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4章 偽りの歴史
162話 歓迎されたからには
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歓迎されているとはいえ、俺達はカートライト人だ。何百年にも渡って、ベルム族に対して心のない言葉を言い放ち、残虐の限りを尽くしてきた人間の形をした悪魔だ。
用意された仮住まいも質の悪いものなのだろう・・・と思っていた事をどうか謝罪させてもらいたい。
用意されていたのは、他の民家と変わらない木製の建物。そこでは、トルネヒロの人達が仲睦まじく暮らしていた。
「あっ!レボルスの人達だ!!」
「無事みたいだな」「おかえり~」
皆の笑みを見るに、酷い差別の被害は受けていないみたいだ。トルネヒロの民の中には、ベルム族がいるからだろうか?
「どうしてこんなに好待遇なんですか?」
と、ついてきていた兵士に聞いてみると─────。
「お前らの話は聞いている。そんな奴らに酷い扱いはできないさ。それに、ここで差別なんてしたら、お前らカートライト人と変わらないからな」
つまりは自分がされて嫌な事をするなという考えのわけだ。人間としての器がデカすぎる。はっきりいってカートライト人よりも遥かに人間している。
「それに、だ。俺達ベルムはただただ純粋に恨んでいるわけじゃない。お前らカートライトから学んだ事も多いからな。都市の建物に使われてる建造法とかな」
確かに、言われてみれば民家の作り方が似ている。戦争前には交流をしていたという証拠が物として残っている。
「だが、人間は十人十色。俺達のような柔軟な考え方を持っている者もいれば、学が無く、ただ憎しみだけを抱いている者もいる。俺達が近くにいる時は守ってやれるが、いつもいられるわけではない。自分の身は自分で守れよ?」
短い言葉ではあったものの、差別という概念の核心をズバリと突いている言葉だと思う。いよいよ、カートライトの教育方針が謎になってきた。
「来て早々早速で悪いのだが、お前らレボルスに依頼が来ている。ジャッジメントの貴重な畑を荒らす魔物の討伐だ。頼めるか?」
「任せて下さいよ!!全力で倒して見せます!!」
「俺たちA級冒険者の力をベルムの人達に見せてやろうぜ!!」
絶大なる歓迎と待遇にレボルスの冒険者は興奮が抑えられない様子。都市部から少し離れた位置に広大に広がっていた畑を指しているのだろう。
「で?一体どんな魔物なんだ?ネズミ系か?それとも、穀物を食い潰す昆虫系か?」
「いえ、竜です」
「「「「・・・え?」」」」」
今、なんて言った?
・・・竜って言ったのか?この世界の生態系のトップに君臨する種族の名前を口にしたのか?
「ベジタリアンドラゴンが食い尽くしているんだ。このままだと農家が大変なことになるから早急に討伐を頼む。頼んだぞ」
「何そのドラゴン・・・聞いたことない」
「アレクサンダーの固有種だ。頑張れよ?」
アレクサンダーは、魔境かもしれないと思った瞬間である。
用意された仮住まいも質の悪いものなのだろう・・・と思っていた事をどうか謝罪させてもらいたい。
用意されていたのは、他の民家と変わらない木製の建物。そこでは、トルネヒロの人達が仲睦まじく暮らしていた。
「あっ!レボルスの人達だ!!」
「無事みたいだな」「おかえり~」
皆の笑みを見るに、酷い差別の被害は受けていないみたいだ。トルネヒロの民の中には、ベルム族がいるからだろうか?
「どうしてこんなに好待遇なんですか?」
と、ついてきていた兵士に聞いてみると─────。
「お前らの話は聞いている。そんな奴らに酷い扱いはできないさ。それに、ここで差別なんてしたら、お前らカートライト人と変わらないからな」
つまりは自分がされて嫌な事をするなという考えのわけだ。人間としての器がデカすぎる。はっきりいってカートライト人よりも遥かに人間している。
「それに、だ。俺達ベルムはただただ純粋に恨んでいるわけじゃない。お前らカートライトから学んだ事も多いからな。都市の建物に使われてる建造法とかな」
確かに、言われてみれば民家の作り方が似ている。戦争前には交流をしていたという証拠が物として残っている。
「だが、人間は十人十色。俺達のような柔軟な考え方を持っている者もいれば、学が無く、ただ憎しみだけを抱いている者もいる。俺達が近くにいる時は守ってやれるが、いつもいられるわけではない。自分の身は自分で守れよ?」
短い言葉ではあったものの、差別という概念の核心をズバリと突いている言葉だと思う。いよいよ、カートライトの教育方針が謎になってきた。
「来て早々早速で悪いのだが、お前らレボルスに依頼が来ている。ジャッジメントの貴重な畑を荒らす魔物の討伐だ。頼めるか?」
「任せて下さいよ!!全力で倒して見せます!!」
「俺たちA級冒険者の力をベルムの人達に見せてやろうぜ!!」
絶大なる歓迎と待遇にレボルスの冒険者は興奮が抑えられない様子。都市部から少し離れた位置に広大に広がっていた畑を指しているのだろう。
「で?一体どんな魔物なんだ?ネズミ系か?それとも、穀物を食い潰す昆虫系か?」
「いえ、竜です」
「「「「・・・え?」」」」」
今、なんて言った?
・・・竜って言ったのか?この世界の生態系のトップに君臨する種族の名前を口にしたのか?
「ベジタリアンドラゴンが食い尽くしているんだ。このままだと農家が大変なことになるから早急に討伐を頼む。頼んだぞ」
「何そのドラゴン・・・聞いたことない」
「アレクサンダーの固有種だ。頑張れよ?」
アレクサンダーは、魔境かもしれないと思った瞬間である。
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