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二章英雄の意思を我が剣に
エピローグ
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「そう言えば歩は何で1人で来たの?ラグドさんとかも連れて来たら楽勝で勝てたでしょ?」
「知らないんだっけ?ラグドさんとマーブルさん大怪我しちゃったんだよ。治療魔術をかけてもらったんだけど、しばらくは動けないって葵と緑さんにドクターストップ・・・いや、ウィザードストップされるぐらいに」
「え!?マーブルとラグドさんが!?命に別状はないの!!」
「無いよ!無いから首絞めないで!」
ごめんと謝り、腕の力を緩める。
「誰も貴方の事止めなかったの?亮一なら殴ってでも止めそうだけど・・・」
「止められたけど、結局は許可出してくれた」
1人で行くと言った時には亮一だけじゃなく、皆に止められた。かないっこないのは目に見えていたからだ。
30分の討論の結果、1人で戦う事を許可された。1つの条件つきで。
暗い洞窟をシトラを抱えてひたすら歩いていると、出口がやっと見えてきた。太陽は沈みかけており、空はオレンジ色に輝いていた。
「随分と遅かったな、歩」
「亮一!?何で───あ、そう言う事か」
察しの良いシトラはどうやらすぐに気づいたようだ。歩が1人で行く事を許可した理由が。
木蔭からぞろぞろと人が出てくる。ラグドとマーブル以外の全員が。
「その様子だと、説得は無理だったみたいだな」
「・・・はい」
落ち込む歩を気にかけるようにポンポンと肩を叩くライム。
「ま、気にするな!あんな奴説得したって意味がねぇ!それよりも肝心のクソ王子がいねえみたいだが・・・」
「その話は帰ってからにしましょう。今は話す気力もないぐらい疲れてしまっているので」
「うん、それが良い。早く帰ってパフェ食べよう」
「ただ葵はパフェが食いたいだけじゃないか!」
そんなくだらない話をして大声で笑いしながら帰路を歩いた。
★
「そうか、悪魔が連れて行ってしまったか───」
家に帰って、皆を集合させた歩は洞窟で起きた事を洗いざらい全て話した。マクドスをドラゴブレイクで黒焦げにした事も悪魔オクトスと名乗る謎の生き物がマクドスを地獄へと連れて行った事も。
全てを聞いたラグドはとても暗い表情をしていた。聞く話によるとマクドスは昔の仲間の息子で、マクドスが子供の頃からマクドスとはかなり親好があったらしい。
幼い頃から知っている人が亡くなるという消失感は歩もよく知っているから気持ちは痛い程分かる。
マーブルにいたっては、顔を手でおおって号泣するレベルだ。マクドスとマーブルがエルフの国でどのような関係だったかは良く知らないが相当に慕っていたのだろう。
「どうニコラス王に説明したもんか・・・『嘘をつくな馬鹿者!』って怒られないかな・・・」
「そこに関しては心配する事はない。ニクルは私の透視能力のように真偽を見極める能力を持っている。だから本当の事だと信じてくれるだろう。だが、その次が問題だ」
息子を亡くしたニコラスはその悲しみに耐えられるという問題だ。エルフ族は人間同様に我が子を愛する。
ニコラスはマクドスを愛していた。そんな男に息子の死を伝えたらどんなに悲しむだろうか。
「すみません・・・僕があの時すぐに治療魔術を使ってオクトスから逃げていたらこんな事には───」
「いいや、無駄だ。その悪魔は与えた能力を使っても目的を達成出来なかったら死んでいなくても魂を貰うとマクドスと契約していたんだろ?」
「はい」
