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三章音速の騎士
地下空間
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午後4時。お客の姿が店から消えた後の事である。
冬馬は厨房の床をペタペタと手をつきながら這いつくばっていた。
「何処だ・・・?」
何か・・・というよりも何処かを探しているようにも見えた。
その数分後子小さな隙間が開いた床を見つける。
「これか・・・!」
小さな隙間に指を突っ込むと床を持ち上げた。
持ち上げた床の下には地下へと向かう梯がかけられていた。
冬馬は梯で地下へと下りる。近頃掃除をしていないせいか床はカビが繁殖していてクモの巣が大量に作られていたが、匂い等はしなかった。
強いて言えば錆びた鉄の匂いがするのみ。
「何処だ・・・?」
大量に置かれた木箱を開けて中を確かめてみる。
木箱の中に入っている物の大体は賞味期限が20年前の携帯食や災害時に使うヘルメット。更にはランプまである。
一体いつの店長がここに置いたのだろうか?いつか掃除しなければ。
大量にある木箱の中に一際重量がある木箱を見つける。
持ち上げると微かに金属と金属がぶつかり合う音が聞こえてくる。
「これだ!!」
そう確信して木箱を開ける。開けると同時に強い金属の匂いが嗅覚を刺激する。
「久しぶりだな、相棒」
相棒と呼んだ物が入っている木箱の蓋を一度閉めると薄汚い地下を出ていった。
★
「あー楽しかった!」
夕日が沈む帰路歩きながらシトラは上機嫌で鼻唄を唄う。
聴いたことのないリズムの曲だ。彼女の故郷の歌か、それとも自分もまだ聴いたことのない歌手の歌か。
質問すれば唄の名前が分かるだろうが今はそんな事どうでも良くなるほど良い気分に浸っている。
一言で言い表せと言われれば僕は間違いなく今までにないほど充実したデートだったと言うだろう。
勿論シトラとデートには何回も行った。遊園地にも行ったし、東京スカイツリーにも行った。
しかし、大体のデートは途中で魔物退治の依頼が来て台無しになってしまっていたのだ。
今日は幸いな事に魔物退治の依頼が来なかった。
初めてデートを最後までやりきったのだ。
この達成感は魔物退治でもスイーツ作りでも味わった事がない。
史上最高の達成感だった。
「歩、今日はありがと!お陰で可愛いぬいぐるみも水着も買えた!」
「そう、それなら良かった」
抱きつける程に大きいクマのぬいぐるみを両手で抱えるシトラ。ぬいぐるみの頭に顎を乗せ満面の笑みを浮かべる彼女はとても可愛い。
だから僕は彼女に対して甘いのかもしれない。
「ねぇ、本当に冬馬さんへのお土産バームクーヘンで良かったの?」
「うん。父さんここのバームクーヘン大好きだから」
当然父さんにもお土産は買ってきてある。創業90年のお菓子屋が作ったバームクーヘン。母さんに記憶を失って最初に貰ったお菓子だったらしい。
つまりこのバームクーヘンは父さんの思い出の味。喜ばないはずがないのだ。
「早く帰ろう。もしかしたら父さん疲労で倒れてるかもしれないから」
「フフッ、そうね」
冗談を言いながら少し早足で家へと向かう。
やがて『憩いの場』が見えてきた。
まだ営業中なのでシャッターは閉まっていないが、お客はいないはず。
堂々と喫茶店の入り口から帰宅する。
「「ただいま~」」
「おう、おかえり。久々の休日楽しめたか?」
厨房からひょっこりと顔を出す冬馬。
「うん、楽しめた・・・よ?」
歩は冬馬のある変化に気づく。いつも水色のエプロンをつけているのに今日は何故か黄色のエプロンを着ていた。
しかもその黄色のエプロンは新品のエプロンではなく、年季の入った物だった。
「どうしたの、そのエプロン?」
「これか?実はな・・・」
ニヤニヤと笑みを浮かべながら手招きをする冬馬。歩とシトラは首を傾げながらも冬馬に近づいていった。
冬馬はついてきた2人を手招きで案内すると食器洗いの前まで連れてくる。
「見てろよ」と言うと冬馬は跪くと床に指を立て、床の一部を持ち上げた。
「えっ!?」
慌てて持ち上げられた床の下を見る。
床の下にあったのは真っ暗な空洞だった。
「どうしたのこれ?」
「食器洗ってる時に何か足元がガタガタするなって思ってよく調べてみたら見つけた」
その空洞は明らかに人の手で作られた空間だった。勿論僕と父さんが作ったのではない。
下の空洞へと続く木の梯がかけられており梯に使われている木材はかなり腐っていていつ壊れてもおかしくはなかった。
「凄い・・・」
生来の好奇心旺盛さをもつシトラは床に手をついて空洞に首を突っ込んでいた。
このまま落ちないか心配である。
「行ってみるか?」
シトラは声は発っさずブンブンと首を縦に振って答える。
あんなに歩き回ったのに疲れていないのかこの娘は?
