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終章 3年後の平和

325話 完成間近

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「それが完成していないと言った理由か?」

「その通り。実に素晴らしいとは思いませんか?」

「それが実現可能だったらな」

「可能ですとも!なんて言ったって坊ちゃんはかの有名なシャックル・ペピトーンの血を継ぐ先祖であり、シャックル以上の天才と言われた才覚の持ち主!できない事はアリマセン!!」

「じゃあ、何で今までの3年間は自分だけで維持できていなかったんだ?」

「天才といえども、坊ちゃんは1人しかいません。準備が必要だったわけです。3年間の未完成の『オール・イン・ザ・ハンド』も準備のうちの1つデス!」

「成程、その準備で一体何人の人が亡くなったんだろうなぁ?ドゥーク」

「私の調査によると、これまで行方不明になって今も行方知れずの者は9156人。魔物の数を考えれば妥当の人数だな」

「それに関しては申し訳ないと思っています。残念ですが、食べられた命を元に戻す事はできません。食べた魔物の命を動かす燃料となっているのデスカラ」

 セバスチャンの喋り方にとても腹が立つ。今にも殴りたい気持ちでいっぱいだが、グッと堪えて会話を続ける。

「因みに準備と言ったが、一体何を準備したんだ?」

「魔力ですよ、魔力。坊ちゃんに足りなかったのは『オール・イン・ザ・ハンド』を1人で維持する魔力が足りなかったんです。ですが、その問題の解決策もこの3年間で見事に見つける事が出来ました」

「解決策とは一体何なのですか?僕は魔法専門ではないので分かりません・・・」

「それはワタシもデスガ、そんなワタシでも理解できる簡単な方法デシタ。それは、この大地から魔力を吸い上げる事デス!!」

「魔力を吸い上げる・・・まさか、あの根っこは・・・!!」

「おや、既に見ていましたか。それは坊ちゃんが大地から魔力を吸い上げる為に作った根っこ。カートライトとアレクサンダーを回って戻ってきた根っこデス!まあ、地上にいる者が邪魔をしているせいでまだ完成はしていませんが、時間の問題デショウネ」

「危なかった・・・私のドラゴンズソウルで燃やしといてよかったな。それにしても、セバスチャン。貴様は本当に魔法について何も知らないんだな。聞いていて呆れたぞ」

「執事一筋で生きて来たものでして・・・まあ、今は死んでいるんですけれどもね」

「そうか、それは素晴らしい事だ。だが、大事な事だからこれだけはしっかりと知識として納めておけ。大地には魔力は存在しない。あるのは植物を育てる栄養だけだ」

「・・・え?」

 魔法使いであるドゥークは語り始めた。
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