「なら、何処に行っても同じだ。アイツらはどんな所にいても現れる」
よく考えて見たらオクトスは魔法陣から現れてマクドスを連れて行ってた。あれは導きの石と同じ役割の魔術なのだろう。だとすると、何処に逃げてもすぐに見つけられるだけだ。
「だから、アユ公も悪魔とは絶対に契約なんてするなよ!」
「しませんし、やり方も分からないんで出来ないですよ」
悪魔と契約してその報復として地獄へと連れていかれた人を直接この目で見てしまったのだ。
そんな所を見せられたらこれからどんな不幸があったとしても契約しようとは思えない。
「良し!じゃあ帰るか!」
「ラグナロクにですか?」
そうだ、と背中をぐいーっと伸ばしながらライムは答える。
彼らの目的は行方不明になっていたシトラ、マーブル、マクドスを見つけ出して連れ戻す事だ。
マクドスが悪魔に連れて行かれてしまいもう連れ戻す事は出来ないが、シトラとマーブルを連れて帰る事は出来る。
それにしても、シトラも帰ってしまうのか・・・。
思えばこの2週間、危険な事も多々あったがとても充実していた。正直に言うととても楽しかった。
シトラと暮らした2週間が頭によぎる。
水族館に行った。思えば海の生き物ではなく彼女の横顔ばかりを見ていた。
一緒に店の手伝いもした。(恐らく)シトラ目当てのお客さんが大勢来て大変だった。
身体を洗ったりもした。裸を見てしまった事は謝罪してもしきれない。
何故僕は彼女を見ると、顔が赤くなってしまうのか?
何故僕は彼女のお世話をしている時、面倒くさいとは思わず楽しいと思ったのか?
ようやく今分かった。僕はシトラの事を好きになっていたんだ。
彼女も僕になついてはくれたのだろう。でも、彼女の住む世界と僕の住む世界は違う。
彼女が帰るべき場所はここではない。
「シトラ、元気でね」
「・・・・・・」
彼女も別れを惜しんでくれているのか、目がうるうるしている。今にも泣きそうだ。
「嫌だ・・・」
「え・・・?」
震えた声でシトラは呟く。
「嫌だ!アタシ歩と別れたくない!」
「え、え、え!?どどどどういうことなの??」
ポカポカと軽く僕の胸を叩くシトラの目からは涙が溢れていた。
「で、でもあっちにはシトラの家族が待ってるんだよ?会いたくないの?」
「そんなの関係ない!アタシは歩といる!」
シトラはそう言うと、ついにワンワンと声を上げて泣き始めた。
何か気付いたのかマーブルは恐る恐るシトラに質問した。
「ま、まさかとは思っていたが、シトラ。歩の事が好────」
「そんなの決まってるじゃないか!好きさ!大好きさ!アタシは歩のお婿さんにする!!」
「「「「「「えぇっっ!!」」」」」」
その場にいる全員が驚き、叫ぶ。いや、叫びたいのはこっちなのだが。
「兎に角!アタシは帰らないからラグドさん!ライムさん!パパにその事伝えといて」
「了解、お幸せにな」
「対応が早い!──ってまさかあの時言いかけてた事ってまさか!」
ラグドさんはニヤリと下衆な笑みを浮かべる。
ラグドさん達がシトラ達を探す為にきたあの日、シトラがなついているのにはもう1つの理由があると言って結局「今は話すべきではない」と笑って誤魔化された事があった。
今やっともう1つの理由が分かった!まったく、ラグドさんも知っていたなら勿体ぶらずに教えてくれれば良いのに・・・。
「歩!テメェいつの間にシトラさんのそんな関係に───!」
「結婚式には誘ってくれよ」
「俺もそろそろ結婚相手を探さなきゃな・・・」
「私が空いてるわよ優人君」
「今ここに息子の将来が確定された・・・完!」
