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5章 紛い物の神

228話 登山計画

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「ファルコのバカァ・・・」

「えっと、その・・・ごめんなさい?」

 伝え方が悪かったせいか、ヘリナ先輩は何か勘違いしてしまったらしい。後で、皆を帰らせたら期待していた事をさせてあげよう。

「で?何でこんな時間に呼んだわけ?それなりの理由があるんでしょうね」

「はい。実は、天使に会う方法を見つけました」

 何も事情を知らなかったヘリナ先輩、ナックル、ドゥークは驚く。

「天使?天使って僕達をこの世界に導いたあの天使であってますか?」

「その天使であってると思う。エルフの集落でその方法が分かったんだ」

「エルフの集落でか・・・妙に説得力があるな。だが、そんな奴らに会って何の意味がある?カートライト国王のはよく覚えている。天使たちも歴史改変魔法の効果が出ているんだろう?」

「そうだね。だけど、黒幕探しは俺達人間の力じゃ不可能だ。世界を管理している天使達もとい神に合って直接聞くほかないんだ」

「エルフでも分からなかったのか?」

「記憶が改変された違和感はあるらしいが、記憶から人がすっぽ抜けた感覚はないんだとよ」

「つまり、黒幕の正体はエルフではなく、別の種族・・・!?他に長寿の種族っていましたっけ?」

「エルフと同等又はそれ以上の寿命の種族をあげるとなると、ドラゴンや魔物になるな。とにかく、エルフじゃない事だけは分かった」

「ますます不気味ね・・・それじゃあ、準備してくる」

 立ち上がり、部屋を出ていこうとするヘリナ先輩。

「ヘリナ先輩?」

「一緒に来てほしいんでしょ?天使を探しに」

「はは、流石はヘリナ先輩。話す前に話がわかる人だ・・・ただ、ちょっと落ち着いてください。まだ行く場所を言ってないんで」

「そうだった。ちょっと焦り過ぎたかも」

 勘違いをまだ引きずっているみたいだ。別に暑くも寒くもないのに汗をかいている。

 ヘリナ先輩が俺の股の間に座り直したのを確認した後に話を再開する。

「場所はエンゼルマウンテン。場所はアレクサンダーの最西端にあるらしいです」

「エンゼルマウンテン?聞いた事がないな。エルフが付けた別名か?」

「エルゼルマウンテンとしか書いてなかったので、別名は分かりませんが、とても高い山らしいです」

「もしかして、シャックル山じゃないですかね?頂上の雲が天使の輪っかになってる山ですよ」

「あ~確かにあり得るかもな。標高めちゃ高くて高山病になる奴多発してるし、厳し過ぎて生き物住めないレベルだもんな。確かに天使達のいる天界に繋がってるかもな」

 エルゼルマウンテンという名前は、長老の友人が勝手につけた名前らしい。

「ただ、問題はそこだけじゃない。そんじょそこらの山とは訳が違うんだ」

「わ、訳が違うって?」

「登山するにも問題がありすぎる山なんだよ。シャックル山は」
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