異世界と繋がる不思議な門を警備する仕事に就きしました！

最終章 探究者と門番

34話 収束

「リャオ？何故？君が、邪魔を、する？君も、ルミナを、とめたいんじゃ・・・」

「もうとっくにルミナは死にました！！」

　動揺する賢者クティ。どうやら、正気に戻ったようだ。心が怒りで支配されていない。今なら会話が可能だ。

「どういう、こと？」

「俺が殺しました！魂を見て！本物の首を刎ねて、体を破壊しました。疑うなら、どうぞ！！」

　頭を差し出し、記憶を見てもらう事にする。賢者クティは俺の行動が理解できたようで、俺の頭に手を置き、記憶を見た。

「・・・・・・すまなかった」

　記憶を見た彼が最初に言い放ったのは、謝罪の言葉だった。自分が暴走した事、そのせいでリャオさんが死んだ事を謝罪しているのだろう。

「また、やって、しまった。父さんにも、感情を、コントロールしろといつも言われていたのに・・・」

「あんなに罵倒されたんです。冷静さを失ってしまったのは些か仕方ないと思います」

「しかし、リャオが死んでしまった。僕のせいだ」

「それは・・・いえ、リャオさんは自分の最期に満足していました。気に病まなくても大丈夫かと」

　と言ったのは良いが、気に病まない方がおかしい。適切な言葉を言う事が出来なかった。

「・・・・リャオだけじゃない。僕はこの町を崩壊させてしまった。自分の感情を支配できなかったばかりに」

「また、建て直せばいいんです。それに、こんな戦い、貴方は望んでいなかったんでしょう？」

　戦いを望んだのは、クティではない。ルミナだ。ルミナが挑発させしなければ、潔く諦めていれば、こんな事にはならなかったのだ。非は確かにあるかもしれないが、全て1人で抱え込む必要はない。

「また、建て直せば良い・・・それも、そうだね。僕も、手伝う。けど、その前に。世界が、元通りになるのを、待たないとね？」

　ザナの土地が光に包まれると、パッと消え、穴が再び生まれる。その穴を埋めるように地面が動き、その穴を埋める。惑星融合が停止し、融合しかけた２つの惑星は、修正を始めたようだ。

「どのくらいで終わりますかね？」

「融合には、時間が、かかったけど、分離はそこまで、時間は、かからないと、思う。1日で終わるんじゃないかな？」

「じゃあ、3日後に復興を開始しましょう。貴方のご両親のお墓も一緒にね？」

「良いのかい？」

「ええ、勿論です」

「・・・ありが、とう」

　賢者クティは屈託のない笑みで微笑んだ。