237 / 341
5章 紛い物の神
238話 山頂の神殿
しおりを挟む
「開いた・・・!!」
「ナックル、『おちんちん』とは一体どういう意味なんだ?」
「随分可愛らしい響きだったけど・・・ファルコ?どうしてそんなに気まずそうな表情を浮かべているの?」
口にするのは、抵抗があったので、無言で股間に指差す。すると、ヘリナ先輩の顔はゆでだこのように赤く熱くなった。
「最っ低・・・」
「俺じゃないですからね!?」
「分かってるってば・・・ファルコはそういう時期は既に終わってるんでしょ?合計年齢60歳なんだし」
「まあ・・・前世で丁度この歳くらいには」
「早いな。私なんか、まだ使ってるぞ。部下に」
「その部下の性別は?」
「勿論、女だが?」
「今のうちに絶対やめておいた方が良いぞ、ドゥーク。時代が変われば訴えられるから」
「・・・説得力があるな。分かったよ」
まだ、セクハラに寛容で良かった。出なければ今頃ドラゴム家は終わっていた。
「隠し通路っていうよりも階段だな。だいぶ緩やかな」
「多分、神殿を作る物資を運ぶための配慮じゃないですあね?」
「異空間魔法があるというのにな」
「それは、ベルム族の魔法だろ」
「それもそうだったな」
階段を登りながら、左右の壁を見てみると、擦り傷ようなものがあるのが分かる。物を運んでいてぶつけてしまったのだろう。
「落下死の可能性もさっきまではあったのに、今じゃまるで心配ないね」
「はい。正直、これ以上ほぼ壁の山をよじ登るのは勘弁だったのでありがたいです」
緩やかな階段の為、頂上に着くのが遅い。緩やかな螺旋状に作られているようで、少し目が回ってきた。気のせいだと良いのだが。
約2時間くらい階段を登った所で、出口が見えてきた。暗いが、空に散りばめられた星が小さいながらも輝いているのが分かる。
「登頂を始めてからどのくらい経ちましたっけ?」
「数回の休憩時間を含めて約2日。階段がなければ1週間は確実にかかっていただろうな。階段を作ったエルフに感謝をしておこう」
「・・・・良かったな、ファルコ。最初から調べ直しはしなくて済みそうだぞ」
「そうだね、父さん」
階段を登り終えた俺達を待つように存在する巨大な神殿。作りは前世の学生時代の頃に世界史で見たコリント式という造りにとても良く似ている。
神に捧げるつもりで作ったのであろう神殿は、とても美しかった。例え、巻物に書かれた通りに天界に行けなかったとしても、登山して良かったと思える出来の神殿だ。
「・・・中に入って良いのかな?こういうのってあんまり中に入っちゃいけないんだよね?」
「中に入らずにどうやって祈りを捧げるっていうんですか。ほら、行きますよ」
世界遺産に土足で入り込んだからって後で怒られない・・・よね?
恐る恐る神殿の中へと入った。
「ナックル、『おちんちん』とは一体どういう意味なんだ?」
「随分可愛らしい響きだったけど・・・ファルコ?どうしてそんなに気まずそうな表情を浮かべているの?」
口にするのは、抵抗があったので、無言で股間に指差す。すると、ヘリナ先輩の顔はゆでだこのように赤く熱くなった。
「最っ低・・・」
「俺じゃないですからね!?」
「分かってるってば・・・ファルコはそういう時期は既に終わってるんでしょ?合計年齢60歳なんだし」
「まあ・・・前世で丁度この歳くらいには」
「早いな。私なんか、まだ使ってるぞ。部下に」
「その部下の性別は?」
「勿論、女だが?」
「今のうちに絶対やめておいた方が良いぞ、ドゥーク。時代が変われば訴えられるから」
「・・・説得力があるな。分かったよ」
まだ、セクハラに寛容で良かった。出なければ今頃ドラゴム家は終わっていた。
「隠し通路っていうよりも階段だな。だいぶ緩やかな」
「多分、神殿を作る物資を運ぶための配慮じゃないですあね?」
「異空間魔法があるというのにな」
「それは、ベルム族の魔法だろ」
「それもそうだったな」
階段を登りながら、左右の壁を見てみると、擦り傷ようなものがあるのが分かる。物を運んでいてぶつけてしまったのだろう。
「落下死の可能性もさっきまではあったのに、今じゃまるで心配ないね」
「はい。正直、これ以上ほぼ壁の山をよじ登るのは勘弁だったのでありがたいです」
緩やかな階段の為、頂上に着くのが遅い。緩やかな螺旋状に作られているようで、少し目が回ってきた。気のせいだと良いのだが。
約2時間くらい階段を登った所で、出口が見えてきた。暗いが、空に散りばめられた星が小さいながらも輝いているのが分かる。
「登頂を始めてからどのくらい経ちましたっけ?」
「数回の休憩時間を含めて約2日。階段がなければ1週間は確実にかかっていただろうな。階段を作ったエルフに感謝をしておこう」
「・・・・良かったな、ファルコ。最初から調べ直しはしなくて済みそうだぞ」
「そうだね、父さん」
階段を登り終えた俺達を待つように存在する巨大な神殿。作りは前世の学生時代の頃に世界史で見たコリント式という造りにとても良く似ている。
神に捧げるつもりで作ったのであろう神殿は、とても美しかった。例え、巻物に書かれた通りに天界に行けなかったとしても、登山して良かったと思える出来の神殿だ。
「・・・中に入って良いのかな?こういうのってあんまり中に入っちゃいけないんだよね?」
「中に入らずにどうやって祈りを捧げるっていうんですか。ほら、行きますよ」
世界遺産に土足で入り込んだからって後で怒られない・・・よね?
恐る恐る神殿の中へと入った。
11
お気に入りに追加
43
あなたにおすすめの小説
最強の回復魔法で、レベルアップ無双! 異常な速度でレベルアップで自由に冒険者をして、勇者よりも強くなります
おーちゃん
ファンタジー
俺は勇者パーティーに加入していて、勇者サリオス、大魔導士ジェンティル、剣士ムジカの3人パーティーの雑用係。雑用係で頑張る毎日であったものの、ある日勇者サリオスから殺されそうになる。俺を殺すのかよ!! もう役に立たないので、追放する気だったらしい。ダンジョンで殺される時に運良く命は助かる。ヒール魔法だけで冒険者として成り上がっていく。勇者サリオスに命を狙われつつも、生き延びていき、やがて俺のレベルは異常な速度で上がり、成長する。猫人、エルフ、ドワーフ族の女の子たちを仲間にしていきます。
外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!
武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生したユウトは、十三歳になり成人の儀式を受け神様からスキルを授かった。
しかし、授かったスキルは『レベル1』という聞いたこともないスキルだった。
『ハズレスキルだ!』
同世代の仲間からバカにされるが、ユウトが冒険者として活動を始めると『レベル1』はとんでもないチートスキルだった。ユウトは仲間と一緒にダンジョンを探索し成り上がっていく。
そんなユウトたちに一人の少女た頼み事をする。『お父さんを助けて!』
異世界転生したので、のんびり冒険したい!
藤なごみ
ファンタジー
アラサーのサラリーマンのサトーは、仕事帰りに道端にいた白い子犬を撫でていた所、事故に巻き込まれてしまい死んでしまった。
実は神様の眷属だった白い子犬にサトーの魂を神様の所に連れて行かれた事により、現世からの輪廻から外れてしまう。
そこで神様からお詫びとして異世界転生を進められ、異世界で生きて行く事になる。
異世界で冒険者をする事になったサトーだか、冒険者登録する前に王族を助けた事により、本人の意図とは関係なく様々な事件に巻き込まれていく。
貴族のしがらみに加えて、異世界を股にかける犯罪組織にも顔を覚えられ、悪戦苦闘する日々。
ちょっとチート気味な仲間に囲まれながらも、チームの頭脳としてサトーは事件に立ち向かって行きます。
いつか訪れるだろうのんびりと冒険をする事が出来る日々を目指して!
……何時になったらのんびり冒険できるのかな?
小説家になろう様とカクヨム様にも投稿しました(20220930)
異世界転生したらよくわからない騎士の家に生まれたので、とりあえず死なないように気をつけていたら無双してしまった件。
星の国のマジシャン
ファンタジー
引きこもりニート、40歳の俺が、皇帝に騎士として支える分家の貴族に転生。
そして魔法剣術学校の剣術科に通うことなるが、そこには波瀾万丈な物語が生まれる程の過酷な「必須科目」の数々が。
本家VS分家の「決闘」や、卒業と命を懸け必死で戦い抜く「魔物サバイバル」、さらには40年の弱男人生で味わったことのない甘酸っぱい青春群像劇やモテ期も…。
この世界を動かす、最大の敵にご注目ください!
レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル
異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった
孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた
そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた
その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。
5レベルになったら世界が変わりました
異世界転生!俺はここで生きていく
おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。
同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。
今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。
だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。
意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった!
魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。
俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。
それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ!
小説家になろうでも投稿しています。
メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。
宜しくお願いします。
社畜の俺の部屋にダンジョンの入り口が現れた!? ダンジョン配信で稼ぐのでブラック企業は辞めさせていただきます
さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。
冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。
底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。
そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。
部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。
ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。
『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!
ギルドから追放された実は究極の治癒魔法使い。それに気付いたギルドが崩壊仕掛かってるが、もう知らん。僕は美少女エルフと旅することにしたから。
yonechanish
ファンタジー
僕は治癒魔法使い。
子供の頃、僕は奴隷として売られていた。
そんな僕をギルドマスターが拾ってくれた。
だから、僕は自分に誓ったんだ。
ギルドのメンバーのために、生きるんだって。
でも、僕は皆の役に立てなかったみたい。
「クビ」
その言葉で、僕はギルドから追放された。
一人。
その日からギルドの崩壊が始まった。
僕の治癒魔法は地味だから、皆、僕がどれだけ役に立ったか知らなかったみたい。
だけど、もう遅いよ。
僕は僕なりの旅を始めたから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる