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最終章 今こそ復讐の時
第十六話 好きは止まらない
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「久しぶりだな!クソ女神!会いたくて会いたくて仕方なかったぜ!!」
「私だ!裏切者!!今日こそ我が手で捻り潰してやる!!」
標準語であった敬語まで忘れる程、怒りで我を忘れてしまっているようだ。上から降りてくる幸助を迎え撃とうと構える・・・が。
金属を弾音と共に幸助の落下は中途半端な位置で止まってしまう。止まった原因は幸助のすぐ目の前にあった。
「アモーラ様に・・・刃を向けるな下等生物が!!」
原因は割って入ってきた天使が幸助の一撃を光の剣で防いだだけだった。その後押し返された幸助は五点着地で安全に地面に降り立ち剣を構える。
「おい、天使。俺の復讐を邪魔するのか?」
「当たり前だクズが!アモーラ様はな!お前みたいなヤツが触れて良いお人ではないんだよ!そもそも姿を現す事自体が異例と言っても過言ではない!しっかりとその目に焼き付けておけよ?人間!」
口調の強さから鑑みるに、割って入ってきた天使は相当アモーラにお熱のようで、アモーラ狂信者と同様の雰囲気を出している。狂信者に酷い目に遭わされた事がある幸助は無意識に天使に嫌悪感を抱いた。
「ソイツが何したのか知っているのか?」
「ああ、知ってるさ。お前を病気で殺した事も勿論。だが、何故怒っているのか到底理解できない。だって、アモーラ様に会えたのだぞ?こんなにも美しく優しい神に。殺されたとしてもお釣りがたんまり出る程の喜びのはずだ」
狂信者に似ていると言ったが、それ以上の逸材かもしれない。種族が違うからとかの問題ではなく、価値観が根本的に違うようだ。こういうタイプには何言っても自分の意見は曲げない。元の世界にもいたタイプなのでよく知っている。
「ラヴ姉さんも裏切りやがって・・・何を考えているんだ!アモーラ様を裏切るだなんて!」
よく似ていると思っていたが、目の前の天使は本当にラヴさんと姉妹関係にあるようだ。俺を間に入れて口喧嘩を始める。
「ライク!聞いて!裏切るしかなかったの!元のアモーラ様に戻すためには!」
「元のアモーラ様?まだ、駆け出しだった頃のアモーラ様に?つまり力を失い堕落して欲しかったってわけか!」
「違う!私が言いたいのはそう言う事じゃないの!元の優しいアモーラ様に戻ってほしいの!」
「今も十分に優しい!何が不満なんだ!」
「暴力を内包している優しさのどこが良いの?アモーラ様は人類の純粋な愛を願う思いによって生まれた神様なんだよ!そんな神が愛の為に暴力を振るうなんて間違ってる!自分の偉大さを証明する為に武力行使なんて間違ってる!その先に本当の愛なんてものはないのに・・・」
「いいや、姉さんは間違っている。愛にはね、時には暴力が必要不可欠なんだ。振るわなければ気づかない下等生物がたくさんいるから。だから、アモーラ様は仕方なく暴力を─────」
「あのー、そろそろ口喧嘩するのやめてもらってもよろしいでしょうか?」
姉妹の口喧嘩に横入りしてきたのは間に立たされていた幸助。額と拳には血管が浮き出ており、早い間隔で足踏みをしている。剣を握る手の平からは出血を起こしている。
「俺さ、アンタらの口喧嘩聞きにきたわけじゃないんだよね。俺がしにきたのは復讐。憎きアモーラをぶちのめす為に来たの。だからさっさと終わらせてくれない?」
対象を目の前に我慢が効かなくなってしまっているようで、言動の端々に怒りが見え隠れしている。天使ライクも幸助が怒っている事には気づいていたようで、その怒りを煽るように鼻で笑い、見下す。
