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3章 平和主義者達
132話 マリオネット
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「マリオネットダンス♡、相手の体を操る魔法よ♪今のヘリナちゃんにはもってこいの魔法ってわけ♡」
「アンタ正気か?戦いたくない人を戦わせるだなんて!!」
「ウチだって本当は戦わせたくないよ?けどね、このままだとヘリナちゃんがダメになっちゃう。ヘリナちゃん以外があなたを倒したら、一生引き摺っちゃうと思うの。だから、自分の手で大好きなあなたを殺させてあげようと思ったわけ♡」
「ちょっとその理屈は意味わからないけど・・・アンタの相手をしてる場合じゃないなっ!!」
体を大きく反り、ヘリナ先輩の大剣を避ける。大剣の振り方にまるで容赦がない。本当に彼女の意思はないみたいだ。
「ヘリナ先輩が俺を殺したら、罪悪感で押しつぶされちゃうじゃないかっ!!」
「大丈夫!心配しないで!貴方の枠にはウチがその間に入ってあげるから!貴方の分まで彼女を愛してあげるっ!!」
スノーテイルズの先輩冒険者達もそうだったけど、ヘリナ先輩からは、女性から可愛がられるオーラみたいなものでも出ているのだろうか?邪神の眷属というのが、ちっぽけな建前に聞こえてしまう。
「フゥゥゥゥ・・・アァァァァァァァァ!!」
無理やり操られている影響か、それとも、戦いたくないからか、涙を流しながら大剣を振るっているヘリナ先輩を見るのは辛い。
隙を見て、間合いを詰めて睡眠魔法で眠らせるしかない・・・!!
幸いな事に、俺はヘリナ先輩の大剣の振り方や癖をよく知っている。一撃でも当たれば死ぬのは確定な為、緊張感でヒヤヒヤが止まらないが、パターンが分かってるなら、遠距離型の俺でも。
「ふふ、余裕そうね。そうれっ!」
「あぁっっ!!」
大剣の重みに身を任せた見たことのない斬撃が俺の体を掠める。致命傷にはならなかったが、服と薄皮を斬られてしまった。
「マリオネットダンスは、意思を奪うだけじゃないわ!動きも自由自在なのよ!!貴方、操り人形で遊んだことはなくて?」
「あいにく、ずっと球遊びしてたもんでねっ!!」
まずい、完全に失念していた。毎度毎度決めつけは良くないと自分で言っているのにこのザマだ。不規則な攻撃だと、俺の勝機はないぞ・・・。
鉄球投げ、弓矢、ブーメラン等の遠距離武器には圧倒的な弱点がある。それは、致命的に近距離戦闘が弱いことだ。
弓矢は鏃で刺せば良い。ブーメランは鈍器として殴れば良い。鉄球も鈍器として使えるが、持ち手がない為、まるで効果がない。投げられてこそ、真の効果を発揮するんだ。
「アァッ!!」
また、不規則な斬撃。今度は俺を真っ二つに出来る所まで間合いを詰めている。魔法の盾は展開していない。無詠唱でも使えるけど、耐えられる自身がない。横に飛んで、難を逃れるか?確実に足を持っていかれるが、死ぬよりかはマシだ─────。
「佐久間さんっ!!」
避けようとしたその時、それの前に棍棒を手に取った青年が俺を庇うように立っていた。青年は、ヘリナ先輩の剣を受け止め、こちらの心配をしている。
「大丈夫でしたか!?」
「ナックル!!」
棍棒使いナックル・テラーの参上だ。
「アンタ正気か?戦いたくない人を戦わせるだなんて!!」
「ウチだって本当は戦わせたくないよ?けどね、このままだとヘリナちゃんがダメになっちゃう。ヘリナちゃん以外があなたを倒したら、一生引き摺っちゃうと思うの。だから、自分の手で大好きなあなたを殺させてあげようと思ったわけ♡」
「ちょっとその理屈は意味わからないけど・・・アンタの相手をしてる場合じゃないなっ!!」
体を大きく反り、ヘリナ先輩の大剣を避ける。大剣の振り方にまるで容赦がない。本当に彼女の意思はないみたいだ。
「ヘリナ先輩が俺を殺したら、罪悪感で押しつぶされちゃうじゃないかっ!!」
「大丈夫!心配しないで!貴方の枠にはウチがその間に入ってあげるから!貴方の分まで彼女を愛してあげるっ!!」
スノーテイルズの先輩冒険者達もそうだったけど、ヘリナ先輩からは、女性から可愛がられるオーラみたいなものでも出ているのだろうか?邪神の眷属というのが、ちっぽけな建前に聞こえてしまう。
「フゥゥゥゥ・・・アァァァァァァァァ!!」
無理やり操られている影響か、それとも、戦いたくないからか、涙を流しながら大剣を振るっているヘリナ先輩を見るのは辛い。
隙を見て、間合いを詰めて睡眠魔法で眠らせるしかない・・・!!
幸いな事に、俺はヘリナ先輩の大剣の振り方や癖をよく知っている。一撃でも当たれば死ぬのは確定な為、緊張感でヒヤヒヤが止まらないが、パターンが分かってるなら、遠距離型の俺でも。
「ふふ、余裕そうね。そうれっ!」
「あぁっっ!!」
大剣の重みに身を任せた見たことのない斬撃が俺の体を掠める。致命傷にはならなかったが、服と薄皮を斬られてしまった。
「マリオネットダンスは、意思を奪うだけじゃないわ!動きも自由自在なのよ!!貴方、操り人形で遊んだことはなくて?」
「あいにく、ずっと球遊びしてたもんでねっ!!」
まずい、完全に失念していた。毎度毎度決めつけは良くないと自分で言っているのにこのザマだ。不規則な攻撃だと、俺の勝機はないぞ・・・。
鉄球投げ、弓矢、ブーメラン等の遠距離武器には圧倒的な弱点がある。それは、致命的に近距離戦闘が弱いことだ。
弓矢は鏃で刺せば良い。ブーメランは鈍器として殴れば良い。鉄球も鈍器として使えるが、持ち手がない為、まるで効果がない。投げられてこそ、真の効果を発揮するんだ。
「アァッ!!」
また、不規則な斬撃。今度は俺を真っ二つに出来る所まで間合いを詰めている。魔法の盾は展開していない。無詠唱でも使えるけど、耐えられる自身がない。横に飛んで、難を逃れるか?確実に足を持っていかれるが、死ぬよりかはマシだ─────。
「佐久間さんっ!!」
避けようとしたその時、それの前に棍棒を手に取った青年が俺を庇うように立っていた。青年は、ヘリナ先輩の剣を受け止め、こちらの心配をしている。
「大丈夫でしたか!?」
「ナックル!!」
棍棒使いナックル・テラーの参上だ。
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