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終章 3年後の平和

316話 3年間監禁されていた男

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 ブルドーさんとも一緒にトルネヒロに入りたかったが、魔物が現在進行形で迫ってきているので、休み暇がない模様。

 なので、俺達とアダムオーナーのみで話し合いをすることにした。

「アダムオーナー、今まで何処にいたんですか?」

「君達がペピトーン一派と呼ぶ組織に囚われていました。約3年ほど」

「3年・・・って事はシャックルを倒してすぐですか?」

「ええ、何もない空間に足枷を付けられた状態で3年間を過ごしてました・・・1番辛いのは暇だと言う事を知りましたよ」

「・・・ごめんなさい。俺達は貴方が苦しんでいるのに助けに行けなかった・・・貴方からどんな制裁を受けたとしても受け入れます」

「制裁?そんな事はしませんよ。最初の1年は助けにこない貴方達を心の底から恨んでいましたが、恨んだと同時期に貴方達が『オール・イン・ザ・ハンド』で認識を変えられてしまっている事を知りましたので、恨む期間もあまり長くはありませんでした」

「恨んではいたんだ・・・」

「そりゃあ、恨むでしょう。共に汗を流しながら苦楽を共にした仲間が一向に助けに来ないんですよ?貴方がおかしくなりますって」

 俺がアダムさんの立場なら、きっとそうしているだろう。誰だってそうしていたはずだ。

「因みにペピトーン一派に囚われていたと言ってましたけれども、何がされましたか?実験とか」

「実験なんてあったらどんなに暇が潰せたことか。イマジナリーフレンドも作らずに済んだでしょうね。ねぇ、ジョン」

 何もない空間に話しかけるアダムオーナー。だいぶ精神的に限界が来ているみたいだ。

 しかし、何故ペピトーン一派は攫っておきながら実験台にしなかったのだろうか。ベルム族とカートライト人のハーフなんて格好の実験台だというのに。

「ファルコ、今とんでもなく失礼なことを考えましたね」

「・・・いえ、全く。どうしてアダムオーナーは3年も放置されていたんだろうな・・・って」

「さあ?分かりませんね。判明する前にブルドーさん達に助けられたので」

「因みに何処に捕まってたの?」

「カートライトの南東の秘密基地です」

 アダムオーナーは当時ジャッジメントに住んでいた。その話が本当ならば、随分と遠くに監禁されていたものだ。南東に何かあるのか?それとも、ただ救出する可能性のある俺達から避ける為だろうか。

「ただ、わたしも3年間をただ無駄にしていたわけではありたせんよ。3年という長い年月を使用したにしては少ないですが、情報は得ています。どうです?聞きますか?」

「是非聞かせて下さい」

「では、果汁100%のぶどうジュースで手打ちとしましょう。監禁されている時は味気ないものばかり食べていたので、濃い物を接種したいんです!」

 元からだが、アダムオーナーの子供っぽさが増したような気がする。
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