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1章 就職!異世界の門日本支部!
1話 魔物が出るから家賃安い!
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「森山さん!この本棚はどこにおきます?」
「右の角っこで!」
「はい!了解っ!」
時は経ち、場所は変わり、4月上旬のとある町のボロアパート。
見事最終試験を突破した森山翡翠は地元から離れ、仕事場に近くて、安いボロアパートに引っ越してきた。
「築40年。けど、6畳ある上にシャワー付きのアパート一部屋が家賃たったの5000円だなんて破格にも程があるでしょ」
ボロい以外は良物件。では、何故そんなに安いのか?
「いやいや、妥当だよ。だってここ、門がある町だし!」
「確かにそうかも」
異世界への門は開きっぱなし。昔の氾濫した川の如く魔物が出てくる事は無くなったが、ゼロになったわけではない。今でも魔物が出てくるし、年間被害者も相当数いる。
テラス窓から外を覗くと、約5キロ先に金属製の巨大な開かれた状態の門が見える。所々錆が目立つ巨大門こそが異世界への門であり、俺の勤務先でもある。
「森山さん、聞いた話だと門番だろ?あの実力者の中の実力者しか入れないっていう」
「はい!なんとか受かりましてね!」
「だったら、もっと良いところに住めば良いのに。ここから3万で高級マンションレベルの部屋に住めるのに」
「俺もぶっちゃけそっちの方に住みたかったんですけど、今は1円でも節約したい時期なんで!このボロアパートで我慢しようって思った次第です!」
「節約ねぇ~・・・あんま無理しちゃだめだよ?体壊すから」
「お気遣いありがとうございます!」
それから10分も経たずに引っ越し作業は終了。引っ越し業者の人達は魔物に襲われるのを恐れてか、逃げるようにトラックに乗り、走り去ってしまった。
「時速70キロは出てるな、あれ・・・。荷物ぐちゃぐちゃにならないのかな?」
他人の心配をする翡翠。自分の事を心配しなくても良いのだろうか・・・。
「うおっ!!」
走っていくトラックを眺めていた翡翠を突風が襲う。洗濯物が遥か空に飛んでいってしまいそうな風は明らかに事前に生まれたものではなく、何らかの作用によって生まれたものだ。
確認するべく空を見上げると、真っ白な雲が浮遊する空を、自由に飛ぶ鮮やかな緑色の羽を持った巨大鳥が我が物顔で飛行していた。
視認した数秒後、門の方向から飛んできた一本の矢に貫かれる緑の鳥。飛ぶ体勢は崩れ、地上へと落下していく。落ちていく場所は何もない公園という名の空き地。遊具もなければ砂場もないただただ存在するだけの場所。
緑の巨大鳥の体重に比例して、地面が揺れる。付近を歩いていた住民達も一目見て何事もなかったかのように歩き去っていく。
正式名称異門町、別名終焉町。ここに住む人達は、置かれている危険な状況に適応しきっているようだ。
「右の角っこで!」
「はい!了解っ!」
時は経ち、場所は変わり、4月上旬のとある町のボロアパート。
見事最終試験を突破した森山翡翠は地元から離れ、仕事場に近くて、安いボロアパートに引っ越してきた。
「築40年。けど、6畳ある上にシャワー付きのアパート一部屋が家賃たったの5000円だなんて破格にも程があるでしょ」
ボロい以外は良物件。では、何故そんなに安いのか?
「いやいや、妥当だよ。だってここ、門がある町だし!」
「確かにそうかも」
異世界への門は開きっぱなし。昔の氾濫した川の如く魔物が出てくる事は無くなったが、ゼロになったわけではない。今でも魔物が出てくるし、年間被害者も相当数いる。
テラス窓から外を覗くと、約5キロ先に金属製の巨大な開かれた状態の門が見える。所々錆が目立つ巨大門こそが異世界への門であり、俺の勤務先でもある。
「森山さん、聞いた話だと門番だろ?あの実力者の中の実力者しか入れないっていう」
「はい!なんとか受かりましてね!」
「だったら、もっと良いところに住めば良いのに。ここから3万で高級マンションレベルの部屋に住めるのに」
「俺もぶっちゃけそっちの方に住みたかったんですけど、今は1円でも節約したい時期なんで!このボロアパートで我慢しようって思った次第です!」
「節約ねぇ~・・・あんま無理しちゃだめだよ?体壊すから」
「お気遣いありがとうございます!」
それから10分も経たずに引っ越し作業は終了。引っ越し業者の人達は魔物に襲われるのを恐れてか、逃げるようにトラックに乗り、走り去ってしまった。
「時速70キロは出てるな、あれ・・・。荷物ぐちゃぐちゃにならないのかな?」
他人の心配をする翡翠。自分の事を心配しなくても良いのだろうか・・・。
「うおっ!!」
走っていくトラックを眺めていた翡翠を突風が襲う。洗濯物が遥か空に飛んでいってしまいそうな風は明らかに事前に生まれたものではなく、何らかの作用によって生まれたものだ。
確認するべく空を見上げると、真っ白な雲が浮遊する空を、自由に飛ぶ鮮やかな緑色の羽を持った巨大鳥が我が物顔で飛行していた。
視認した数秒後、門の方向から飛んできた一本の矢に貫かれる緑の鳥。飛ぶ体勢は崩れ、地上へと落下していく。落ちていく場所は何もない公園という名の空き地。遊具もなければ砂場もないただただ存在するだけの場所。
緑の巨大鳥の体重に比例して、地面が揺れる。付近を歩いていた住民達も一目見て何事もなかったかのように歩き去っていく。
正式名称異門町、別名終焉町。ここに住む人達は、置かれている危険な状況に適応しきっているようだ。
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