一方亮一達はというと、動物園状態だった。やばいな、色々と収拾がつかなくなってしまっている。
「シトラ、本当に良いのね?」
「うん、良いの。多分歩以上に好い人とは出会えないわ」
マーブルとシトラはと言うと、本当に歩を夫にするのかと確認していた。マーブルはシトラとは幼い頃からの親友だ。心配するのも無理はない。
「だからマーブルも早く好い人探してアタシに会わせてね!」
脳裏にマクドス王子がよぎる。優しかったあの人。しかし、彼はもう2度と帰ってくる事はない。そう思うと胸が締め付けられる。
「・・・分かった。必ず見つけるわ」
マーブルとシトラは熱い抱擁をすると、ライムとラグドの方へと向かった。
「じゃあ、皆さんお元気で。───あ。あと元山にもよろしく言っておいてくれ」
「またなエデンのガキども!また会おうや!」
「皆さん本当にありがとうございました!」
導きの石を天井に向かって掲げると次第に身体が光に包まれ始める。
「シトラ、絶対に幸せになってね・・・」
「うん!」
満点の笑みでの解答。これに満足したマーブルはとても嬉しそうな顔をしてあちらの世界へと戻っていった。
「行ったか・・・」
「いやー、今回も大変だったな兄ちゃん!」
「あちゃーまだ夕食の準備してないや・・・」
「買ってから帰ろ?」
亮一達が帰るのを店の入り口まで見送る。夕日はもう落ちきっていて、空は暗かった。
「じゃあなー!」
「うん、また明日!」
やがて亮一達が遠ざかっていき、見えなくなると、歩は手を下ろしてドアノブに手をかけた。
「・・・さて、と。夕食としますか!歩とシトラちゃんのカップル成立を祝って!どーんと!」
「良いですね!盛大にやりましょう!」
無邪気な子供のような笑顔でシトラは喜ぶ。彼女のこういう所に僕は好かれたのだろう。
「ねえ、歩」
「ん、何?」
「言いたい事があるんだけど、良いかな?」
頬を赤く染め、もじもじしながらシトラは僕に手を差し出した。
「あ、貴方の事が好きです。つ、付き合ってく下さい・・・」
それは、告白だった。いつもの彼女からは想像出来ない噛み噛みの言葉での告白。相当勇気を持って言ったのだろう。
ならば、男として彼女の思いに答えなければならない。
「此方こそよろしくお願いいたします。シトラ」
シトラの手を握る。彼女の手はとても細くて、とても綺麗で、少し温かかった。
「知らないんだっけ?ラグドさんとマーブルさん大怪我しちゃったんだよ。治療魔術をかけてもらったんだけど、しばらくは動けないって葵と緑さんにドクターストップ・・・いや、ウィザードストップされるぐらいに」
「え!?マーブルとラグドさんが!?命に別状はないの!!」
「無いよ!無いから首絞めないで!」
ごめんと謝り、腕の力を緩める。
「誰も貴方の事止めなかったの?亮一なら殴ってでも止めそうだけど・・・」
「止められたけど、結局は許可出してくれた」
1人で行くと言った時には亮一だけじゃなく、皆に止められた。かないっこないのは目に見えていたからだ。
30分の討論の結果、1人で戦う事を許可された。1つの条件つきで。
暗い洞窟をシトラを抱えてひたすら歩いていると、出口がやっと見えてきた。太陽は沈みかけており、空はオレンジ色に輝いていた。
「随分と遅かったな、歩」
「亮一!?何で───あ、そう言う事か」
察しの良いシトラはどうやらすぐに気づいたようだ。歩が1人で行く事を許可した理由が。
木蔭からぞろぞろと人が出てくる。ラグドとマーブル以外の全員が。
「その様子だと、説得は無理だったみたいだな」
「・・・はい」
落ち込む歩を気にかけるようにポンポンと肩を叩くライム。
