご迷惑をお掛けしてしまいましたか・・・?」
「それはー・・・そのー・・・」
修道女は何とも気難しそうな顔をして悩んでいる。この時点で分かる。僕は多大なる迷惑をかけたのだと。
「お目覚めのようですね、歩さん」
右側から突然声が聞こえてくる。右にすぐさま首を回すと優しい笑み称えた老婆が部屋のドアの前に立っていた。
「貴女は・・・?」
「マリーと申します。この教会で若き修道女達を育てている老耄です」
マリー、聞き覚えのある名であった。だが、頭がまだ混乱しているのか聞いたのがかなり前なのかその時の記憶が思い出せない。
「混乱しているようですね。焦らずゆっくりと思い出した方が早いですよ」
「はい・・・」
ニコリと頬笑み、マリーは回れ右をして部屋から立ち去ろうとする。
「今日はゆっくりとおやすみなさい。貴方、洗脳されて相当疲労しているようすですから」
マリーの言う通りである。ベッドから立ち上がろうとしたが、身体が動かないのだ。疲労というよりも麻痺しているような感覚だ。
「さあ、シスター・メリア私達も明日に備えて寝ましょう」
「はーい!」
シスター・メリアと呼ばれた修道女は元気良く返事をすると、イスから立ち上がってマリーと一緒に部屋から出ていった。
「じゃ、おやすみ歩さん!」
「おやすみなさい」
子供のように無邪気なメリアに笑顔で手を振ると、どっと疲れが襲ってくる。疲れは先程から感じていたが、あの2人がいなくなってからいきなり疲れが倍増したような気がする。
一段落ついて心が落ち着いたからか?分からない。分からないというよりも頭が追い付かない。相当に疲れている。
寝ようと決心した時には歩は夢の中へとダイブしていた。
★
「そうか、違かったか・・・」
「はい・・・申し訳ございません」
「いや、君が謝る事ではない。かといって私が謝る事でもないし、これは誰も悪くないのだよ」
頭を下げるライムに頭をあげるよう促すラグド。彼は笑顔であったが、顔色は優れていなかった。毒が回っているのではと思ったが、違うらしい。原因は歳による再生能力の低下だとか。
「昔のあの事件のようにはしたくない。なんとしてでも探さないと・・・」
20年程昔の事である大魔術師のプリング兄弟がソウルイーターの実験の為に我がロマニア王国の騎士を拐った事件があった。すぐさま当時の実力者であった音速の騎士トーマが向かってくれたが、騎士は救われず、トーマまでもが行方不明となってしまった。
「何としてでも探しだしてやる・・・」
ラグドの意思は強固な物であった。
★
「歩さん、朝ですよ!起きてください!」
身体にかけていた布を勢い良く引っ剥がされて、歩はまだ眠いながらも何とか起きた。
疲れは消えていた。やはり体力回復には睡眠が一番だと改めて思う。
「今、何時ですか・・・?」
「7時です!」
「随分と早いですね。教会で暮らす人は早起きなんですか?」
「朝のお祈りがあるので!」
「へえー、そんなのがあるんですか」
神に仕える人は大変だなと感心する。シスター・メリアに手を引っ張られ歩いていると、何かのスープの匂いが鼻を刺激してきた。
「みなさん歩さんの事を待っているんで急ぎましょう!」
「え?待ってるって?」
「朝ご飯は皆で食べるのが常識でしょう?さ、急ぎましょう!」
ぐいぐいと引っ張るメリア。歩は一度転びそうになるが、何とか立て直す。
少し歩くとシスター・メリアのような格好をした修道女達が目の前にあるパンとスープにお腹を鳴らしながら食堂の席に座って待っていた。
僕が食堂に現れた途端、修道女達は僕の方を一斉に見る。来客は珍しいのだろうか、修道女達はヒソヒソ話を始めた。
・・・なんだろう、居ずらい。ヒソヒソ話をされている事だけでなく、僕以外女性しか居ないというのが何とも居心地が良くない。彼女達も同じ考えだろう。
「揃いましたね、では頂きましょう」
横長テーブルの奥に座っているマリーがそう言うと修道女達は一斉にパンとスープを食べ始めた。僕も続いて食べ始める。スープはキャベツや玉葱をトロトロになるまで煮詰めた野菜スープ。パンはカチカチの黒パン。粗末な朝食であったが、歩はこのメニューがとても好きだった。
黒パンを一口サイズに千切ってはスープに浸して口に運ぶ。スープはコンソメだった。コンソメとパンは絶妙に合う。
食べ進めていると、歩は周囲の視線に気付く。肩身が狭いなかモソモソと食べていると、一人の若い修道女が勇気を振り絞って歩に話しかけた。
「あ、あのっ。もし良ければお名前を教えていただけませんか?」
若い修道女は頬を赤く染め、モジモジしながら質問した。歩は修道女の緊張を和らげる為に笑顔で名前を答えた。
「これは失礼しました。僕の名前は小野山歩。歩と呼んで下さい」
「は、はいっ」
修道女は満足したようで、食事を再開する。すると他の修道女達も次々と歩に詰めよって質問責めを開始した。
「歳はお幾つなのですか?」
「今年で19です」
「普段は何をなされているの?」
「地元で小さな喫茶店を切り盛りしています」
喫茶店という言葉がそんなに珍しいのか修道女達はおおっ、と歓喜の声を上げる。
「何処に住んでるんすか?城下町?それとも───」
「あ、そういえば───」
「ん?どうしたんすか?」
「少し・・・気になる事がありまして。少し質問よろしいでしょうか?」
「良いっすよ!じゃんじゃん聞いてください!」
朝ボケで忘れていたが、聞きたい事があった事を思い出す。とても簡単な質問だ。今何年ですか?と同じくらい簡単な。
「ここってラグナロクですか?」
「そうっすけど?それがどうかしたんですか?」
大体は察していたが、やはりそうだったか。魔女、教会の造り等、色々な所から感じてはいたが聞いてみるとショックを受ける。
魔女の奴、とんでもない所に連れてきてくれたものだ。
「やはり、貴方はこの世界の者ではなかったのですか」
口を開いたのはこれまで黙って僕と修道女達を見ていたシスター・マリーであった。シスター・マリーは立ちあがり僕の元に歩み寄ろうとすると、修道女達はシスター・マリーの為にと道を開けた。
「貴方はエデンの民ですね」
「・・・はい」
途端、周りにたむろっている修道女達ざわめき始める。
エデン?御伽噺の世界じゃないの?本当にあるの?もしかして頭打っちゃったのかしら?いや、本当にあるのかもよ?と修道女達は様々な予測を口にしだす。
「貴方がエデンの民だとするなら、何故そのような強大な力を持っているのですか?」
強大な力と言われて何の事だかすぐに察しがついた。ステータスカードの事であろう。だが、ステータスカードを持っている事を知るには本人に見せてもらうか、サーチで情報閲覧をするしか方法がないはず。そこから考えられる予想は1つのみ。シスター・マリーもステータスカードの所有者だという事である。
「とある人から貰いました」
「隠さないでその人の名前を言ってください。もしかしたら貴方の手助けが出来るかも知れません」
「ロマニア王国騎士団長のラグドさんから・・・」
「まぁ!ラグドから!」
「知り合いなんですか?」
「40年以上の付き合いよ」
シスター・マリーは手を合わせて喜ぶ。流石は元勇者、顔が広い。
「すぐにラグド宛ての手紙を出しましょう。それまで待っててくれますか?」
「はい!是非!」
早速エデンへの帰還の糸口が見つかって良かったと歩はホッと息をついた。質問責めも終わり、飲みかけのスープの飲む。スープはいつの間にか冷えていた。
僕は今誰かに顔を拭われているらしい。何とも目を開けずらいタイミングに起きてしまったな。
1つここで疑問がある。何故僕は顔を拭われているのだ?少し前の事を思いだそうとするが、中々思い出せない。
記憶を読み戻そうと奮闘していると、顔に感じていた濡れたタオルの感触がなくなった。起きるなら今だ。
思い立った歩はゆっくりと目を開けた。
「あら!目が覚めたようですね!」
「・・・ここは?」
「教会です」
「教会・・・?」
よく見ると僕の世話をしていた女性は修道女だった。修道女は太陽のような笑みを僕に向かって称えている。
「すみません、何故僕はここに・・・?」
「えっと、ですね。貴方は魔女の手駒にはれていたんです」
「手駒・・・・・あっ───!」
忘れられていた記憶が鮮明に思い出される。そうだ僕は洗脳を受けて記憶を封印されたんだ!
