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二章 濡れ衣の男を救え!!
第二話 懐かしき森の名は・・・
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「はぁ・・・はぁ・・・し、死ぬかと思った・・・」
「近くに森林があって助かった。お陰でやつらの追跡から逃れる事ができた。にしてもあのおかしな魔物は何なのだ?まるで、馬に乗る狩人のようだったぞ」
「あの生物の名前はケンタウロス。とても頭が良くて、人語を理解できる程なのですが、魔物化すると狂暴化するんです」
「それで俺達をいきなり襲ってきたのか。いやー、危ない所だった」
額の汗を拭い、辺りを見渡す。魔物がいないかの確認だ。しばらく見つめていると、幸助の表情が豆鉄砲を喰らった鳩のようになっていた。
「幸助?どうしたんだ?」
「・・・蘭丸さん。俺、この森来た事あるわ」
「何?それは好都合だ。出口は分かるか?」
逃げる事に精一杯でどこが出入口なのか分からなくなってしまっている一行。幸助は蘭丸の質問に対して首を横に振った。
「訪れた事があるのに道が分からぬと申すのか?一体どういう事だ?」
「いやぁ~~魔物に襲われてて道を覚える暇なんてなかったんですよね~~」
「えっ?ここ魔物出るんですか?」
「オフコース!なんたってここは!俺がこの世界にやってきて初めて来た場所なんだから!!」
3人がケンタウロスから逃げる為に入った森の正体は魔の森。普通の生物は生存しておらず、動物も植物も全て魔物で構成されている。地獄のような森。
「ほら、聴こえるでしょう?森が騒いでる・・・食べ物が来たと騒いでいますよ」
「止めて下さい!怖いじゃないですか!!」
「・・・何か近づいてくるぞ」
蘭丸の言う通り、3人の後ろから大胆な走り方で近づいてくる4足歩行の生物が近づいてきている。ドスドスと足音を鳴らしながら3人に近づいてくる。
「ラコルト様、俺らの後ろに」
ラコルトを後ろに移動させながら、剣を抜き、盾を構える。
ドスドス!ドスドス!足音はどんどん大きくなっていく。やがて、木々の間から大きな影が現れ、蘭丸と幸助を緑の瞳で睨みつけて威嚇する。
「・・・来い!!」
幸助の呼びかけに反応するように大きな影はその姿を幸助達の前に晒してみせた。屈強な上半身、ヤギのような下半身と、角。手には血濡れたこん棒が握られており、これまでいくつもの命を葬って来た事が一目でわかる。幸助はその姿を以前、世界史の教科書で見た事があった。
「サテュロス・・・?」
「Buooooooonn!!」
ギリシア神話に出てくる伝説の精霊は名前を呼ばれた事に気付いたのか、汽笛のような雄たけびを上げると、血まみれの棍棒を肩に担いで襲って──────
「うるさいわ!!」
来る前に、サテュロスの後ろから突如聞こえてきた声と同時に、サテュロスのよりもさらに大きな棍棒が、サテュロスの脳天にぶち当たり、脳漿を地面にぶちまけた。
「「え・・・?」」
「おうい、旅の者。大丈夫だったか?怪我とかはしていないか?」
ゆっくりと倒れるサテュロスの身体の後ろからは俺らとほとんど背丈の変わらない初老の男性が姿を現す。肩には体格以上の棍棒が担がれており、レベルを相当上げた熟練者だと窺える。だが、棍棒よりも俺は男性の顔を凝視した。
「あ、貴方は・・・」
「うん?おおっ!久しぶりだな!坊主!!」
「店主さん!!」
サテュロスを倒したのは命の恩人であり、この世界で1番最初に世話になった辺境の町の酒場の店主だった。
「近くに森林があって助かった。お陰でやつらの追跡から逃れる事ができた。にしてもあのおかしな魔物は何なのだ?まるで、馬に乗る狩人のようだったぞ」
「あの生物の名前はケンタウロス。とても頭が良くて、人語を理解できる程なのですが、魔物化すると狂暴化するんです」
「それで俺達をいきなり襲ってきたのか。いやー、危ない所だった」
額の汗を拭い、辺りを見渡す。魔物がいないかの確認だ。しばらく見つめていると、幸助の表情が豆鉄砲を喰らった鳩のようになっていた。
「幸助?どうしたんだ?」
「・・・蘭丸さん。俺、この森来た事あるわ」
「何?それは好都合だ。出口は分かるか?」
逃げる事に精一杯でどこが出入口なのか分からなくなってしまっている一行。幸助は蘭丸の質問に対して首を横に振った。
「訪れた事があるのに道が分からぬと申すのか?一体どういう事だ?」
「いやぁ~~魔物に襲われてて道を覚える暇なんてなかったんですよね~~」
「えっ?ここ魔物出るんですか?」
「オフコース!なんたってここは!俺がこの世界にやってきて初めて来た場所なんだから!!」
3人がケンタウロスから逃げる為に入った森の正体は魔の森。普通の生物は生存しておらず、動物も植物も全て魔物で構成されている。地獄のような森。
「ほら、聴こえるでしょう?森が騒いでる・・・食べ物が来たと騒いでいますよ」
「止めて下さい!怖いじゃないですか!!」
「・・・何か近づいてくるぞ」
蘭丸の言う通り、3人の後ろから大胆な走り方で近づいてくる4足歩行の生物が近づいてきている。ドスドスと足音を鳴らしながら3人に近づいてくる。
「ラコルト様、俺らの後ろに」
ラコルトを後ろに移動させながら、剣を抜き、盾を構える。
ドスドス!ドスドス!足音はどんどん大きくなっていく。やがて、木々の間から大きな影が現れ、蘭丸と幸助を緑の瞳で睨みつけて威嚇する。
「・・・来い!!」
幸助の呼びかけに反応するように大きな影はその姿を幸助達の前に晒してみせた。屈強な上半身、ヤギのような下半身と、角。手には血濡れたこん棒が握られており、これまでいくつもの命を葬って来た事が一目でわかる。幸助はその姿を以前、世界史の教科書で見た事があった。
「サテュロス・・・?」
「Buooooooonn!!」
ギリシア神話に出てくる伝説の精霊は名前を呼ばれた事に気付いたのか、汽笛のような雄たけびを上げると、血まみれの棍棒を肩に担いで襲って──────
「うるさいわ!!」
来る前に、サテュロスの後ろから突如聞こえてきた声と同時に、サテュロスのよりもさらに大きな棍棒が、サテュロスの脳天にぶち当たり、脳漿を地面にぶちまけた。
「「え・・・?」」
「おうい、旅の者。大丈夫だったか?怪我とかはしていないか?」
ゆっくりと倒れるサテュロスの身体の後ろからは俺らとほとんど背丈の変わらない初老の男性が姿を現す。肩には体格以上の棍棒が担がれており、レベルを相当上げた熟練者だと窺える。だが、棍棒よりも俺は男性の顔を凝視した。
「あ、貴方は・・・」
「うん?おおっ!久しぶりだな!坊主!!」
「店主さん!!」
サテュロスを倒したのは命の恩人であり、この世界で1番最初に世話になった辺境の町の酒場の店主だった。
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