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二章英雄の意思を我が剣に
キング級
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「やっと底が見えてきた」
戦闘開始から4時間。溢れかえっていたリザードマン達は残り50体程になった。
「それもシトラが狙撃で数を減らしてくれたお陰」
「あと杉田さんもね」
どうやらシトラと杉田さんは一緒に狙撃をしているようで、シトラの矢がリザードマンを射ればその近くで杉田さんの銃弾が額を撃ち抜いていた。
「歩!そっちの方はまだ残ってるか?」
亮一がこちらに向かって走ってくる。まだ戦い足りないらしく、その瞳はまだ闘志に燃えている。
「まだ20体ぐらいは残ってるな。僕も体力が限界だから手伝ってくれない?」
「勿論だとも!それにしても血生臭いな。こりゃ渋谷が元通りになるのは時間がかかりそうだな」
「そうだね・・・」
建物は破壊され、アスファルトの地面にはリザードマンの死体が転がっている。魔物退治自体は命の危険はあるが、難しい仕事ではない。問題は退治したあとの後処理にある。
特に渋谷は日本の首都の中でも発展している地域だ。元通りにするには時間と莫大な費用がかかるだろう。
「それにしても、こんなに大量の魔物が現れたのに頭目はいないのか?ビッグサイズのリザードマンとかさ」
「確かに。このぐらい仲間を殺されれば出てきてもおかしくはないと思うんだけどな」
「あれじゃないの?」
と言って葵は北を指差す。僕と亮一はその方向に目線を向ける。そこにいたのは硬そうな鱗を持ち、およそ人が装備出来るとは思えない大剣を片手で振るう巨大なリザードマン・・・いや、巨大な2足立ちをする竜がいた。
「Graaaaaaaaaaa!!」
「デカ過ぎるだろぉぉぉぉぉ!!」
★
「やっぱり、リーダーはあいつだったのか・・・」
異常な程のリザードマンの数から何となくは予想していたが、いざ現れるとなると鳥肌が立つほど恐ろしい。あんな怪物が何故エデンに現れたのだろうか?
「シトラちゃん、何か知ってるみたいだけどもし良ければ教えてくんね?あのデッカイリザードマンの事」
「あれはリザードマンがキング級まで進化したキングリザードと呼ばれる魔物です」
「そのキング級っていうのは、魔物のランクみたいなものかい?」
「はい。魔物は大きく分けて4つのランクに分けられます。まず、ゴブリンやリザードマン等の雑魚モンスターが属するソルジャー級。それなりの力か智恵を持ったモンスターをナイト級。オーガなどの歴戦の戦士でも苦戦を強いられるモンスターをプリンス級。腕の立つ戦士が束になってやっと倒す事が出来るモンスターをキング級と分けています」
「つまりはあのキングリザードっていうのは相当腕の立つ奴が複数いなければ勝てないのか?」
「はい・・・」
「参ったな・・・」
ここで戦っている人達は確かに腕が立つが、それでもまだキング級を倒すまでの実力を持っていない。
キングリザードを倒せる確率はゼロに等しいだろう。今戦っている人達で1番レベルの高いのはアタシだが、アタシはただの弓兵。強敵に大ダメージを負わせる事は難しい。キング級に傷を負わせる事が出来る者がいるとしても歴史に名を乗せる程の英雄しかいない。
つまりこのままだと全員がここで全滅し、エデンの極東は終焉を迎える。
「歩・・・」
★
「Graaaaaaaaaaa!!」
巨大なリザードマンの咆哮が建物の窓を割る。気を抜けば転んでしまう程の威力だ。この時点で僕らが今まで戦ってきた魔物とは比べ物にならない程の強さだというのが分かる。
「歩、どうする?」
「やるしかないでしょ・・・」
きっと今の僕らでは束になって戦いを挑んだとしてもやつの足には及ばないだろう。
「何か作戦は・・・?」
「無い」
「ならやっても意味ねぇだろ!」
「でもやらなきゃ」
こんな相手に作戦を練ったところで実行する前に潰されるのがオチだ。それならば何の考えもなしに突っ込んで少しでも良いから傷をつければいい。
「私、良いの思い付いたよ」
「良いのって何だ葵?」
背筋をピンと伸ばして手を上げたのは葵。何やら勝算があるらしい。
「今ある魔力を全部使って爆発を起こす」
「そんな事が出来るのか!?」
「難しいけど、出来る。でも私のだけじゃ足りないからお姉ちゃんと一緒にやる」
「優人さん、緑さんは?」
「確か何処かのビルの屋上にいたはずだから今呼ぼう!」
雑嚢からスマホを取り出すと、緑さんに電話をかける。
「繋がった!もしもし、優人だけど!」
『何優人君、今私全魔力使ってアイツを爆破しようとしてるんだけど?」
この姉妹は考えがよく似るようだ。仲の良い証拠だ。
「だったらこっちに来て妹さんと一緒にやってくれ!そっちの方が良いんだろ?」
『葵はまだ魔力が残っているの?』
2人の会話を聞いていた葵が優人に向かってサムズアップをする。つまり残っているという事だ。
「残ってるらしい」
『オッケー。ならすぐにそっちにいくわ』
通話が終了し、優人さんは雑嚢にスマホを戻す。
「葵ちゃん、すぐにこっちに来るらしいから今のうちに準備をしておいて」
「ラジャー」
承諾すると杖を地面に刺し、目を閉じ詠唱を始める。
「我が身体に秘められし、全ての魔力を魔石に込める。魔石よ、満ちろ!」
杖に埋めこまれた赤い宝石に葵の魔力が注ぎ込まれていく。僅かにだが杖に埋めこまれた赤い宝石が輝き始める。
「さて、と。葵が頑張ってる事だし、俺らももう1踏ん張りしますか!」
「だね!」
「だな!」
僕を含めた亮一、優人さんの3人が剣を引き抜き、巨大なリザードマンに宣戦布告する。
「「「かかってこい!化け物!!」」」
「「俺達が!」」「僕達が!!」
「「「相手だ!!」」」
戦闘開始から4時間。溢れかえっていたリザードマン達は残り50体程になった。
「それもシトラが狙撃で数を減らしてくれたお陰」
「あと杉田さんもね」
どうやらシトラと杉田さんは一緒に狙撃をしているようで、シトラの矢がリザードマンを射ればその近くで杉田さんの銃弾が額を撃ち抜いていた。
「歩!そっちの方はまだ残ってるか?」
亮一がこちらに向かって走ってくる。まだ戦い足りないらしく、その瞳はまだ闘志に燃えている。
「まだ20体ぐらいは残ってるな。僕も体力が限界だから手伝ってくれない?」
「勿論だとも!それにしても血生臭いな。こりゃ渋谷が元通りになるのは時間がかかりそうだな」
「そうだね・・・」
建物は破壊され、アスファルトの地面にはリザードマンの死体が転がっている。魔物退治自体は命の危険はあるが、難しい仕事ではない。問題は退治したあとの後処理にある。
特に渋谷は日本の首都の中でも発展している地域だ。元通りにするには時間と莫大な費用がかかるだろう。
「それにしても、こんなに大量の魔物が現れたのに頭目はいないのか?ビッグサイズのリザードマンとかさ」
「確かに。このぐらい仲間を殺されれば出てきてもおかしくはないと思うんだけどな」
「あれじゃないの?」
と言って葵は北を指差す。僕と亮一はその方向に目線を向ける。そこにいたのは硬そうな鱗を持ち、およそ人が装備出来るとは思えない大剣を片手で振るう巨大なリザードマン・・・いや、巨大な2足立ちをする竜がいた。
「Graaaaaaaaaaa!!」
「デカ過ぎるだろぉぉぉぉぉ!!」
★
「やっぱり、リーダーはあいつだったのか・・・」
異常な程のリザードマンの数から何となくは予想していたが、いざ現れるとなると鳥肌が立つほど恐ろしい。あんな怪物が何故エデンに現れたのだろうか?
