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二章 濡れ衣の男を救え!!
第三十三話 とりあえず、一旦落ち着こう
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「・・・・・・」
「・・・・・・」
俺と蘭丸さんの間に静寂が生まれる。仕方のない事だろう。今まで一緒に戦っていた仲間がかつて、愛していた武将の子孫だと知らされたのだから黙るのも普通だろう。
俺さえも知らなかった。あまり子孫に興味が無かったので調べた事が無かったのだ。
「な、なあ、幸助・・・さっきのじぇいく殿に憑依していた神が言っていた事は誠なのか?それとも偽りなのか?」
静寂を破ったのは蘭丸さんだった。凄い気まずそうだ。
「俺にも分からないです・・・あ」
そう思った次の瞬間、俺が8歳の頃に死んでしまった母方の祖母の旧姓を思い出した。確か祖母の旧姓は──────
「尾田だったっけ」
「何か知っているのか?」
「そういえば、母方のおばあちゃんの旧姓が確か尾田でした。もしかしたら母方の血なのかもしれない」
「そ、そうなのか・・・」
すると、何を考えているのか、蘭丸さんが俺の顔をガン見してきた。尾田信菜と似ているのだろうか?
「全然似ていない・・・それも致し方なしか・・・何せ、お主の生きていた時代と拙者が生きていた時代はかけ離れているからな」
「では、信じませんか?ジェイクさんに憑依したメモリアン様の発言」
「いや、信じる。何せ、拙者の記憶を元に戻してくれたのだからな。そして幸助、お主は拙者が守る」
「まだ尾田信菜の子孫だって確定したわけじゃないですよ?」
「それでもだ。お主には返し切れない恩があるしな」
俺に向かって、右手を差し出してくる蘭丸さん。俺はその手を力強く握り返した。
「これからもよろしく頼む」
「・・・はい!」
真偽は定かではないが、例え嘘だろうと俺と蘭丸さんの関係は壊れる事はない。そのくらい、俺らの絆は固く結ばれているのだ。
「う・・・ううん・・・あれ?俺、寝てた?」
数分後、憑依されていたジェイクさんが目を覚ます。気だるそうに起き上がったジェイクさんは背伸びをし、欠伸をした。
「俺、何分ぐらい寝てました?」
「10分ぐらいじゃないですかね?それよりもジェイクさん、これから先どうするんですか?」
「どうするって?」
「免罪になってジャバに戻って来たジェイクさんにはいっぱい選択肢があるんですよ、そろそろ選んで進んでいかなくちゃ」
ジェイクさんは地下牢獄に投獄されてしまった事により、ギルドから解雇されてしまっている。晴れて冤罪が認められた現在は冒険者ギルドに戻る事もできるし、城下町を出て別の場所へ行くこともできる。大金も手に入ったんだし、いっそ隠居も悪くないかもしれない。土地代や物価が安い土地でなら十分暮らしていける額をジェイクさんは貰っている。最も、決めるのはジェイクさんだが──────
「え?そんなの決まってるだろ。この町に残って冒険者を続けるさ」
「え~~意外。仕方がないとは言え、貴方を裏切ったギルドですよ?居心地とか悪く感じないんですか?」
「居心地の悪さは感じないかな?顔なじみの冒険者も何人もいるし、それにコウスケ達もいるしね」
「そうですか・・・それじゃあ、これからは冒険者としてよろしくお願いします!!」
「おう!!こちらこそ、よろしくな!!」
こうしてジェイクさんの冒険者生活は再スタートを切り、俺達アモーラ復讐組はまた大きく前進を果たしたのであった。
~第二章 完~
「・・・・・・」
俺と蘭丸さんの間に静寂が生まれる。仕方のない事だろう。今まで一緒に戦っていた仲間がかつて、愛していた武将の子孫だと知らされたのだから黙るのも普通だろう。
俺さえも知らなかった。あまり子孫に興味が無かったので調べた事が無かったのだ。
「な、なあ、幸助・・・さっきのじぇいく殿に憑依していた神が言っていた事は誠なのか?それとも偽りなのか?」
静寂を破ったのは蘭丸さんだった。凄い気まずそうだ。
「俺にも分からないです・・・あ」
そう思った次の瞬間、俺が8歳の頃に死んでしまった母方の祖母の旧姓を思い出した。確か祖母の旧姓は──────
「尾田だったっけ」
「何か知っているのか?」
「そういえば、母方のおばあちゃんの旧姓が確か尾田でした。もしかしたら母方の血なのかもしれない」
「そ、そうなのか・・・」
すると、何を考えているのか、蘭丸さんが俺の顔をガン見してきた。尾田信菜と似ているのだろうか?
「全然似ていない・・・それも致し方なしか・・・何せ、お主の生きていた時代と拙者が生きていた時代はかけ離れているからな」
「では、信じませんか?ジェイクさんに憑依したメモリアン様の発言」
「いや、信じる。何せ、拙者の記憶を元に戻してくれたのだからな。そして幸助、お主は拙者が守る」
「まだ尾田信菜の子孫だって確定したわけじゃないですよ?」
「それでもだ。お主には返し切れない恩があるしな」
俺に向かって、右手を差し出してくる蘭丸さん。俺はその手を力強く握り返した。
「これからもよろしく頼む」
「・・・はい!」
真偽は定かではないが、例え嘘だろうと俺と蘭丸さんの関係は壊れる事はない。そのくらい、俺らの絆は固く結ばれているのだ。
「う・・・ううん・・・あれ?俺、寝てた?」
数分後、憑依されていたジェイクさんが目を覚ます。気だるそうに起き上がったジェイクさんは背伸びをし、欠伸をした。
「俺、何分ぐらい寝てました?」
「10分ぐらいじゃないですかね?それよりもジェイクさん、これから先どうするんですか?」
「どうするって?」
「免罪になってジャバに戻って来たジェイクさんにはいっぱい選択肢があるんですよ、そろそろ選んで進んでいかなくちゃ」
ジェイクさんは地下牢獄に投獄されてしまった事により、ギルドから解雇されてしまっている。晴れて冤罪が認められた現在は冒険者ギルドに戻る事もできるし、城下町を出て別の場所へ行くこともできる。大金も手に入ったんだし、いっそ隠居も悪くないかもしれない。土地代や物価が安い土地でなら十分暮らしていける額をジェイクさんは貰っている。最も、決めるのはジェイクさんだが──────
「え?そんなの決まってるだろ。この町に残って冒険者を続けるさ」
「え~~意外。仕方がないとは言え、貴方を裏切ったギルドですよ?居心地とか悪く感じないんですか?」
「居心地の悪さは感じないかな?顔なじみの冒険者も何人もいるし、それにコウスケ達もいるしね」
「そうですか・・・それじゃあ、これからは冒険者としてよろしくお願いします!!」
「おう!!こちらこそ、よろしくな!!」
こうしてジェイクさんの冒険者生活は再スタートを切り、俺達アモーラ復讐組はまた大きく前進を果たしたのであった。
~第二章 完~
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