「ま、気にするな!あんな奴説得したって意味がねぇ!それよりも肝心のクソ王子がいねえみたいだが・・・」
「その話は帰ってからにしましょう。今は話す気力もないぐらい疲れてしまっているので」
「うん、それが良い。早く帰ってパフェ食べよう」
「ただ葵はパフェが食いたいだけじゃないか!」
そんなくだらない話をして大声で笑いしながら帰路を歩いた。
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「そうか、悪魔が連れて行ってしまったか───」
家に帰って、皆を集合させた歩は洞窟で起きた事を洗いざらい全て話した。マクドスをドラゴブレイクで黒焦げにした事も悪魔オクトスと名乗る謎の生き物がマクドスを地獄へと連れて行った事も。
全てを聞いたラグドはとても暗い表情をしていた。聞く話によるとマクドスは昔の仲間の息子で、マクドスが子供の頃からマクドスとはかなり親好があったらしい。
幼い頃から知っている人が亡くなるという消失感は歩もよく知っているから気持ちは痛い程分かる。
マーブルにいたっては、顔を手でおおって号泣するレベルだ。マクドスとマーブルがエルフの国でどのような関係だったかは良く知らないが相当に慕っていたのだろう。
「どうニコラス王に説明したもんか・・・『嘘をつくな馬鹿者!』って怒られないかな・・・」
「そこに関しては心配する事はない。ニクルは私の透視能力のように真偽を見極める能力を持っている。だから本当の事だと信じてくれるだろう。だが、その次が問題だ」
息子を亡くしたニコラスはその悲しみに耐えられるという問題だ。エルフ族は人間同様に我が子を愛する。
ニコラスはマクドスを愛していた。そんな男に息子の死を伝えたらどんなに悲しむだろうか。
「すみません・・・僕があの時すぐに治療魔術を使ってオクトスから逃げていたらこんな事には───」
「いいや、無駄だ。その悪魔は与えた能力を使っても目的を達成出来なかったら死んでいなくても魂を貰うとマクドスと契約していたんだろ?」
「はい」
「なら、何処に行っても同じだ。アイツらはどんな所にいても現れる」
よく考えて見たらオクトスは魔法陣から現れてマクドスを連れて行ってた。あれは導きの石と同じ役割の魔術なのだろう。だとすると、何処に逃げてもすぐに見つけられるだけだ。
「だから、アユ公も悪魔とは絶対に契約なんてするなよ!」
「しませんし、やり方も分からないんで出来ないですよ」
悪魔と契約してその報復として地獄へと連れていかれた人を直接この目で見てしまったのだ。
そんな所を見せられたらこれからどんな不幸があったとしても契約しようとは思えない。
「良し!じゃあ帰るか!」
「ラグナロクにですか?」
そうだ、と背中をぐいーっと伸ばしながらライムは答える。
彼らの目的は行方不明になっていたシトラ、マーブル、マクドスを見つけ出して連れ戻す事だ。
マクドスが悪魔に連れて行かれてしまいもう連れ戻す事は出来ないが、シトラとマーブルを連れて帰る事は出来る。
それにしても、シトラも帰ってしまうのか・・・。
思えばこの2週間、危険な事も多々あったがとても充実していた。正直に言うととても楽しかった。
シトラと暮らした2週間が頭によぎる。
水族館に行った。思えば海の生き物ではなく彼女の横顔ばかりを見ていた。
一緒に店の手伝いもした。(恐らく)シトラ目当てのお客さんが大勢来て大変だった。
身体を洗ったりもした。裸を見てしまった事は謝罪してもしきれない。
何故僕は彼女を見ると、顔が赤くなってしまうのか?
何故僕は彼女のお世話をしている時、面倒くさいとは思わず楽しいと思ったのか?
