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最終章 探究者と門番
15話 紅白殺し合い合戦
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赤い格闘ラビットは、モネ・・・ではなく、白い格闘ラビットと戦おうとしているシャープに狙いを定めると、蹠行し、距離を詰める。
どうやら、末を見る者は、タイマンでけりを付ける格闘ラビットの習性すらも消してしまったらしい。いや、これに関しては、そういう風に調教したと言った方が正しいかな?
僕に爪と牙を剥きだしにして、襲い掛かってくる赤い格闘ラビット。その蛮行を止めるかのように、モネは赤色の方のこめかみに、不意打ち同然の一撃をお見舞いした。
「Pyo!?」
「おいおい!アンタの相手はあたしだろぉ?」
殴って、無理矢理標的を変える。強引だが、確実な方法だ。結果、赤色の方の意識は、モネの方に向いた。
「Pyooo・・・」
「かかってこい赤だるまぁ!!」
格闘ラビットは、強力な爪を持っている。しっかりと研いだナイフにも匹敵する鋭さだ。しかし、それ以上に居力な骨が存在する。格闘ラビットの骨は非常に頑丈で、個体差は勿論存在するが、平均で、鉄並みの硬さを有している。
自分らの強みを理解している格闘ラビットは、パーではなく、グーで攻撃するようになった。それが、格闘ラビットが格闘ラビットと呼ばれるようになった所以である。
習性を変えられても、そこは変わらないようで、モネに対して、一撃必殺の拳を何度も振りかざしてくる。拳が飛んでくる速度も尋常ではなく、風を切る音が耳に入ってくる。その為、ダメージが入る事覚悟で、盾で防がなければならない。
しかし、モネは盾なんか持ち合わせていない。ハンマー1本で戦う命知らずの生粋の戦士。その為、格闘ラビットの正拳突きを防ぐ術も無ければ、避ける事も困難。
かなり不利のように思えるが、防ぐ、避けるだけが攻撃から身を守る方法ではない。他にも弾く、事前に潰すという方法が存在する。これらの2つの方法は、攻撃から身を守る事だけでなく、相手に隙を生ませる事も可能である。
「ほい!ほい!ほい!ほい!どうした?拳の速度が落ちてるぞ!!」
勿論、簡単ではない。それなりの力が必要だし、タイミングを間違えたら、攻撃を喰らってしまう。危険と隣り合わせの避け方だと言えるだろう。それでも、モネは現在、15発もの正拳突きを弾いたり、事前に潰したりしている。
彼女の絶妙な調整の賜物でもあるだろうが、何よりも、一発でも喰らったら死ぬという緊張感が成功させているのだろう。実際、モネの手は現在、汗でびっしょりと濡れている。布を巻いて、滑り止めをしていなかったら、今頃武器を落としていただろう。
攻撃を弾き続けてどのくらいたったろうか。3mという巨体の体勢を崩すのはやはり難しく、弾いても、弾いても崩れない。棘だらけのモーニングスターで弾いて拳は血まみれだと言うのに、殴るのを止めようとしない。アドレナリンが出ている影響だろう。
だが、アドレナリンは痛みを和らげてくれる効能があるだけで、傷を癒してくれる効能は存在しない。皮膚が裂け、骨が見え始める。
どんなに戦う意思があっても、体が言う事を聞いてくれなくなる。体力消耗よりも深刻な状態と化す。末を見る者は、再生能力は与えなかったみたいだ。
「Pyo?」
ついにその時がやってきた。拳にじわじわと受けてきたモーニングスターのダメージが血不足を引き起こし、赤い格闘ラビットの動きを止めたのだ。
しかも、自分では全く理解できていない模様。戦う事だけを考えた結果である。
「へっ!あたしの戦法勝ち!」
立膝を突く赤い格闘ラビットに終止符を打つように、モネはモーニングスターを頭に振り下ろし、脳を砕く。辺りに千切れたうさ耳と、ひき肉になった脳みそ、砕けた頭蓋骨が飛び散った。
「ふう・・・あたしはこれでおしまい!シャープ!手を貸そうか?」
「必要ないっ!!」
モネが格闘ラビットを倒した一方で、シャープは武器の相性と、体格差の問題で苦戦を強いられていた。
どうやら、末を見る者は、タイマンでけりを付ける格闘ラビットの習性すらも消してしまったらしい。いや、これに関しては、そういう風に調教したと言った方が正しいかな?
