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終章 3年後の平和

319話 小さな揺れ

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 今にも倒れそうなブルドーさんを抱えながらトルネヒロの中へと戻る。ドゥークの本気火力のおかげでしばらくは襲って来なさそうだ。

「それにしても大きな根っこだった・・・本体は一体どれくらい大きいんだ?」

「さあな。意外と小さいんじゃないか?だって、あの根っこに見合う巨大な植物があるなら、きっと注目の的になっているだろうし」

 このタイミングでの根っこの登場。ペピトーン一派が絡んでいるのだろうか?

「タイミングのせいで全部ペピトーン一派に繋げちゃう・・・あんまり良くないかな?」

「仕方ないとはいえ、あまり良くは無いな。判断力を低下させる原因になるし、選択肢を狭める。問題解決には支障が起きるからその考えは捨てておけファルコ」

「父さんはどう思う?」

「ペピトーン一派のせいじゃないかなー」 

「おい・・・でも、そう考えるのが自然だよね」

「ますますここに重要な何かがある可能性が高まってきたな」

「何でそう思うんだドゥーク」

「おい、ブルドー・ロビンソン。あの根っこは魔物が再び見えるようになってから迫ってくるようになったんだよな?」

「ああ、そうだ・・・」

「毎日か?」

「毎日だ」

「毎日懲りずに攻めてくる謎の根っこ。燃やされても斬られても諦めずに攻めてくるという事は、諦められない目的がトルネヒロにあるって事じゃ無いのか?」

「確かにそうかもしれない・・・ブルドーさん、根っこが人に襲いかかってきた事は?」

「無い。とにかくトルネヒロに入る事を優先して動いていた」

 と言う事は根っこの目的は殺人ではない事が分かる。行く手を阻む人間を無視してまでトルネヒロに向かいたいのか、それとも邪魔するものを排除する知能すらないのか。

 分かる事はとにかくトルネヒロに入る事のようだ。

「じゃあ、根っこ以外で最近トルネヒロに起きた変な事ってありますか?」

「変な事・・・今丁度起きている。地面に座って見てくれ」

「?分かりました・・・」

 言われたままに地面に座ると、わずかに感じる揺れ。地震と呼ぶにはあまりにも小さいが、揺れている。

「今のは今までで1番小さかったが、こうやって毎日のように地震が起きている。しかし、この揺れ具合なら他の地域は揺れていないんだろうな」

 震源地はトルネヒロ?そもそもアレクサンダーとカートライトがある場所は大陸だ。プレートの上にある島国ならともかく、大陸に毎日のように揺れが発生するのだろうか。

「この自身、誰かが故意に起こしてる地震かも・・・」

 陰謀論者が好きそうな事を言ってしまった。
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