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三章 黄金の愛と銀の翼の騎士、2人ともぶっ殺す
第三十七話 息を合わせて倒せ!倒せ!
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「めありー。気持ちは分かるが、ここは拙者にやらせてはもらえぬだろうか?」
「嫌だね。あんたにはメチャクチャ世話になってるが、これだけは譲れねえ。アタシだって、タイマンでやりたいんだ。我慢しろ」
「・・・承知」
「それに今は、復讐じゃなくて、あのクズを逮捕する事が優先だ。殺すなよ?」
「・・・・・・承知」
相談が終わり、上を見上げると、鎧で重いはずの身体を持ち上げ、ジャンプ斬りを試みるピピンがいた。
「でりゃあああああ!!」
あまりにも大振りで、不意打ちでなければ当たらなかっただろうが、もし当たっていたら即死していただろう。
「めありー!」
「はいよ!───『ビルドアップ』!」
流石、死の危険を何度も潜り抜けた仲間と言った所だろうか。先程まで(大した事ではないが)揉めていたにも関わらず、素晴らしい連携をピピンに見せつける。
元から鍛えてある蘭丸の筋肉に更に筋肉が付け加えられる。ほんの一瞬だが、筋肉が木のように太くなり、皮膚を軋ませる。腕の皮膚に痛みを感じながらも、重く鋭い一撃をピピンの胸へと叩き入れた。
「悪い!増強しすぎた!大丈夫か!?」
「大丈夫だ。今よりも身体の耐久性が低かったら耐えきれなかっただろうがな。れべるあっぷに感謝だな」
身体に影響を及ぼすエンチャントには限界がある。その限界は人によって異なり、限界値はレベルアップによる身体と身体能力の向上による上がる。
レベルアップがスロータイプなのにレベルが24に達している蘭丸は耐える事ができたが、まだレベルも耐久力も心許ないメアリーだったら、今頃皮膚が裂けていただろう。
そんな痛い思いをして放った攻撃は、鎧によって、ほとんど無かった事にされてしまった。
「む・・・これでも駄目か・・・なら・・・めありー!!」
腰に帯びていたサーベルを抜き、メアリーに向かって叫ぶ。すると、笑顔で魔術を使う準備を始めた。
「おっ!あれか!!良いねぇ~~アタシあれ好きなんだよな!!──────『サンダーエンチャント』!!」
蘭丸の愛刀とサーベルに魔術で作られた雷が宿る。自慢の足の筋肉で跳ねると、宙で横回転し、そのままピピンへと向かっていく。
「雷獨楽!!」
技名の通り、今の蘭丸は大きな殺人コマそのもの。切れ味の良い二本に加え、雷を纏っており、生物に攻撃するにはもってこいの技である・・・ピピンが特殊な鎧を着ていなければ・・・。
「ハハハハ!!無駄無駄!アモーラ様から授かった鎧をそんな弱っちい攻撃と雷で貫通するなんて不可能!!」
「くっ・・・!初めて試す技だったのだが・・・」
「わりぃ、そういえばアイツの鎧、魔術効かない事言うの忘れてた・・・」
「そのような情報は戦う前に言って欲しい・・・だが、そんなに良い鎧を装備しているというのに、何故あやつは攻守に優れた構えを取っているんだ?」
異世界にやってきて様々な剣術を見てきたお陰で目が肥えた蘭丸には分かる。魔術を弾く能力と頑丈性を誇る鎧を着ているにも関わらず、攻守のバランスを考えた剣の構えをしていると。西洋の剣術を日本の剣術で例えるのは些か違和感を感じるが、例えるなら剣道の中段だろうか?特に特出してはいないが、バランスが保てており、一番使いやすい構え。ピピンは中段に似た構えをしていた。
蘭丸は首を傾げた。どうしてそんなに素晴らしい防御力を持っているというのに、攻めの構えを取らないのだろうか?と。防御に不安を抱いているのだろうか?それとも、クセだろうか?考えられるのは前者だろう。ピピンは堕ちたが、その実力は本物。クセで構えを変えないなんてありえない。きっと、構えには理由があるはずだ。その理由を知る為にもまず──────
「その構え、崩させてもらおう!!」
「くぅ・・・!!」
隙が無いなら作れば良い。誰がこんな良い言葉を言ったのだろうか。刀身の強度に不安がある蘭丸はフェイントを使った隙を作る戦法を用いる。胴を攻撃すると見せかけて籠手、頭を斬ると見せかけて胴と言った感じで、ペースを奪い、隙を生みだす。
数十秒後、隙は生み出され、一瞬だが、バランス重視の構えが崩れる。崩れた瞬間に見えた胴に構えの秘密が隠されていた。ぽっかりと金色の鎧に開く穴。穴からは暗くてよく見ることができなかったが、素肌のような明らかに鎖帷子ではないモノがあった。
「そうか・・・お主、その穴を隠す為にわざわざ攻守に堅実な構えを取っていたんだな」
「ぎくぅ・・・!!そ、そんなわけ・・・」
「あぁ~~!忘れてたぜ!!そういえば、アタシのパンチでコイツの鎧に穴を開けたんだっけ!!」
「だからそういう大事な情報は戦う前に教えろ!!」
もっと早く言ってくれていれば戦闘の長引かせずに、先に行った幸助達と合流出来たのに、と後悔のため息を吐く蘭丸だが、メアリーが戦闘時間短縮の為の弱点を作ってくれた事には変わりはない。
勝ち筋は見えた。後は突き進むのみ。
「めありー!息を合わせろ!!」
「おう!!任せとけ!!ランマル!!」
「嫌だね。あんたにはメチャクチャ世話になってるが、これだけは譲れねえ。アタシだって、タイマンでやりたいんだ。我慢しろ」
「・・・承知」
「それに今は、復讐じゃなくて、あのクズを逮捕する事が優先だ。殺すなよ?」
「・・・・・・承知」
相談が終わり、上を見上げると、鎧で重いはずの身体を持ち上げ、ジャンプ斬りを試みるピピンがいた。
「でりゃあああああ!!」
あまりにも大振りで、不意打ちでなければ当たらなかっただろうが、もし当たっていたら即死していただろう。
「めありー!」
「はいよ!───『ビルドアップ』!」
流石、死の危険を何度も潜り抜けた仲間と言った所だろうか。先程まで(大した事ではないが)揉めていたにも関わらず、素晴らしい連携をピピンに見せつける。
元から鍛えてある蘭丸の筋肉に更に筋肉が付け加えられる。ほんの一瞬だが、筋肉が木のように太くなり、皮膚を軋ませる。腕の皮膚に痛みを感じながらも、重く鋭い一撃をピピンの胸へと叩き入れた。
「悪い!増強しすぎた!大丈夫か!?」
「大丈夫だ。今よりも身体の耐久性が低かったら耐えきれなかっただろうがな。れべるあっぷに感謝だな」
身体に影響を及ぼすエンチャントには限界がある。その限界は人によって異なり、限界値はレベルアップによる身体と身体能力の向上による上がる。
レベルアップがスロータイプなのにレベルが24に達している蘭丸は耐える事ができたが、まだレベルも耐久力も心許ないメアリーだったら、今頃皮膚が裂けていただろう。
そんな痛い思いをして放った攻撃は、鎧によって、ほとんど無かった事にされてしまった。
「む・・・これでも駄目か・・・なら・・・めありー!!」
腰に帯びていたサーベルを抜き、メアリーに向かって叫ぶ。すると、笑顔で魔術を使う準備を始めた。
「おっ!あれか!!良いねぇ~~アタシあれ好きなんだよな!!──────『サンダーエンチャント』!!」
蘭丸の愛刀とサーベルに魔術で作られた雷が宿る。自慢の足の筋肉で跳ねると、宙で横回転し、そのままピピンへと向かっていく。
「雷獨楽!!」
技名の通り、今の蘭丸は大きな殺人コマそのもの。切れ味の良い二本に加え、雷を纏っており、生物に攻撃するにはもってこいの技である・・・ピピンが特殊な鎧を着ていなければ・・・。
「ハハハハ!!無駄無駄!アモーラ様から授かった鎧をそんな弱っちい攻撃と雷で貫通するなんて不可能!!」
「くっ・・・!初めて試す技だったのだが・・・」
「わりぃ、そういえばアイツの鎧、魔術効かない事言うの忘れてた・・・」
「そのような情報は戦う前に言って欲しい・・・だが、そんなに良い鎧を装備しているというのに、何故あやつは攻守に優れた構えを取っているんだ?」
異世界にやってきて様々な剣術を見てきたお陰で目が肥えた蘭丸には分かる。魔術を弾く能力と頑丈性を誇る鎧を着ているにも関わらず、攻守のバランスを考えた剣の構えをしていると。西洋の剣術を日本の剣術で例えるのは些か違和感を感じるが、例えるなら剣道の中段だろうか?特に特出してはいないが、バランスが保てており、一番使いやすい構え。ピピンは中段に似た構えをしていた。
蘭丸は首を傾げた。どうしてそんなに素晴らしい防御力を持っているというのに、攻めの構えを取らないのだろうか?と。防御に不安を抱いているのだろうか?それとも、クセだろうか?考えられるのは前者だろう。ピピンは堕ちたが、その実力は本物。クセで構えを変えないなんてありえない。きっと、構えには理由があるはずだ。その理由を知る為にもまず──────
「その構え、崩させてもらおう!!」
「くぅ・・・!!」
隙が無いなら作れば良い。誰がこんな良い言葉を言ったのだろうか。刀身の強度に不安がある蘭丸はフェイントを使った隙を作る戦法を用いる。胴を攻撃すると見せかけて籠手、頭を斬ると見せかけて胴と言った感じで、ペースを奪い、隙を生みだす。
数十秒後、隙は生み出され、一瞬だが、バランス重視の構えが崩れる。崩れた瞬間に見えた胴に構えの秘密が隠されていた。ぽっかりと金色の鎧に開く穴。穴からは暗くてよく見ることができなかったが、素肌のような明らかに鎖帷子ではないモノがあった。
「そうか・・・お主、その穴を隠す為にわざわざ攻守に堅実な構えを取っていたんだな」
「ぎくぅ・・・!!そ、そんなわけ・・・」
「あぁ~~!忘れてたぜ!!そういえば、アタシのパンチでコイツの鎧に穴を開けたんだっけ!!」
「だからそういう大事な情報は戦う前に教えろ!!」
もっと早く言ってくれていれば戦闘の長引かせずに、先に行った幸助達と合流出来たのに、と後悔のため息を吐く蘭丸だが、メアリーが戦闘時間短縮の為の弱点を作ってくれた事には変わりはない。
勝ち筋は見えた。後は突き進むのみ。
「めありー!息を合わせろ!!」
「おう!!任せとけ!!ランマル!!」
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