38 / 341
1章 投げる冒険者
37話 調査開始
しおりを挟む
その日から謎の魔物の追跡が始まった。北東地域に飛ぶタイプの魔物はいない為、調査はそこまで難しくは無かった。
まず手始めに次襲われる可能性のある村にヤマを張り、魔物の住処を特定する方法だ。
最初こそ上手くいかず、尻尾どころか羽一枚すら掴めなかったが、調査を始めてから襲われていった村から次に襲う村を予想。
俺の読みが正しければ、次はブカの村から近いフォーク村だろう。それにしても・・・。
「この地域、球種みたいな村名ばっかりだな」
俺の故郷はブカで反対からカーブだし、レートはストレートだし・・・いや、ストレートは若干こじつけかな?
フォーク村は近所という事もあり、ブカの村ととてもよく似ている。魔物から皆んなを守る兵士がいない所も共通している。そんな所まで似ていなくていいのに。
「おや、冒険者様。どうしてこんな所に?ここには魔物も盗賊も出ていませんよ?」
「ええ、ちょっと広範囲で行動している魔物の調査をしているだけです」
「噂の45人を殺した魔物ですか?う、うちの村にも来るのでしょうか?」
「ブカの村が襲われたんです。可能性はないわけではありません」
すでに依頼が始まってから6日が経過した。まだ、見つけてすらいない間に、謎の魔物は既に6人もの被害者を出してしまった。1日に1人の計算だ。中には帰省していた冒険者もいたらしい。
日に日に後悔と罪悪感が募っていくが、何も得られていないわけではない。謎の魔物の特徴が新たに分かった。
謎の魔物は、一回襲うごとに1人しか殺さないらしい。そして殺したら別の村に行く為、同じ村が連続で襲われる事はないのだとか。
北東にある町や村が多い事もあってか、まだ謎の魔物は全部の町や村を襲ったわけではないらしい。つまりは、襲撃1周目というわけだ。
そして、襲われていないのは、このフォーク村を含めた3つの村となる。フォーク村を選んだ理由は、前に襲われたん村から。
そして、母さんの言うとおり、謎の魔物は夜に現れて、人を殺す。つまりは昼間のうちは安全というわけだ。
「我々は、非難した方が良いでしょうか?」
「構いませんが、相手はまるで正体が分からない魔物です。もしかしたら、人間に匹敵する知能を持っているかも。そしたら、どうなると思います?」
「おおお追いかけて殺される・・・」
「はい、そうです。ああ、でも心配しないでください。今のはあくまで俺の推測ですので。ハハッ!!」
「ハ、ハハ!そうですか!ハハハハハ!!」
ちょっと笑えない冗談をかましてしまった。村人の笑みが引き攣っている。
まだ、太陽は沈まない。夜に備えて寝るとしよう。
まず手始めに次襲われる可能性のある村にヤマを張り、魔物の住処を特定する方法だ。
最初こそ上手くいかず、尻尾どころか羽一枚すら掴めなかったが、調査を始めてから襲われていった村から次に襲う村を予想。
俺の読みが正しければ、次はブカの村から近いフォーク村だろう。それにしても・・・。
「この地域、球種みたいな村名ばっかりだな」
俺の故郷はブカで反対からカーブだし、レートはストレートだし・・・いや、ストレートは若干こじつけかな?
フォーク村は近所という事もあり、ブカの村ととてもよく似ている。魔物から皆んなを守る兵士がいない所も共通している。そんな所まで似ていなくていいのに。
「おや、冒険者様。どうしてこんな所に?ここには魔物も盗賊も出ていませんよ?」
「ええ、ちょっと広範囲で行動している魔物の調査をしているだけです」
「噂の45人を殺した魔物ですか?う、うちの村にも来るのでしょうか?」
「ブカの村が襲われたんです。可能性はないわけではありません」
すでに依頼が始まってから6日が経過した。まだ、見つけてすらいない間に、謎の魔物は既に6人もの被害者を出してしまった。1日に1人の計算だ。中には帰省していた冒険者もいたらしい。
日に日に後悔と罪悪感が募っていくが、何も得られていないわけではない。謎の魔物の特徴が新たに分かった。
謎の魔物は、一回襲うごとに1人しか殺さないらしい。そして殺したら別の村に行く為、同じ村が連続で襲われる事はないのだとか。
北東にある町や村が多い事もあってか、まだ謎の魔物は全部の町や村を襲ったわけではないらしい。つまりは、襲撃1周目というわけだ。
そして、襲われていないのは、このフォーク村を含めた3つの村となる。フォーク村を選んだ理由は、前に襲われたん村から。
そして、母さんの言うとおり、謎の魔物は夜に現れて、人を殺す。つまりは昼間のうちは安全というわけだ。
「我々は、非難した方が良いでしょうか?」
「構いませんが、相手はまるで正体が分からない魔物です。もしかしたら、人間に匹敵する知能を持っているかも。そしたら、どうなると思います?」
「おおお追いかけて殺される・・・」
「はい、そうです。ああ、でも心配しないでください。今のはあくまで俺の推測ですので。ハハッ!!」
「ハ、ハハ!そうですか!ハハハハハ!!」
ちょっと笑えない冗談をかましてしまった。村人の笑みが引き攣っている。
まだ、太陽は沈まない。夜に備えて寝るとしよう。
61
お気に入りに追加
43
あなたにおすすめの小説
最強の回復魔法で、レベルアップ無双! 異常な速度でレベルアップで自由に冒険者をして、勇者よりも強くなります
おーちゃん
ファンタジー
俺は勇者パーティーに加入していて、勇者サリオス、大魔導士ジェンティル、剣士ムジカの3人パーティーの雑用係。雑用係で頑張る毎日であったものの、ある日勇者サリオスから殺されそうになる。俺を殺すのかよ!! もう役に立たないので、追放する気だったらしい。ダンジョンで殺される時に運良く命は助かる。ヒール魔法だけで冒険者として成り上がっていく。勇者サリオスに命を狙われつつも、生き延びていき、やがて俺のレベルは異常な速度で上がり、成長する。猫人、エルフ、ドワーフ族の女の子たちを仲間にしていきます。