「シトラちゃん、何か知ってるみたいだけどもし良ければ教えてくんね?あのデッカイリザードマンの事」
「あれはリザードマンがキング級まで進化したキングリザードと呼ばれる魔物です」
「そのキング級っていうのは、魔物のランクみたいなものかい?」
「はい。魔物は大きく分けて4つのランクに分けられます。まず、ゴブリンやリザードマン等の雑魚モンスターが属するソルジャー級。それなりの力か智恵を持ったモンスターをナイト級。オーガなどの歴戦の戦士でも苦戦を強いられるモンスターをプリンス級。腕の立つ戦士が束になってやっと倒す事が出来るモンスターをキング級と分けています」
「つまりはあのキングリザードっていうのは相当腕の立つ奴が複数いなければ勝てないのか?」
「はい・・・」
「参ったな・・・」
ここで戦っている人達は確かに腕が立つが、それでもまだキング級を倒すまでの実力を持っていない。
キングリザードを倒せる確率はゼロに等しいだろう。今戦っている人達で1番レベルの高いのはアタシだが、アタシはただの弓兵。強敵に大ダメージを負わせる事は難しい。キング級に傷を負わせる事が出来る者がいるとしても歴史に名を乗せる程の英雄しかいない。
つまりこのままだと全員がここで全滅し、エデンの極東は終焉を迎える。
「歩・・・」
★
「Graaaaaaaaaaa!!」
巨大なリザードマンの咆哮が建物の窓を割る。気を抜けば転んでしまう程の威力だ。この時点で僕らが今まで戦ってきた魔物とは比べ物にならない程の強さだというのが分かる。
「歩、どうする?」
「やるしかないでしょ・・・」
きっと今の僕らでは束になって戦いを挑んだとしてもやつの足には及ばないだろう。
「何か作戦は・・・?」
「無い」
「ならやっても意味ねぇだろ!」
「でもやらなきゃ」
こんな相手に作戦を練ったところで実行する前に潰されるのがオチだ。それならば何の考えもなしに突っ込んで少しでも良いから傷をつければいい。
「私、良いの思い付いたよ」
「良いのって何だ葵?」
背筋をピンと伸ばして手を上げたのは葵。何やら勝算があるらしい。
「今ある魔力を全部使って爆発を起こす」
「そんな事が出来るのか!?」
「難しいけど、出来る。でも私のだけじゃ足りないからお姉ちゃんと一緒にやる」
「優人さん、緑さんは?」
「確か何処かのビルの屋上にいたはずだから今呼ぼう!」
雑嚢からスマホを取り出すと、緑さんに電話をかける。
「繋がった!もしもし、優人だけど!」
『何優人君、今私全魔力使ってアイツを爆破しようとしてるんだけど?」
この姉妹は考えがよく似るようだ。仲の良い証拠だ。
「だったらこっちに来て妹さんと一緒にやってくれ!そっちの方が良いんだろ?」
『葵はまだ魔力が残っているの?』
2人の会話を聞いていた葵が優人に向かってサムズアップをする。つまり残っているという事だ。
「残ってるらしい」
『オッケー。ならすぐにそっちにいくわ』
通話が終了し、優人さんは雑嚢にスマホを戻す。
「葵ちゃん、すぐにこっちに来るらしいから今のうちに準備をしておいて」
「ラジャー」
承諾すると杖を地面に刺し、目を閉じ詠唱を始める。
「我が身体に秘められし、全ての魔力を魔石に込める。魔石よ、満ちろ!」
杖に埋めこまれた赤い宝石に葵の魔力が注ぎ込まれていく。僅かにだが杖に埋めこまれた赤い宝石が輝き始める。
「さて、と。葵が頑張ってる事だし、俺らももう1踏ん張りしますか!」
「だね!」
「だな!」
僕を含めた亮一、優人さんの3人が剣を引き抜き、巨大なリザードマンに宣戦布告する。
「「「かかってこい!化け物!!」」」
「「俺達が!」」「僕達が!!」
「「「相手だ!!」」」
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