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3章 異世界旅行録
35話 協力
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「許さない絶対許さない戦争です戦争の勃発です覚悟しなさい魔族よわたくしは絶対に貴方達の事を────」
「・・・軽率に戦争を起こしちゃうような子は俺嫌いだな」
「ッッ!!ううう嘘です嘘です!戦争なんか起こしません!起こす気はありません!ごめんなさいごめんなさい!!」
謝り続ける姿は見てて心苦しいが、戦争を起こさせるよりかはマシだ。
にしても、ベルトようにかけられたリリの封印魔術。範囲が小さい上にとても強力にかけられている。
魔術師としてはリリよりも遥か上の実力を有するシュエリ王女でも解く事ができない封印を成功させるとは彼女からは到底考えられない。
100か50か0しかできない彼女がどうやってこんな出来の良い封印魔術を使える事ができたのだろうか?
余談であるが、リリックは依然として魔術の調整が下手くそである。それなのに、封印魔術を上手く扱えたのにはしっかりと理由が存在する。
天真爛漫なリリックも年相応の女の子。知られたくない事は山程ある。
それを魔族の国の自分の城の何処かに隠しておいたのだ。
その隠し場所が万が一バレたとしても中身が見られないようにと封印魔術を練習した結果が、今回のファインプレーはと繋がったのだ。
因みに封印はシュエリにはもちろん解く事はできないし、翡翠にも解く事ができない。リリだけが解けるようになっている。
一流の魔術師であるシュエリは触った瞬間、自分には解けない事を察して項垂れる。拗ね始める。
いじける姿を見て何とも悲しい気持ちになった翡翠は彼女を励まそうと試みる。
「えっと・・・とりあえず・・・何か別の事話さない?今の段階では子作りはできないんだし・・・」
「約束・・・してくださるなら・・・」
「う~ん・・・そこはもう少し考えさせて欲しいな。俺だって作るならしっかりと責任は持ちたいし」
「昨日の式で責任に押し潰されて吐いていたのに?」
「それは俺には重すぎたからですよ。子供は別。責任の重い軽い関係無しに責任を負わなくちゃいけない。最後まで育てなきゃ行けない。それが親としての責任です」
まあ、それが本当なのだとするならば、うちの親はそれを遂行できなかったわけだが・・・致し方なかったとしてOKとしておこう。
しかし、俺は生きている。生きている以上子供を育てる責任は負わなくてはならない。
その思いが伝わったのか。シュエリ王女は俺の拘束を解除してくれた。
「封印が強力なのもありますが、そこまで意思が強いのなら私は諦めるしかございませんね・・・」
「シュエリ王女・・・」
「ですが、私はまだ諦めていません!!チャンスがある限り貴方の隣を狙い続けます!例え、その時に誰かがいようとも、チャンスを生み出して必ず貴方の伴侶となります」
強く断言する決意。思わず笑みがこぼれてしまう。
「何笑っているんですか!!本気ですからね!リオに進軍しちゃいますからね!!」
「それだけは止めて下さい。どっちにもメリットないから」
「あ、はい・・・じゃあ、どうします?何しますか?」
今更シャープ達の事を手伝いに行くために町に出たとしても、居場所が分からないし、血統的に一応王子の俺が外に出たら騒ぎになるだろう。
なら、俺は俺でもう1つの任務を遂行するとしよう。
「シュエリ王女、実は俺がナチュレに来たのにはもう1つ理由があるんです」
「人探し以外にも何かございますの?」
王女はしばらく黙り、俺を凝視する。恐らく俺の頭の中を読んでいるのだろう。
「・・・成程。門を使用しない別世界への移動方法を探しにですか・・・」
「今の所それを知っているのはナチュレだけ。流行る前にその方法を知って、対策を考えておきたいんです」
さもなくば、何とかギリギリで抑えつけられている混沌が、一気に押し寄せてくる事になる。世界はパニックを起こし、収拾がつかなくなる。
それを事前に防ぐのも、門番の仕事。リオとザナの境を守る者としての責務だ。
「ヒスイ様の言う通りです。私も2つの世界が今以上に滅茶苦茶になってしまうのだけは避けたいですね」
「そうですか!で、では・・・」
「はい、ご協力致します」
この任務はナチュレ王族の協力なくては達成できない任務。シュエリ王女がロット2世のような人間ではなかった事に今一番感謝したかもしれない。
「そ、その代わりと言ってはなんですが・・・」
「俺にできる事なら何でもします!結婚以外なら!」
「いえ、そこまで卑しい女ではないので・・・実はその・・・」
体をもじらせ、頬を朱色に染めながらお願いを言うのを戸惑うシュエリ王女。もしかして、あれをご所望なのだろうか・・・。
「もしかして、またキスしてほしいとか?」
言葉は発さずに、頷くシュエリ王女。
「・・・リリとモネさんがいないところで良ければ」
「は、はい・・・///よ、よろしくお願いします///」
「・・・軽率に戦争を起こしちゃうような子は俺嫌いだな」
「ッッ!!ううう嘘です嘘です!戦争なんか起こしません!起こす気はありません!ごめんなさいごめんなさい!!」
謝り続ける姿は見てて心苦しいが、戦争を起こさせるよりかはマシだ。
にしても、ベルトようにかけられたリリの封印魔術。範囲が小さい上にとても強力にかけられている。
魔術師としてはリリよりも遥か上の実力を有するシュエリ王女でも解く事ができない封印を成功させるとは彼女からは到底考えられない。
100か50か0しかできない彼女がどうやってこんな出来の良い封印魔術を使える事ができたのだろうか?
余談であるが、リリックは依然として魔術の調整が下手くそである。それなのに、封印魔術を上手く扱えたのにはしっかりと理由が存在する。
天真爛漫なリリックも年相応の女の子。知られたくない事は山程ある。
それを魔族の国の自分の城の何処かに隠しておいたのだ。
その隠し場所が万が一バレたとしても中身が見られないようにと封印魔術を練習した結果が、今回のファインプレーはと繋がったのだ。
因みに封印はシュエリにはもちろん解く事はできないし、翡翠にも解く事ができない。リリだけが解けるようになっている。
一流の魔術師であるシュエリは触った瞬間、自分には解けない事を察して項垂れる。拗ね始める。
いじける姿を見て何とも悲しい気持ちになった翡翠は彼女を励まそうと試みる。
「えっと・・・とりあえず・・・何か別の事話さない?今の段階では子作りはできないんだし・・・」
「約束・・・してくださるなら・・・」
「う~ん・・・そこはもう少し考えさせて欲しいな。俺だって作るならしっかりと責任は持ちたいし」
「昨日の式で責任に押し潰されて吐いていたのに?」
「それは俺には重すぎたからですよ。子供は別。責任の重い軽い関係無しに責任を負わなくちゃいけない。最後まで育てなきゃ行けない。それが親としての責任です」
まあ、それが本当なのだとするならば、うちの親はそれを遂行できなかったわけだが・・・致し方なかったとしてOKとしておこう。
しかし、俺は生きている。生きている以上子供を育てる責任は負わなくてはならない。
その思いが伝わったのか。シュエリ王女は俺の拘束を解除してくれた。
「封印が強力なのもありますが、そこまで意思が強いのなら私は諦めるしかございませんね・・・」
「シュエリ王女・・・」
「ですが、私はまだ諦めていません!!チャンスがある限り貴方の隣を狙い続けます!例え、その時に誰かがいようとも、チャンスを生み出して必ず貴方の伴侶となります」
強く断言する決意。思わず笑みがこぼれてしまう。
「何笑っているんですか!!本気ですからね!リオに進軍しちゃいますからね!!」
「それだけは止めて下さい。どっちにもメリットないから」
「あ、はい・・・じゃあ、どうします?何しますか?」
今更シャープ達の事を手伝いに行くために町に出たとしても、居場所が分からないし、血統的に一応王子の俺が外に出たら騒ぎになるだろう。
なら、俺は俺でもう1つの任務を遂行するとしよう。
「シュエリ王女、実は俺がナチュレに来たのにはもう1つ理由があるんです」
「人探し以外にも何かございますの?」
王女はしばらく黙り、俺を凝視する。恐らく俺の頭の中を読んでいるのだろう。
「・・・成程。門を使用しない別世界への移動方法を探しにですか・・・」
「今の所それを知っているのはナチュレだけ。流行る前にその方法を知って、対策を考えておきたいんです」
さもなくば、何とかギリギリで抑えつけられている混沌が、一気に押し寄せてくる事になる。世界はパニックを起こし、収拾がつかなくなる。
それを事前に防ぐのも、門番の仕事。リオとザナの境を守る者としての責務だ。
「ヒスイ様の言う通りです。私も2つの世界が今以上に滅茶苦茶になってしまうのだけは避けたいですね」
「そうですか!で、では・・・」
「はい、ご協力致します」
この任務はナチュレ王族の協力なくては達成できない任務。シュエリ王女がロット2世のような人間ではなかった事に今一番感謝したかもしれない。
「そ、その代わりと言ってはなんですが・・・」
「俺にできる事なら何でもします!結婚以外なら!」
「いえ、そこまで卑しい女ではないので・・・実はその・・・」
体をもじらせ、頬を朱色に染めながらお願いを言うのを戸惑うシュエリ王女。もしかして、あれをご所望なのだろうか・・・。
「もしかして、またキスしてほしいとか?」
言葉は発さずに、頷くシュエリ王女。
「・・・リリとモネさんがいないところで良ければ」
「は、はい・・・///よ、よろしくお願いします///」
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