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終章 3年後の平和

296話 反撃開始

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「さあ、これで済んだぞ。私達を解放しろ」

「おいおい、それは虫が良すぎるんじゃないか?お前らのやった事は刑法違反に当たる。解除した程度で逃げられるとでも思うなよ?」

「くっ・・・!!」

「命があっただけでも感謝しな。ルナと一緒に殺してても別に構わなかったんだからな」

「でもファルコ。この人達どうやってレート村まで運ぶの?馬は2頭しかいないし、馬車も無いよ」

「そうですね。だから、これ持ってきておいて良かったです」

 異空間から取り出したのは、手枷と足枷。それを遺跡にいるペピトーン一派の人間全員に嵌めて最深部に放置する。

「ち、ちょっと待ってくれ!トイレは!?食事はどうしたらいい!?」

「心配しなくてもすぐに戻って来る。ここには魔物がいないから殺される事はないだろ?」

「トイレの問題は一体どうすればいいんだ!?」

「え?漏らせばいいじゃん」

「漏らせだと!?今、我々に糞尿をズボンに垂れ流しにしろと言ったのか!?」

「別に良くない?長時間そのままにしとくのは問題だけど、2時間ぐらいで戻って来るつもりだし」

「衛生面的な問題ではない!!文化人である我々がズボンの中に排泄物を漏らす行為自体に拒否感を示しているのだ!!待遇を改善しろ!!」

「「「そーだ!そーだ!!」」」

「どの口が言ってんだ・・・。じゃあ、折角捕まえたのに、拘束せずに放置なんて馬鹿すぎるだろ。とにかく、お前らの意見は聞かない。そこで大人しくクソでもおしっこでも漏らしてろ。ヘリナ先輩、行きましょう」

「う、うん・・・これはある意味死ぬよりも嫌かも?」

「プライドの高い魔法使いからしたら尊厳破壊ものですね。でも手足を拘束した状態でも魔法で逃げられる可能性があるのでなるべく急いで馬車を取りに行きましょう」

 急いで遺跡を出て、止めていた馬に乗る。レート村の方角にしばらく馬を走らせていると、レート村の方角から魔物達が必死の表情で森の方へと逃げていくのを確認した。逃げる魔物の中には体の一部を欠損した個体もいる。

「今の魔物は・・・?」

「多分、守りに徹してたレート村を突破しようとした魔物じゃないですかね?『オール・イン・ザ・ハンド』の影響から解放された元冒険者達が追い払ったんだと思います」

 突然魔物が見えるようになったらパニックになると思うんだが、元々非日常が日常のような生活を送っていた冒険者だったからだろうか適応力が高いみたいだ。

 レート村に近づいてくると、父さんを含めた元冒険者達が魔物を村の中に入れまいと奮闘していた。
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