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1章 就職!異世界の門日本支部!
プロローグⅡ
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“次の方、どうぞ。”
「はい!失礼します!!」
ハリのある若い返事が聞こえた1秒後、目の前のドアが開き、声の印象通りの青年が入ってくる。履歴書に貼られている写真とも一致する。
我々面接官に丁寧に一礼。座るように指示すると、極限まで音を立てずに椅子に座り、緑色の瞳でコチラをまっすぐと見つめてきた。
“履歴書には書いているし、我々も認知しているから自己紹介は結構です。”
時間は有限だ。無駄な作業は避けたい。
“まずは、一次試験と二次試験合格おめでとうございます。参加者は1253人いましたが、その中でもあなたは筆記実技共に素晴らしかった。これは機嫌取りではなく、本心からの妥当な評価です。”
「ありがとうございます!!」
面接室に鼓膜を心地よく振動させる声が響く。厳しい一次試験と二次試験の合格した理由がなんとなく想像できる。
“では、質問を初めていきたいと思います。我々が求めるのは高校の印象深かった事、何に力を入れていたか、クラスでの自分の役割は何か?・・・では、なく。志望動機です”
この仕事に青春の思い出話など必要ない。求めるのはこの仕事を求めた動機。事前に渡された彼の志望動機の書かれた紙には彼の素直な本音が書かれていた。
素直すぎて笑いが止まらなくなる本音。普通の企業で言ったら、不採用となる動機だ。
“あなたは何故、こんな事を書いたんですか?”
しばらく黙った後に真っ直ぐとこちらの方を向いて、落ち着いて答える。
「建前はいくつも考えました・・・ですが、1週間程度しか捻っていない薄っぺらな建前では、10年以上抱いてきた本音の動機を隠す事はできないと判断したからです」
“・・・なるほどね。それほど君は本気という事ですか”
「はいっ!」
“分かりました。では、これにて最終試験の面接を終了します。お疲れ様でした”
「ありがとうございました!失礼します!」
例に沿った退出で面接室から消える青年。我々面接官は彼の気配が完全に消えたのを確認した後、ハンコを取り出し履歴書に押印する。
『武蔵学園高等学校所属森山翡翠。採用』
他、最終試験到達者13名。不採用。
“おめでとうございます、森山翡翠さん。これからこのリオを守る門番として奮闘して下さいね?”
面接官達は不敵に笑った。
「はい!失礼します!!」
ハリのある若い返事が聞こえた1秒後、目の前のドアが開き、声の印象通りの青年が入ってくる。履歴書に貼られている写真とも一致する。
我々面接官に丁寧に一礼。座るように指示すると、極限まで音を立てずに椅子に座り、緑色の瞳でコチラをまっすぐと見つめてきた。
“履歴書には書いているし、我々も認知しているから自己紹介は結構です。”
時間は有限だ。無駄な作業は避けたい。
“まずは、一次試験と二次試験合格おめでとうございます。参加者は1253人いましたが、その中でもあなたは筆記実技共に素晴らしかった。これは機嫌取りではなく、本心からの妥当な評価です。”
「ありがとうございます!!」
面接室に鼓膜を心地よく振動させる声が響く。厳しい一次試験と二次試験の合格した理由がなんとなく想像できる。
“では、質問を初めていきたいと思います。我々が求めるのは高校の印象深かった事、何に力を入れていたか、クラスでの自分の役割は何か?・・・では、なく。志望動機です”
この仕事に青春の思い出話など必要ない。求めるのはこの仕事を求めた動機。事前に渡された彼の志望動機の書かれた紙には彼の素直な本音が書かれていた。
素直すぎて笑いが止まらなくなる本音。普通の企業で言ったら、不採用となる動機だ。
“あなたは何故、こんな事を書いたんですか?”
しばらく黙った後に真っ直ぐとこちらの方を向いて、落ち着いて答える。
「建前はいくつも考えました・・・ですが、1週間程度しか捻っていない薄っぺらな建前では、10年以上抱いてきた本音の動機を隠す事はできないと判断したからです」
“・・・なるほどね。それほど君は本気という事ですか”
「はいっ!」
“分かりました。では、これにて最終試験の面接を終了します。お疲れ様でした”
「ありがとうございました!失礼します!」
例に沿った退出で面接室から消える青年。我々面接官は彼の気配が完全に消えたのを確認した後、ハンコを取り出し履歴書に押印する。
『武蔵学園高等学校所属森山翡翠。採用』
他、最終試験到達者13名。不採用。
“おめでとうございます、森山翡翠さん。これからこのリオを守る門番として奮闘して下さいね?”
面接官達は不敵に笑った。
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