僕に爪と牙を剥きだしにして、襲い掛かってくる赤い格闘ラビット。その蛮行を止めるかのように、モネは赤色の方のこめかみに、不意打ち同然の一撃をお見舞いした。
「Pyo!?」
「おいおい!アンタの相手はあたしだろぉ?」
殴って、無理矢理標的を変える。強引だが、確実な方法だ。結果、赤色の方の意識は、モネの方に向いた。
「Pyooo・・・」
「かかってこい赤だるまぁ!!」
格闘ラビットは、強力な爪を持っている。しっかりと研いだナイフにも匹敵する鋭さだ。しかし、それ以上に居力な骨が存在する。格闘ラビットの骨は非常に頑丈で、個体差は勿論存在するが、平均で、鉄並みの硬さを有している。
自分らの強みを理解している格闘ラビットは、パーではなく、グーで攻撃するようになった。それが、格闘ラビットが格闘ラビットと呼ばれるようになった所以である。
習性を変えられても、そこは変わらないようで、モネに対して、一撃必殺の拳を何度も振りかざしてくる。拳が飛んでくる速度も尋常ではなく、風を切る音が耳に入ってくる。その為、ダメージが入る事覚悟で、盾で防がなければならない。
しかし、モネは盾なんか持ち合わせていない。ハンマー1本で戦う命知らずの生粋の戦士。その為、格闘ラビットの正拳突きを防ぐ術も無ければ、避ける事も困難。
かなり不利のように思えるが、防ぐ、避けるだけが攻撃から身を守る方法ではない。他にも弾く、事前に潰すという方法が存在する。これらの2つの方法は、攻撃から身を守る事だけでなく、相手に隙を生ませる事も可能である。
「ほい!ほい!ほい!ほい!どうした?拳の速度が落ちてるぞ!!」
勿論、簡単ではない。それなりの力が必要だし、タイミングを間違えたら、攻撃を喰らってしまう。危険と隣り合わせの避け方だと言えるだろう。それでも、モネは現在、15発もの正拳突きを弾いたり、事前に潰したりしている。
彼女の絶妙な調整の賜物でもあるだろうが、何よりも、一発でも喰らったら死ぬという緊張感が成功させているのだろう。実際、モネの手は現在、汗でびっしょりと濡れている。布を巻いて、滑り止めをしていなかったら、今頃武器を落としていただろう。
攻撃を弾き続けてどのくらいたったろうか。3mという巨体の体勢を崩すのはやはり難しく、弾いても、弾いても崩れない。棘だらけのモーニングスターで弾いて拳は血まみれだと言うのに、殴るのを止めようとしない。アドレナリンが出ている影響だろう。
だが、アドレナリンは痛みを和らげてくれる効能があるだけで、傷を癒してくれる効能は存在しない。皮膚が裂け、骨が見え始める。
どんなに戦う意思があっても、体が言う事を聞いてくれなくなる。体力消耗よりも深刻な状態と化す。末を見る者は、再生能力は与えなかったみたいだ。
「Pyo?」
ついにその時がやってきた。拳にじわじわと受けてきたモーニングスターのダメージが血不足を引き起こし、赤い格闘ラビットの動きを止めたのだ。
しかも、自分では全く理解できていない模様。戦う事だけを考えた結果である。
「へっ!あたしの戦法勝ち!」
立膝を突く赤い格闘ラビットに終止符を打つように、モネはモーニングスターを頭に振り下ろし、脳を砕く。辺りに千切れたうさ耳と、ひき肉になった脳みそ、砕けた頭蓋骨が飛び散った。
「ふう・・・あたしはこれでおしまい!シャープ!手を貸そうか?」
「必要ないっ!!」
モネが格闘ラビットを倒した一方で、シャープは武器の相性と、体格差の問題で苦戦を強いられていた。
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