外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!
武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生したユウトは、十三歳になり成人の儀式を受け神様からスキルを授かった。
しかし、授かったスキルは『レベル1』という聞いたこともないスキルだった。
『ハズレスキルだ!』
同世代の仲間からバカにされるが、ユウトが冒険者として活動を始めると『レベル1』はとんでもないチートスキルだった。ユウトは仲間と一緒にダンジョンを探索し成り上がっていく。
そんなユウトたちに一人の少女た頼み事をする。『お父さんを助けて!』
レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル
異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった
孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた
そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた
その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。
5レベルになったら世界が変わりました
異世界転生したので、のんびり冒険したい!
藤なごみ
ファンタジー
アラサーのサラリーマンのサトーは、仕事帰りに道端にいた白い子犬を撫でていた所、事故に巻き込まれてしまい死んでしまった。
実は神様の眷属だった白い子犬にサトーの魂を神様の所に連れて行かれた事により、現世からの輪廻から外れてしまう。
そこで神様からお詫びとして異世界転生を進められ、異世界で生きて行く事になる。
異世界で冒険者をする事になったサトーだか、冒険者登録する前に王族を助けた事により、本人の意図とは関係なく様々な事件に巻き込まれていく。
貴族のしがらみに加えて、異世界を股にかける犯罪組織にも顔を覚えられ、悪戦苦闘する日々。
ちょっとチート気味な仲間に囲まれながらも、チームの頭脳としてサトーは事件に立ち向かって行きます。
いつか訪れるだろうのんびりと冒険をする事が出来る日々を目指して!
……何時になったらのんびり冒険できるのかな?
小説家になろう様とカクヨム様にも投稿しました(20220930)
異世界転生したらよくわからない騎士の家に生まれたので、とりあえず死なないように気をつけていたら無双してしまった件。
星の国のマジシャン
ファンタジー
引きこもりニート、40歳の俺が、皇帝に騎士として支える分家の貴族に転生。
そして魔法剣術学校の剣術科に通うことなるが、そこには波瀾万丈な物語が生まれる程の過酷な「必須科目」の数々が。
本家VS分家の「決闘」や、卒業と命を懸け必死で戦い抜く「魔物サバイバル」、さらには40年の弱男人生で味わったことのない甘酸っぱい青春群像劇やモテ期も…。
この世界を動かす、最大の敵にご注目ください!
ギルドから追放された実は究極の治癒魔法使い。それに気付いたギルドが崩壊仕掛かってるが、もう知らん。僕は美少女エルフと旅することにしたから。
yonechanish
ファンタジー
僕は治癒魔法使い。
子供の頃、僕は奴隷として売られていた。
そんな僕をギルドマスターが拾ってくれた。
だから、僕は自分に誓ったんだ。
ギルドのメンバーのために、生きるんだって。
でも、僕は皆の役に立てなかったみたい。
「クビ」
その言葉で、僕はギルドから追放された。
一人。
その日からギルドの崩壊が始まった。
僕の治癒魔法は地味だから、皆、僕がどれだけ役に立ったか知らなかったみたい。
だけど、もう遅いよ。
僕は僕なりの旅を始めたから。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
異世界転生!俺はここで生きていく
おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。
同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。
今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。
だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。
意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった!
魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。
俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。
それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ!
小説家になろうでも投稿しています。
メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。
宜しくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる