324 / 341
終章 3年後の平和
325話 完成間近
しおりを挟む
「それが完成していないと言った理由か?」
「その通り。実に素晴らしいとは思いませんか?」
「それが実現可能だったらな」
「可能ですとも!なんて言ったって坊ちゃんはかの有名なシャックル・ペピトーンの血を継ぐ先祖であり、シャックル以上の天才と言われた才覚の持ち主!できない事はアリマセン!!」
「じゃあ、何で今までの3年間は自分だけで維持できていなかったんだ?」
「天才といえども、坊ちゃんは1人しかいません。準備が必要だったわけです。3年間の未完成の『オール・イン・ザ・ハンド』も準備のうちの1つデス!」
「成程、その準備で一体何人の人が亡くなったんだろうなぁ?ドゥーク」
「私の調査によると、これまで行方不明になって今も行方知れずの者は9156人。魔物の数を考えれば妥当の人数だな」
「それに関しては申し訳ないと思っています。残念ですが、食べられた命を元に戻す事はできません。食べた魔物の命を動かす燃料となっているのデスカラ」
セバスチャンの喋り方にとても腹が立つ。今にも殴りたい気持ちでいっぱいだが、グッと堪えて会話を続ける。
「因みに準備と言ったが、一体何を準備したんだ?」
「魔力ですよ、魔力。坊ちゃんに足りなかったのは『オール・イン・ザ・ハンド』を1人で維持する魔力が足りなかったんです。ですが、その問題の解決策もこの3年間で見事に見つける事が出来ました」
「解決策とは一体何なのですか?僕は魔法専門ではないので分かりません・・・」
「それはワタシもデスガ、そんなワタシでも理解できる簡単な方法デシタ。それは、この大地から魔力を吸い上げる事デス!!」
「魔力を吸い上げる・・・まさか、あの根っこは・・・!!」
「おや、既に見ていましたか。それは坊ちゃんが大地から魔力を吸い上げる為に作った根っこ。カートライトとアレクサンダーを回って戻ってきた根っこデス!まあ、地上にいる者が邪魔をしているせいでまだ完成はしていませんが、時間の問題デショウネ」
「危なかった・・・私のドラゴンズソウルで燃やしといてよかったな。それにしても、セバスチャン。貴様は本当に魔法について何も知らないんだな。聞いていて呆れたぞ」
「執事一筋で生きて来たものでして・・・まあ、今は死んでいるんですけれどもね」
「そうか、それは素晴らしい事だ。だが、大事な事だからこれだけはしっかりと知識として納めておけ。大地には魔力は存在しない。あるのは植物を育てる栄養だけだ」
「・・・え?」
魔法使いであるドゥークは語り始めた。
「その通り。実に素晴らしいとは思いませんか?」
「それが実現可能だったらな」
「可能ですとも!なんて言ったって坊ちゃんはかの有名なシャックル・ペピトーンの血を継ぐ先祖であり、シャックル以上の天才と言われた才覚の持ち主!できない事はアリマセン!!」
「じゃあ、何で今までの3年間は自分だけで維持できていなかったんだ?」
「天才といえども、坊ちゃんは1人しかいません。準備が必要だったわけです。3年間の未完成の『オール・イン・ザ・ハンド』も準備のうちの1つデス!」
「成程、その準備で一体何人の人が亡くなったんだろうなぁ?ドゥーク」
「私の調査によると、これまで行方不明になって今も行方知れずの者は9156人。魔物の数を考えれば妥当の人数だな」
「それに関しては申し訳ないと思っています。残念ですが、食べられた命を元に戻す事はできません。食べた魔物の命を動かす燃料となっているのデスカラ」
セバスチャンの喋り方にとても腹が立つ。今にも殴りたい気持ちでいっぱいだが、グッと堪えて会話を続ける。
「因みに準備と言ったが、一体何を準備したんだ?」
「魔力ですよ、魔力。坊ちゃんに足りなかったのは『オール・イン・ザ・ハンド』を1人で維持する魔力が足りなかったんです。ですが、その問題の解決策もこの3年間で見事に見つける事が出来ました」
「解決策とは一体何なのですか?僕は魔法専門ではないので分かりません・・・」
「それはワタシもデスガ、そんなワタシでも理解できる簡単な方法デシタ。それは、この大地から魔力を吸い上げる事デス!!」
「魔力を吸い上げる・・・まさか、あの根っこは・・・!!」
「おや、既に見ていましたか。それは坊ちゃんが大地から魔力を吸い上げる為に作った根っこ。カートライトとアレクサンダーを回って戻ってきた根っこデス!まあ、地上にいる者が邪魔をしているせいでまだ完成はしていませんが、時間の問題デショウネ」
「危なかった・・・私のドラゴンズソウルで燃やしといてよかったな。それにしても、セバスチャン。貴様は本当に魔法について何も知らないんだな。聞いていて呆れたぞ」
「執事一筋で生きて来たものでして・・・まあ、今は死んでいるんですけれどもね」
「そうか、それは素晴らしい事だ。だが、大事な事だからこれだけはしっかりと知識として納めておけ。大地には魔力は存在しない。あるのは植物を育てる栄養だけだ」
「・・・え?」
魔法使いであるドゥークは語り始めた。
11
お気に入りに追加
43
あなたにおすすめの小説
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
最強の回復魔法で、レベルアップ無双! 異常な速度でレベルアップで自由に冒険者をして、勇者よりも強くなります
おーちゃん
ファンタジー
俺は勇者パーティーに加入していて、勇者サリオス、大魔導士ジェンティル、剣士ムジカの3人パーティーの雑用係。雑用係で頑張る毎日であったものの、ある日勇者サリオスから殺されそうになる。俺を殺すのかよ!! もう役に立たないので、追放する気だったらしい。ダンジョンで殺される時に運良く命は助かる。ヒール魔法だけで冒険者として成り上がっていく。勇者サリオスに命を狙われつつも、生き延びていき、やがて俺のレベルは異常な速度で上がり、成長する。猫人、エルフ、ドワーフ族の女の子たちを仲間にしていきます。
外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!
武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生したユウトは、十三歳になり成人の儀式を受け神様からスキルを授かった。
しかし、授かったスキルは『レベル1』という聞いたこともないスキルだった。
『ハズレスキルだ!』
同世代の仲間からバカにされるが、ユウトが冒険者として活動を始めると『レベル1』はとんでもないチートスキルだった。ユウトは仲間と一緒にダンジョンを探索し成り上がっていく。
そんなユウトたちに一人の少女た頼み事をする。『お父さんを助けて!』
レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル
異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった
孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた
そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた
その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。
5レベルになったら世界が変わりました
異世界転生したので、のんびり冒険したい!
藤なごみ
ファンタジー
アラサーのサラリーマンのサトーは、仕事帰りに道端にいた白い子犬を撫でていた所、事故に巻き込まれてしまい死んでしまった。
実は神様の眷属だった白い子犬にサトーの魂を神様の所に連れて行かれた事により、現世からの輪廻から外れてしまう。
そこで神様からお詫びとして異世界転生を進められ、異世界で生きて行く事になる。
異世界で冒険者をする事になったサトーだか、冒険者登録する前に王族を助けた事により、本人の意図とは関係なく様々な事件に巻き込まれていく。
貴族のしがらみに加えて、異世界を股にかける犯罪組織にも顔を覚えられ、悪戦苦闘する日々。
ちょっとチート気味な仲間に囲まれながらも、チームの頭脳としてサトーは事件に立ち向かって行きます。
いつか訪れるだろうのんびりと冒険をする事が出来る日々を目指して!
……何時になったらのんびり冒険できるのかな?
小説家になろう様とカクヨム様にも投稿しました(20220930)
ギルドから追放された実は究極の治癒魔法使い。それに気付いたギルドが崩壊仕掛かってるが、もう知らん。僕は美少女エルフと旅することにしたから。
yonechanish
ファンタジー
僕は治癒魔法使い。
子供の頃、僕は奴隷として売られていた。
そんな僕をギルドマスターが拾ってくれた。
だから、僕は自分に誓ったんだ。
ギルドのメンバーのために、生きるんだって。
でも、僕は皆の役に立てなかったみたい。
「クビ」
その言葉で、僕はギルドから追放された。
一人。
その日からギルドの崩壊が始まった。
僕の治癒魔法は地味だから、皆、僕がどれだけ役に立ったか知らなかったみたい。
だけど、もう遅いよ。
僕は僕なりの旅を始めたから。
異世界転生したらよくわからない騎士の家に生まれたので、とりあえず死なないように気をつけていたら無双してしまった件。
星の国のマジシャン
ファンタジー
引きこもりニート、40歳の俺が、皇帝に騎士として支える分家の貴族に転生。
そして魔法剣術学校の剣術科に通うことなるが、そこには波瀾万丈な物語が生まれる程の過酷な「必須科目」の数々が。
本家VS分家の「決闘」や、卒業と命を懸け必死で戦い抜く「魔物サバイバル」、さらには40年の弱男人生で味わったことのない甘酸っぱい青春群像劇やモテ期も…。
この世界を動かす、最大の敵にご注目ください!
バイトで冒険者始めたら最強だったっていう話
紅赤
ファンタジー
ここは、地球とはまた別の世界――
田舎町の実家で働きもせずニートをしていたタロー。
暢気に暮らしていたタローであったが、ある日両親から家を追い出されてしまう。
仕方なく。本当に仕方なく、当てもなく歩を進めて辿り着いたのは冒険者の集う街<タイタン>
「冒険者って何の仕事だ?」とよくわからないまま、彼はバイトで冒険者を始めることに。
最初は田舎者だと他の冒険者にバカにされるが、気にせずテキトーに依頼を受けるタロー。
しかし、その依頼は難度Aの高ランククエストであることが判明。
ギルドマスターのドラムスは急いで救出チームを編成し、タローを助けに向かおうと――
――する前に、タローは何事もなく帰ってくるのであった。
しかもその姿は、
血まみれ。
右手には討伐したモンスターの首。
左手にはモンスターのドロップアイテム。
そしてスルメをかじりながら、背中にお爺さんを担いでいた。
「いや、情報量多すぎだろぉがあ゛ぁ!!」
ドラムスの叫びが響く中で、タローの意外な才能が発揮された瞬間だった。
タローの冒険者としての摩訶不思議な人生はこうして幕を開けたのである。
――これは、バイトで冒険者を始めたら最強だった。という話――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる