ツインワールド～異世界からの来襲～

二章英雄の意思を我が剣に

プロローグ2

「んぬゅ・・・ふあぁぁ」

 鳥達がさえずりを奏でる森の中。1人の少女が目覚めた。

「ここ、何処・・・？」

 目覚めたばかりなので、まだ頭がしっかりと回ってはいないが、ここが元いた場所ではない事に瞬時に気付く。

しばらくぼうっとしていると、再び鳥達がさえずりを奏でる。少女は尖った耳をすませてさえずりを聴く。

「聞いたことのないさえずり・・・やっぱりここアタシ知らない」

 森と共に生きている彼女は森の全てを知っている。住んでいる動物や植物等の情報を全て知っている。

 しかし、この森に生きている動物や植物を見たことはない。一体ここは何処なのだろうか？

「まさか───」

 ある1つの結論にいたる。最近、世界中で行われている別世界への魔物転送。自分は、それに巻き込まれたのかもしれない。

「なら、アタシと同じ世界の人を探さないと・・・」

 幸いな事にこの世界にはアタシと同じ世界の人達が魔物を倒すために訪れていると聞く。その人達を探し出せれば───。

 ギュルギュルギュル!!

「あ───」

 少女のお腹が森中に響き渡る。少女は羞恥心で顔を赤らめると、まず最初の目的を決める。

「何か食べよう」