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四章二人の魔女の戦争
辺境の大教会
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教会に勤める女性達の朝は早い。6時に起床したら、朝食の前に神へのお祈りをする。
その後にやっと食事にありつける。食事は質素な物ばかり。黒パンに野菜をトロトロになるまで煮込んだスープ。不味くはないが飽きてしまう。
1人の若い修道女が不満気に黒パンをスープに浸して食べている。
「あら、どうしたのですシスター・メリア?」
修道女の中でも最も歳を重ねている老婆が笑みを讃えて優しくメリアに訪ねる。
「いえ、何でもありません・・・」
「嘘をおっしゃい。何でもなければそんな顔はいたしません」
老婆はお見通しだった。彼女は今まで多数の修道女を育てて来た。人の感情を見極める事は意図も簡単に出来よう。
「実は・・・お肉が食べたいな、て・・・・」
「シスター・メリア!恥を知りなさい!」
メリアより少し年上の修道女が顔を真っ赤にして声を上げる。老婆はまあまあと優しく宥めた。
「シスター・メリアの気持ちもよく分かります。最近お肉らしいお肉を食べたのは5ヶ月前ですからね。皆さんも食べたいでしょうお肉」
話しを聞いていただけの修道女達が頬を赤らめながらもこくりと縦に頷いた。先程メリアを叱った修道女も恥を忍んで頷いた。
「では、明後日の晩御飯は鶏肉にしましょう」
わっ、と歓声が上がる。老婆は皆に聞こえる大きな声で静まるよう促す。
喜びを顔に浮かべたメリアは老婆に近づいて感謝の言葉を送る。
「ありがとうございます!シスター・マリー」
マリーは優しく微笑んだ。
★
「ん・・・」
頭が割れそうな位痛む。頭痛ではなく、何か鈍器に殴られたような痛みだ。
身体が言うことを聞かない。まるで全身麻酔をかけられたかのように。
でも、目は開く事が出来るようだ。歩はゆっくりと目を開けて、驚愕した。
歩は縛られていた。縄ではなく、タコのような触手に。驚いたのは縛られていた事ではなく、自分がいる部屋だった。
(何処なんだここは・・・?)
グツグツと名称しがたい何かを煮ている大きな壺。占い師が持っていそうな傷1つない水晶玉。そして、極めつけには人間の頭がい骨。
大きな壺があるところで気づいてはいたが、どうやらここは僕の部屋ではないらしい。
ゆっくりと思いだそう。僕が目覚める前の事を・・・。確かハヤシライスに使うトマトがきれたから八百屋に買いに行ったんだっけか?余計に小松菜とキャベツも買ってしまった記憶もある。
その後帰ろうとしたら妖艶な女性に遭遇して───そこから記憶がない。
恐らくはあの妖艶な女性が僕をここまで何らかの方法で連れてきてここに縛ったのだろう。
(新魔王軍か・・・?)
アイツらが関わっている可能性は高い。僕をこの後どうするのかは分からないが。兎に角、新魔王軍じゃなかったとしても人の拘束する奴が友好的な人物には思えない。ここから脱出するのが1番だ。
「ふふ、起きたようね」
「ッ!!」
誰だ!と言いたかったが声が出ず、突然現れた誰かを見たかったが、目と耳以外は身体が言うことを聞かなかったので、目だけを向けた。
そこにいたのは紫髪の魅惑的な体つきをした魔性の女性。僕を拐ったと思わしき人物だった。
「あと2時間は眠っていてもおかしくないはずなんだけれども・・・流石は竜殺しの英雄シグルの魂を継ぐ者ね。精神力が半端じゃないわ」
「───ッ!!」
やはり、この女!新魔王軍と───。
「新魔王軍とぉ?あはは!確かにこの状況だとアイツらの事考えてちゃうわよね」
「ッ??」
違う、のか───?だとするとこの女は何が目的で───??