「じゃあ出発~!」
「おー!」
少々疲労しているが自分も好奇心には逆らえず父さんとシトラと共に梯を下っていった。
上から見てても分かっていたが、空洞の中には光が差しておらず真っ暗だった。近くにいるはずのシトラが見えないくらいに。
「ちょっと待ってろ・・・」
トコトコと冬馬の履いている革靴が鳴る。
しばらくすると暗闇が天井に吊るされていた電球によって辺りにある物や人が見れるぐらいにまで明るくなった。
冬馬を目で探すと部屋の端っこに設置されていた電球のスイッチに手を当てていた。
「どうだ?意外としっかりしているだろ?」
足の感覚で分かってはいたが、下は土ではなくしっかりと石が張り巡らされた床だった。床以外にも壁や天井、全て人の手が加えられていた。
完全なる地下室。僕達が知らなかった秘密の部屋だった。
部屋には叩いたら壊れそうなくらい腐っている木箱が多く積まれている。
ここは倉庫として使われていたらしい。
「美和子の奴、何でこんな良い空間の存在を教えてくれなかったのかな?」
「さあ、知らなかったんじゃないの?」
あとは教え忘れたのかもしれない。はたまた見られたくない物がこの地下倉庫に隠されていたから教えなかったのかもしれない。
だが今はそんな事はどうでも良い。結果的に父さんが発見したのだから。
「・・・・・はぁ」
民家の下に広がる迷宮でも期待していたのかシトラは積まれている古びた木箱を見て溜息を吐く。
まあ期待して観た映画が駄作だった時の絶望する顔にとても似ている。
「俺らもこれからここを利用しよう!最近物とかが増えちまって処理が大変だったからな」
「要らない物と要る物はちゃんと分けてからこの部屋は使ってよね」
「はーい♪」
いつも通りの歳に不釣り合いな返事を返した冬馬はルンルン気分で梯を登っていった。
その姿を見て元に戻ったのだなと歩はほっと溜息を吐いた。
冬馬は厨房の床をペタペタと手をつきながら這いつくばっていた。
「何処だ・・・?」
何か・・・というよりも何処かを探しているようにも見えた。
その数分後子小さな隙間が開いた床を見つける。
「これか・・・!」
小さな隙間に指を突っ込むと床を持ち上げた。
持ち上げた床の下には地下へと向かう梯がかけられていた。
冬馬は梯で地下へと下りる。近頃掃除をしていないせいか床はカビが繁殖していてクモの巣が大量に作られていたが、匂い等はしなかった。
強いて言えば錆びた鉄の匂いがするのみ。
「何処だ・・・?」
大量に置かれた木箱を開けて中を確かめてみる。
木箱の中に入っている物の大体は賞味期限が20年前の携帯食や災害時に使うヘルメット。更にはランプまである。
一体いつの店長がここに置いたのだろうか?いつか掃除しなければ。
大量にある木箱の中に一際重量がある木箱を見つける。
持ち上げると微かに金属と金属がぶつかり合う音が聞こえてくる。
「これだ!!」
そう確信して木箱を開ける。開けると同時に強い金属の匂いが嗅覚を刺激する。
「久しぶりだな、相棒」
相棒と呼んだ物が入っている木箱の蓋を一度閉めると薄汚い地下を出ていった。
★
「あー楽しかった!」
夕日が沈む帰路歩きながらシトラは上機嫌で鼻唄を唄う。
聴いたことのないリズムの曲だ。彼女の故郷の歌か、それとも自分もまだ聴いたことのない歌手の歌か。
質問すれば唄の名前が分かるだろうが今はそんな事どうでも良くなるほど良い気分に浸っている。
一言で言い表せと言われれば僕は間違いなく今までにないほど充実したデートだったと言うだろう。
勿論シトラとデートには何回も行った。遊園地にも行ったし、東京スカイツリーにも行った。
しかし、大体のデートは途中で魔物退治の依頼が来て台無しになってしまっていたのだ。
今日は幸いな事に魔物退治の依頼が来なかった。
初めてデートを最後までやりきったのだ。
この達成感は魔物退治でもスイーツ作りでも味わった事がない。
史上最高の達成感だった。
「歩、今日はありがと!お陰で可愛いぬいぐるみも水着も買えた!」
「そう、それなら良かった」
抱きつける程に大きいクマのぬいぐるみを両手で抱えるシトラ。ぬいぐるみの頭に顎を乗せ満面の笑みを浮かべる彼女はとても可愛い。