ようやく今分かった。僕はシトラの事を好きになっていたんだ。
彼女も僕になついてはくれたのだろう。でも、彼女の住む世界と僕の住む世界は違う。
彼女が帰るべき場所はここではない。
「シトラ、元気でね」
「・・・・・・」
彼女も別れを惜しんでくれているのか、目がうるうるしている。今にも泣きそうだ。
「嫌だ・・・」
「え・・・?」
震えた声でシトラは呟く。
「嫌だ!アタシ歩と別れたくない!」
「え、え、え!?どどどどういうことなの??」
ポカポカと軽く僕の胸を叩くシトラの目からは涙が溢れていた。
「で、でもあっちにはシトラの家族が待ってるんだよ?会いたくないの?」
「そんなの関係ない!アタシは歩といる!」
シトラはそう言うと、ついにワンワンと声を上げて泣き始めた。
何か気付いたのかマーブルは恐る恐るシトラに質問した。
「ま、まさかとは思っていたが、シトラ。歩の事が好────」
「そんなの決まってるじゃないか!好きさ!大好きさ!アタシは歩のお婿さんにする!!」
「「「「「「えぇっっ!!」」」」」」
その場にいる全員が驚き、叫ぶ。いや、叫びたいのはこっちなのだが。
「兎に角!アタシは帰らないからラグドさん!ライムさん!パパにその事伝えといて」
「了解、お幸せにな」
「対応が早い!──ってまさかあの時言いかけてた事ってまさか!」
ラグドさんはニヤリと下衆な笑みを浮かべる。
ラグドさん達がシトラ達を探す為にきたあの日、シトラがなついているのにはもう1つの理由があると言って結局「今は話すべきではない」と笑って誤魔化された事があった。
今やっともう1つの理由が分かった!まったく、ラグドさんも知っていたなら勿体ぶらずに教えてくれれば良いのに・・・。
「歩!テメェいつの間にシトラさんのそんな関係に───!」
「結婚式には誘ってくれよ」
「俺もそろそろ結婚相手を探さなきゃな・・・」
「私が空いてるわよ優人君」
「今ここに息子の将来が確定された・・・完!」
一方亮一達はというと、動物園状態だった。やばいな、色々と収拾がつかなくなってしまっている。
「シトラ、本当に良いのね?」
「うん、良いの。多分歩以上に好い人とは出会えないわ」
マーブルとシトラはと言うと、本当に歩を夫にするのかと確認していた。マーブルはシトラとは幼い頃からの親友だ。心配するのも無理はない。
「だからマーブルも早く好い人探してアタシに会わせてね!」
脳裏にマクドス王子がよぎる。優しかったあの人。しかし、彼はもう2度と帰ってくる事はない。そう思うと胸が締め付けられる。
「・・・分かった。必ず見つけるわ」
マーブルとシトラは熱い抱擁をすると、ライムとラグドの方へと向かった。
「じゃあ、皆さんお元気で。───あ。あと元山にもよろしく言っておいてくれ」
「またなエデンのガキども!また会おうや!」
「皆さん本当にありがとうございました!」
導きの石を天井に向かって掲げると次第に身体が光に包まれ始める。
「シトラ、絶対に幸せになってね・・・」
「うん!」
満点の笑みでの解答。これに満足したマーブルはとても嬉しそうな顔をしてあちらの世界へと戻っていった。
「行ったか・・・」
「いやー、今回も大変だったな兄ちゃん!」
「あちゃーまだ夕食の準備してないや・・・」
「買ってから帰ろ?」
亮一達が帰るのを店の入り口まで見送る。夕日はもう落ちきっていて、空は暗かった。
「じゃあなー!」
「うん、また明日!」
やがて亮一達が遠ざかっていき、見えなくなると、歩は手を下ろしてドアノブに手をかけた。
「・・・さて、と。夕食としますか!歩とシトラちゃんのカップル成立を祝って!どーんと!」
「良いですね!盛大にやりましょう!」
無邪気な子供のような笑顔でシトラは喜ぶ。彼女のこういう所に僕は好かれたのだろう。
「ねえ、歩」
「ん、何?」
「言いたい事があるんだけど、良いかな?」
頬を赤く染め、もじもじしながらシトラは僕に手を差し出した。
「あ、貴方の事が好きです。つ、付き合ってく下さい・・・」
それは、告白だった。いつもの彼女からは想像出来ない噛み噛みの言葉での告白。相当勇気を持って言ったのだろう。
ならば、男として彼女の思いに答えなければならない。
「此方こそよろしくお願いいたします。シトラ」
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