だから魔女は僕の事をウォークスという名で呼んでいたのだろう。
「あの、もしかして僕かなりご迷惑をお掛けしてしまいましたか・・・?」
「それはー・・・そのー・・・」
修道女は何とも気難しそうな顔をして悩んでいる。この時点で分かる。僕は多大なる迷惑をかけたのだと。
「お目覚めのようですね、歩さん」
右側から突然声が聞こえてくる。右にすぐさま首を回すと優しい笑み称えた老婆が部屋のドアの前に立っていた。
「貴女は・・・?」
「マリーと申します。この教会で若き修道女達を育てている老耄です」
マリー、聞き覚えのある名であった。だが、頭がまだ混乱しているのか聞いたのがかなり前なのかその時の記憶が思い出せない。
「混乱しているようですね。焦らずゆっくりと思い出した方が早いですよ」
「はい・・・」
ニコリと頬笑み、マリーは回れ右をして部屋から立ち去ろうとする。
「今日はゆっくりとおやすみなさい。貴方、洗脳されて相当疲労しているようすですから」
マリーの言う通りである。ベッドから立ち上がろうとしたが、身体が動かないのだ。疲労というよりも麻痺しているような感覚だ。
「さあ、シスター・メリア私達も明日に備えて寝ましょう」
「はーい!」
シスター・メリアと呼ばれた修道女は元気良く返事をすると、イスから立ち上がってマリーと一緒に部屋から出ていった。
「じゃ、おやすみ歩さん!」
「おやすみなさい」
子供のように無邪気なメリアに笑顔で手を振ると、どっと疲れが襲ってくる。疲れは先程から感じていたが、あの2人がいなくなってからいきなり疲れが倍増したような気がする。
一段落ついて心が落ち着いたからか?分からない。分からないというよりも頭が追い付かない。相当に疲れている。
寝ようと決心した時には歩は夢の中へとダイブしていた。
★
「そうか、違かったか・・・」
「はい・・・申し訳ございません」
「いや、君が謝る事ではない。かといって私が謝る事でもないし、これは誰も悪くないのだよ」
頭を下げるライムに頭をあげるよう促すラグド。彼は笑顔であったが、顔色は優れていなかった。毒が回っているのではと思ったが、違うらしい。原因は歳による再生能力の低下だとか。
「昔のあの事件のようにはしたくない。なんとしてでも探さないと・・・」
20年程昔の事である大魔術師のプリング兄弟がソウルイーターの実験の為に我がロマニア王国の騎士を拐った事件があった。すぐさま当時の実力者であった音速の騎士トーマが向かってくれたが、騎士は救われず、トーマまでもが行方不明となってしまった。
「何としてでも探しだしてやる・・・」
ラグドの意思は強固な物であった。
★
「歩さん、朝ですよ!起きてください!」
身体にかけていた布を勢い良く引っ剥がされて、歩はまだ眠いながらも何とか起きた。
疲れは消えていた。やはり体力回復には睡眠が一番だと改めて思う。
「今、何時ですか・・・?」
「7時です!」
「随分と早いですね。教会で暮らす人は早起きなんですか?」
「朝のお祈りがあるので!」
「へえー、そんなのがあるんですか」
神に仕える人は大変だなと感心する。シスター・メリアに手を引っ張られ歩いていると、何かのスープの匂いが鼻を刺激してきた。
「みなさん歩さんの事を待っているんで急ぎましょう!」
「え?待ってるって?」
「朝ご飯は皆で食べるのが常識でしょう?さ、急ぎましょう!」
ぐいぐいと引っ張るメリア。歩は一度転びそうになるが、何とか立て直す。
少し歩くとシスター・メリアのような格好をした修道女達が目の前にあるパンとスープにお腹を鳴らしながら食堂の席に座って待っていた。
僕が食堂に現れた途端、修道女達は僕の方を一斉に見る。来客は珍しいのだろうか、修道女達はヒソヒソ話を始めた。
・・・なんだろう、居ずらい。ヒソヒソ話をされている事だけでなく、僕以外女性しか居ないというのが何とも居心地が良くない。彼女達も同じ考えだろう。
「揃いましたね、では頂きましょう」
横長テーブルの奥に座っているマリーがそう言うと修道女達は一斉にパンとスープを食べ始めた。僕も続いて食べ始める。スープはキャベツや玉葱をトロトロになるまで煮詰めた野菜スープ。パンはカチカチの黒パン。粗末な朝食であったが、歩はこのメニューがとても好きだった。
黒パンを一口サイズに千切ってはスープに浸して口に運ぶ。スープはコンソメだった。コンソメとパンは絶妙に合う。
食べ進めていると、歩は周囲の視線に気付く。肩身が狭いなかモソモソと食べていると、一人の若い修道女が勇気を振り絞って歩に話しかけた。
「あ、あのっ。もし良ければお名前を教えていただけませんか?」
若い修道女は頬を赤く染め、モジモジしながら質問した。歩は修道女の緊張を和らげる為に笑顔で名前を答えた。
「これは失礼しました。僕の名前は小野山歩。歩と呼んで下さい」
「は、はいっ」
修道女は満足したようで、食事を再開する。すると他の修道女達も次々と歩に詰めよって質問責めを開始した。
「歳はお幾つなのですか?」
「今年で19です」
「普段は何をなされているの?」
「地元で小さな喫茶店を切り盛りしています」
喫茶店という言葉がそんなに珍しいのか修道女達はおおっ、と歓喜の声を上げる。
「何処に住んでるんすか?城下町?それとも───」
「あ、そういえば───」
「ん?どうしたんすか?」
「少し・・・気になる事がありまして。少し質問よろしいでしょうか?」
「良いっすよ!じゃんじゃん聞いてください!」
朝ボケで忘れていたが、聞きたい事があった事を思い出す。とても簡単な質問だ。今何年ですか?と同じくらい簡単な。
「ここってラグナロクですか?」
「そうっすけど?それがどうかしたんですか?」
大体は察していたが、やはりそうだったか。魔女、教会の造り等、色々な所から感じてはいたが聞いてみるとショックを受ける。
魔女の奴、とんでもない所に連れてきてくれたものだ。
「やはり、貴方はこの世界の者ではなかったのですか」
口を開いたのはこれまで黙って僕と修道女達を見ていたシスター・マリーであった。シスター・マリーは立ちあがり僕の元に歩み寄ろうとすると、修道女達はシスター・マリーの為にと道を開けた。
「貴方はエデンの民ですね」
「・・・はい」
途端、周りにたむろっている修道女達ざわめき始める。
エデン?御伽噺の世界じゃないの?本当にあるの?もしかして頭打っちゃったのかしら?いや、本当にあるのかもよ?と修道女達は様々な予測を口にしだす。
「貴方がエデンの民だとするなら、何故そのような強大な力を持っているのですか?」
強大な力と言われて何の事だかすぐに察しがついた。ステータスカードの事であろう。だが、ステータスカードを持っている事を知るには本人に見せてもらうか、サーチで情報閲覧をするしか方法がないはず。そこから考えられる予想は1つのみ。シスター・マリーもステータスカードの所有者だという事である。
「とある人から貰いました」
「隠さないでその人の名前を言ってください。もしかしたら貴方の手助けが出来るかも知れません」
「ロマニア王国騎士団長のラグドさんから・・・」
「まぁ!ラグドから!」
「知り合いなんですか?」
「40年以上の付き合いよ」
シスター・マリーは手を合わせて喜ぶ。流石は元勇者、顔が広い。
「すぐにラグド宛ての手紙を出しましょう。それまで待っててくれますか?」
「はい!是非!」
早速エデンへの帰還の糸口が見つかって良かったと歩はホッと息をついた。質問責めも終わり、飲みかけのスープの飲む。スープはいつの間にか冷えていた。
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