だから僕は彼女に対して甘いのかもしれない。
「ねぇ、本当に冬馬さんへのお土産バームクーヘンで良かったの?」
「うん。父さんここのバームクーヘン大好きだから」
当然父さんにもお土産は買ってきてある。創業90年のお菓子屋が作ったバームクーヘン。母さんに記憶を失って最初に貰ったお菓子だったらしい。
つまりこのバームクーヘンは父さんの思い出の味。喜ばないはずがないのだ。
「早く帰ろう。もしかしたら父さん疲労で倒れてるかもしれないから」
「フフッ、そうね」
冗談を言いながら少し早足で家へと向かう。
やがて『憩いの場』が見えてきた。
まだ営業中なのでシャッターは閉まっていないが、お客はいないはず。
堂々と喫茶店の入り口から帰宅する。
「「ただいま~」」
「おう、おかえり。久々の休日楽しめたか?」
厨房からひょっこりと顔を出す冬馬。
「うん、楽しめた・・・よ?」
歩は冬馬のある変化に気づく。いつも水色のエプロンをつけているのに今日は何故か黄色のエプロンを着ていた。
しかもその黄色のエプロンは新品のエプロンではなく、年季の入った物だった。
「どうしたの、そのエプロン?」
「これか?実はな・・・」
ニヤニヤと笑みを浮かべながら手招きをする冬馬。歩とシトラは首を傾げながらも冬馬に近づいていった。
冬馬はついてきた2人を手招きで案内すると食器洗いの前まで連れてくる。
「見てろよ」と言うと冬馬は跪くと床に指を立て、床の一部を持ち上げた。
「えっ!?」
慌てて持ち上げられた床の下を見る。
床の下にあったのは真っ暗な空洞だった。
「どうしたのこれ?」
「食器洗ってる時に何か足元がガタガタするなって思ってよく調べてみたら見つけた」
その空洞は明らかに人の手で作られた空間だった。勿論僕と父さんが作ったのではない。
下の空洞へと続く木の梯がかけられており梯に使われている木材はかなり腐っていていつ壊れてもおかしくはなかった。
「凄い・・・」
生来の好奇心旺盛さをもつシトラは床に手をついて空洞に首を突っ込んでいた。
このまま落ちないか心配である。
「行ってみるか?」
シトラは声は発っさずブンブンと首を縦に振って答える。
あんなに歩き回ったのに疲れていないのかこの娘は?
「じゃあ出発~!」
「おー!」
少々疲労しているが自分も好奇心には逆らえず父さんとシトラと共に梯を下っていった。
上から見てても分かっていたが、空洞の中には光が差しておらず真っ暗だった。近くにいるはずのシトラが見えないくらいに。
「ちょっと待ってろ・・・」
トコトコと冬馬の履いている革靴が鳴る。
しばらくすると暗闇が天井に吊るされていた電球によって辺りにある物や人が見れるぐらいにまで明るくなった。
冬馬を目で探すと部屋の端っこに設置されていた電球のスイッチに手を当てていた。
「どうだ?意外としっかりしているだろ?」
足の感覚で分かってはいたが、下は土ではなくしっかりと石が張り巡らされた床だった。床以外にも壁や天井、全て人の手が加えられていた。
完全なる地下室。僕達が知らなかった秘密の部屋だった。
部屋には叩いたら壊れそうなくらい腐っている木箱が多く積まれている。
ここは倉庫として使われていたらしい。
「美和子の奴、何でこんな良い空間の存在を教えてくれなかったのかな?」
「さあ、知らなかったんじゃないの?」
あとは教え忘れたのかもしれない。はたまた見られたくない物がこの地下倉庫に隠されていたから教えなかったのかもしれない。
だが今はそんな事はどうでも良い。結果的に父さんが発見したのだから。
「・・・・・はぁ」
民家の下に広がる迷宮でも期待していたのかシトラは積まれている古びた木箱を見て溜息を吐く。
まあ期待して観た映画が駄作だった時の絶望する顔にとても似ている。
「俺らもこれからここを利用しよう!最近物とかが増えちまって処理が大変だったからな」
「要らない物と要る物はちゃんと分けてからこの部屋は使ってよね」
「はーい♪」
いつも通りの歳に不釣り合いな返事を返した冬馬はルンルン気分で梯を登っていった。
その姿を見て元に戻ったのだなと歩はほっと溜息を吐いた。
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