「知りたいの?フフ、じゃあ教えてあ・げ・る♥️」
女は肢体をくねらせながら拘束された僕に近づくと、頬をそっと撫でて耳元で言った。
「貴方、私の物なりなさい」
瞬間、僕は強い睡魔に襲われ眠ってしまった。
★
「騎士ライム、ただいま帰ってきましたぁ!!」
ドアを豪快に開け、騎士の詰所へと入ってくるライム。最初に見かけたのはうーんと唸るラグドだった。
「どうしたんすか団長?またお孫さんが心配なんですか?」
「アイツの事はいつも心配している。私が今悩んでいるのはもっと別の事なんだ」
いつも明るく陽気なライムだが、ラグドが真剣に考えている事を察して真面目な顔をして質問する。
「もしよろしければ俺にも教えてくだせぇ。何か手助けになれるかも」
「そうか、ならば話そう。歩君が魔女らしき人物に拐われた」
「アユ公が魔女に!?」
「魔女とは言い切れないが、魔女らしき人物に拐われたらしいんだ」
「魔女・・・ですか・・・」
「心当たりがあるようだね?」
「透視能力を不意に使わないでくださいって」
こほんと咳払いをすると、ライムは語り始めた。
「俺は今日魔物退治しに行ったのですが、その魔物、本来はソルジャー級のモンスターなのにナイト級並みに強くてですね、死骸を調べてみたら、魔術で強化された後があるんですよしかも強力な」
「ほう、それで」
「近くにある森から魔物が発生していたので、入って調査してみたら───」
「魔女がいたのだな?」
「・・・はい」
とても有力な情報だったとライムを誉め称えると、ラグドは剣を手に取り立ち上がる。魔女がいた森に向かおうとしていると気づいたライムはドアの前に立って制止する。
「団長、待ってください!今貴方は───!!」
ラグドが立ち上がろうとしたが、途端に苦しみ胸を抑え、吐血する。
「この前の戦いの傷が消えていないでしょう!そんな身体で歩かないで下さい!!」
ラグドは3日前に上級悪魔と戦った末にナイフのように鋭い悪魔の爪で肝臓を刺されてしまったのだ。治療魔術のお陰で一命は取り止めたが、治療魔術は厳密に言えば体を癒す魔術ではなく細胞の再生力を上げる魔術だ。
若者なら剥離骨折をしたとしても意図も簡単に治せよう。だが、老年の人間は違う。
ラグドは魔王や上級悪魔には勝てても歳には勝てないと思いしるのであった。
その後にやっと食事にありつける。食事は質素な物ばかり。黒パンに野菜をトロトロになるまで煮込んだスープ。不味くはないが飽きてしまう。
1人の若い修道女が不満気に黒パンをスープに浸して食べている。
「あら、どうしたのですシスター・メリア?」
修道女の中でも最も歳を重ねている老婆が笑みを讃えて優しくメリアに訪ねる。
「いえ、何でもありません・・・」
「嘘をおっしゃい。何でもなければそんな顔はいたしません」
老婆はお見通しだった。彼女は今まで多数の修道女を育てて来た。人の感情を見極める事は意図も簡単に出来よう。
「実は・・・お肉が食べたいな、て・・・・」
「シスター・メリア!恥を知りなさい!」
メリアより少し年上の修道女が顔を真っ赤にして声を上げる。老婆はまあまあと優しく宥めた。
「シスター・メリアの気持ちもよく分かります。最近お肉らしいお肉を食べたのは5ヶ月前ですからね。皆さんも食べたいでしょうお肉」
話しを聞いていただけの修道女達が頬を赤らめながらもこくりと縦に頷いた。先程メリアを叱った修道女も恥を忍んで頷いた。
「では、明後日の晩御飯は鶏肉にしましょう」
わっ、と歓声が上がる。老婆は皆に聞こえる大きな声で静まるよう促す。
喜びを顔に浮かべたメリアは老婆に近づいて感謝の言葉を送る。
「ありがとうございます!シスター・マリー」
マリーは優しく微笑んだ。
★
「ん・・・」
頭が割れそうな位痛む。頭痛ではなく、何か鈍器に殴られたような痛みだ。
身体が言うことを聞かない。まるで全身麻酔をかけられたかのように。
でも、目は開く事が出来るようだ。歩はゆっくりと目を開けて、驚愕した。
歩は縛られていた。縄ではなく、タコのような触手に。驚いたのは縛られていた事ではなく、自分がいる部屋だった。
(何処なんだここは・・・?)
グツグツと名称しがたい何かを煮ている大きな壺。占い師が持っていそうな傷1つない水晶玉。そして、極めつけには人間の頭がい骨。
大きな壺があるところで気づいてはいたが、どうやらここは僕の部屋ではないらしい。
ゆっくりと思いだそう。僕が目覚める前の事を・・・。確かハヤシライスに使うトマトがきれたから八百屋に買いに行ったんだっけか?余計に小松菜とキャベツも買ってしまった記憶もある。
その後帰ろうとしたら妖艶な女性に遭遇して───そこから記憶がない。
恐らくはあの妖艶な女性が僕をここまで何らかの方法で連れてきてここに縛ったのだろう。
(新魔王軍か・・・?)
アイツらが関わっている可能性は高い。僕をこの後どうするのかは分からないが。兎に角、新魔王軍じゃなかったとしても人の拘束する奴が友好的な人物には思えない。ここから脱出するのが1番だ。
「ふふ、起きたようね」
「ッ!!」
誰だ!と言いたかったが声が出ず、突然現れた誰かを見たかったが、目と耳以外は身体が言うことを聞かなかったので、目だけを向けた。
そこにいたのは紫髪の魅惑的な体つきをした魔性の女性。僕を拐ったと思わしき人物だった。
「あと2時間は眠っていてもおかしくないはずなんだけれども・・・流石は竜殺しの英雄シグルの魂を継ぐ者ね。精神力が半端じゃないわ」
「───ッ!!」
やはり、この女!新魔王軍と───。
「新魔王軍とぉ?あはは!確かにこの状況だとアイツらの事考えてちゃうわよね」
「ッ??」
違う、のか───?だとするとこの女は何が目的で───??
「知りたいの?フフ、じゃあ教えてあ・げ・る♥️」
女は肢体をくねらせながら拘束された僕に近づくと、頬をそっと撫でて耳元で言った。
「貴方、私の物なりなさい」
瞬間、僕は強い睡魔に襲われ眠ってしまった。
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「騎士ライム、ただいま帰ってきましたぁ!!」
ドアを豪快に開け、騎士の詰所へと入ってくるライム。最初に見かけたのはうーんと唸るラグドだった。
「どうしたんすか団長?またお孫さんが心配なんですか?」
「アイツの事はいつも心配している。私が今悩んでいるのはもっと別の事なんだ」
いつも明るく陽気なライムだが、ラグドが真剣に考えている事を察して真面目な顔をして質問する。
「もしよろしければ俺にも教えてくだせぇ。何か手助けになれるかも」
「そうか、ならば話そう。歩君が魔女らしき人物に拐われた」
「アユ公が魔女に!?」
「魔女とは言い切れないが、魔女らしき人物に拐われたらしいんだ」
「魔女・・・ですか・・・」
「心当たりがあるようだね?」
「透視能力を不意に使わないでくださいって」
こほんと咳払いをすると、ライムは語り始めた。
「俺は今日魔物退治しに行ったのですが、その魔物、本来はソルジャー級のモンスターなのにナイト級並みに強くてですね、死骸を調べてみたら、魔術で強化された後があるんですよしかも強力な」
「ほう、それで」
「近くにある森から魔物が発生していたので、入って調査してみたら───」
「魔女がいたのだな?」
「・・・はい」
とても有力な情報だったとライムを誉め称えると、ラグドは剣を手に取り立ち上がる。魔女がいた森に向かおうとしていると気づいたライムはドアの前に立って制止する。
「団長、待ってください!今貴方は───!!」
ラグドが立ち上がろうとしたが、途端に苦しみ胸を抑え、吐血する。
「この前の戦いの傷が消えていないでしょう!そんな身体で歩かないで下さい!!」
ラグドは3日前に上級悪魔と戦った末にナイフのように鋭い悪魔の爪で肝臓を刺されてしまったのだ。治療魔術のお陰で一命は取り止めたが、治療魔術は厳密に言えば体を癒す魔術ではなく細胞の再生力を上げる魔術だ。
若者なら剥離骨折をしたとしても意図も簡単に治せよう。だが、老年の人間は違う。
ラグドは魔王や上級悪魔には勝てても歳には勝てないと思いしるのであった。
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