「早く終わらせろ、だと?誰に向かって口を聞いているんだ下等生物。身分を弁えろ。私は天使、お前らの上に立つものだぞ?」
「それがどうした?戦いに身分なんて関係ねぇ。必要なのは力と技術だ」
「その力と技術も私達の方が上回ってるんだよな~」
紛れもない事実である。スペック的に見たら、幸助が勝てる可能性は無いに等しい。それなのに、幸助は以前余裕の笑みを浮かべているのはどこが不気味さを感じる。
「何を企んでいる?まあ、企んだ程度で私に勝てるはずはないさ」
「いや、ただ1つだけ言い忘れていた事があってついつい笑っちまったんだ。戦闘に必要なものをね。何だと思う?」
「そんなの知る必要はない。しっかりと心で理解しているからな」
「そっか・・・じゃあ、言わなくても大丈夫だよね。後ろに姿を消したお前の敵がいるって事は」
「何っ!!」
確認する為に振り帰ろうとするが、顎が肩まで到達した途端、背中に刺されたような痛みと殴られた痛みが同時に襲ってきてしまう。同然の衝撃に驚きながらライクは地面に倒れ伏した。
「あわわ!コウスケ君!本当に良かったのかな!天使さん殴っちゃって!!ワタシこれでも元アモーラ教なんだけども!」
何もない場所からゆっくりと頭から姿を現したのは僧侶風の服装の長身の女ボニー・カエターニだった。アモーラは元アモーラ教徒だからか、ボニーの事を知っているようで表情が歪む。
「大丈夫!大丈夫!他の神からはアモーラを止めろって言われてんだし、多少は手荒い方法でやっても怒られないって!」
「拙者もそう思う。いわばこの者達は自分の力に溺れた愚か者。切っても仏とらこる様が許してくれるだろう」
「それじゃあ、これから思い切り殴ってやろうぜ!!」
次は蘭丸とメアリーが幸助の後ろから姿を現すと、刀と拳を構える。同時にライクも立ち上がった。
「頭に乗るなよ!下等生物がぁ!!」
「いや、申し訳ないけどまだまだ乗らせてもらうよ」
「私だ!裏切者!!今日こそ我が手で捻り潰してやる!!」
標準語であった敬語まで忘れる程、怒りで我を忘れてしまっているようだ。上から降りてくる幸助を迎え撃とうと構える・・・が。
金属を弾音と共に幸助の落下は中途半端な位置で止まってしまう。止まった原因は幸助のすぐ目の前にあった。
「アモーラ様に・・・刃を向けるな下等生物が!!」
原因は割って入ってきた天使が幸助の一撃を光の剣で防いだだけだった。その後押し返された幸助は五点着地で安全に地面に降り立ち剣を構える。
「おい、天使。俺の復讐を邪魔するのか?」
「当たり前だクズが!アモーラ様はな!お前みたいなヤツが触れて良いお人ではないんだよ!そもそも姿を現す事自体が異例と言っても過言ではない!しっかりとその目に焼き付けておけよ?人間!」
口調の強さから鑑みるに、割って入ってきた天使は相当アモーラにお熱のようで、アモーラ狂信者と同様の雰囲気を出している。狂信者に酷い目に遭わされた事がある幸助は無意識に天使に嫌悪感を抱いた。
「ソイツが何したのか知っているのか?」
「ああ、知ってるさ。お前を病気で殺した事も勿論。だが、何故怒っているのか到底理解できない。だって、アモーラ様に会えたのだぞ?こんなにも美しく優しい神に。殺されたとしてもお釣りがたんまり出る程の喜びのはずだ」
狂信者に似ていると言ったが、それ以上の逸材かもしれない。種族が違うからとかの問題ではなく、価値観が根本的に違うようだ。こういうタイプには何言っても自分の意見は曲げない。元の世界にもいたタイプなのでよく知っている。
「ラヴ姉さんも裏切りやがって・・・何を考えているんだ!アモーラ様を裏切るだなんて!」
よく似ていると思っていたが、目の前の天使は本当にラヴさんと姉妹関係にあるようだ。俺を間に入れて口喧嘩を始める。
「ライク!聞いて!裏切るしかなかったの!元のアモーラ様に戻すためには!」
「元のアモーラ様?まだ、駆け出しだった頃のアモーラ様に?つまり力を失い堕落して欲しかったってわけか!」
「違う!私が言いたいのはそう言う事じゃないの!元の優しいアモーラ様に戻ってほしいの!」
「今も十分に優しい!何が不満なんだ!」
「暴力を内包している優しさのどこが良いの?アモーラ様は人類の純粋な愛を願う思いによって生まれた神様なんだよ!そんな神が愛の為に暴力を振るうなんて間違ってる!自分の偉大さを証明する為に武力行使なんて間違ってる!その先に本当の愛なんてものはないのに・・・」
「いいや、姉さんは間違っている。愛にはね、時には暴力が必要不可欠なんだ。振るわなければ気づかない下等生物がたくさんいるから。だから、アモーラ様は仕方なく暴力を─────」
「あのー、そろそろ口喧嘩するのやめてもらってもよろしいでしょうか?」
姉妹の口喧嘩に横入りしてきたのは間に立たされていた幸助。額と拳には血管が浮き出ており、早い間隔で足踏みをしている。剣を握る手の平からは出血を起こしている。
「俺さ、アンタらの口喧嘩聞きにきたわけじゃないんだよね。俺がしにきたのは復讐。憎きアモーラをぶちのめす為に来たの。だからさっさと終わらせてくれない?」
対象を目の前に我慢が効かなくなってしまっているようで、言動の端々に怒りが見え隠れしている。天使ライクも幸助が怒っている事には気づいていたようで、その怒りを煽るように鼻で笑い、見下す。
「早く終わらせろ、だと?誰に向かって口を聞いているんだ下等生物。身分を弁えろ。私は天使、お前らの上に立つものだぞ?」
「それがどうした?戦いに身分なんて関係ねぇ。必要なのは力と技術だ」
「その力と技術も私達の方が上回ってるんだよな~」
紛れもない事実である。スペック的に見たら、幸助が勝てる可能性は無いに等しい。それなのに、幸助は以前余裕の笑みを浮かべているのはどこが不気味さを感じる。
「何を企んでいる?まあ、企んだ程度で私に勝てるはずはないさ」
「いや、ただ1つだけ言い忘れていた事があってついつい笑っちまったんだ。戦闘に必要なものをね。何だと思う?」
「そんなの知る必要はない。しっかりと心で理解しているからな」
「そっか・・・じゃあ、言わなくても大丈夫だよね。後ろに姿を消したお前の敵がいるって事は」
「何っ!!」
確認する為に振り帰ろうとするが、顎が肩まで到達した途端、背中に刺されたような痛みと殴られた痛みが同時に襲ってきてしまう。同然の衝撃に驚きながらライクは地面に倒れ伏した。
「あわわ!コウスケ君!本当に良かったのかな!天使さん殴っちゃって!!ワタシこれでも元アモーラ教なんだけども!」
何もない場所からゆっくりと頭から姿を現したのは僧侶風の服装の長身の女ボニー・カエターニだった。アモーラは元アモーラ教徒だからか、ボニーの事を知っているようで表情が歪む。
「大丈夫!大丈夫!他の神からはアモーラを止めろって言われてんだし、多少は手荒い方法でやっても怒られないって!」
「拙者もそう思う。いわばこの者達は自分の力に溺れた愚か者。切っても仏とらこる様が許してくれるだろう」
「それじゃあ、これから思い切り殴ってやろうぜ!!」
次は蘭丸とメアリーが幸助の後ろから姿を現すと、刀と拳を構える。同時にライクも立ち上がった。
「頭に乗るなよ!下等生物がぁ!!」
「いや、申し訳ないけどまだまだ乗らせてもらうよ」
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