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一章 クソみたいな女神とクソみたいな異世界転移
第四十話 敵は軍勢?深夜に襲い掛かる魔の手
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深夜2時。天候は晴れで吹く風はあまり強くない。絶好の復讐日和だ。こんな好条件の中で復讐対象が法なんてありはしない路地裏を歩いていたら、きっと彼ら?は俺を襲いたくなるだろう。
野良犬も寝静まりかえる深夜2時。犯罪が起きても誰にも気づかれる事はないだろう路地裏で幸助は注意散漫を装って歩いていた。機嫌を良く見せる為に下手くそな口笛を吹き、足をスキップをしている。
そんな態度を取れるのも、全ては仲間達とギルドの皆が見守ってくれているからである。仲間達は幸助を屋根の上からそっと追っていた。
「ひぃぃぃぃ!高い所怖いぃぃ!」
「じゃあ、何でここに来たの?高い所が怖いなら、下で待機してる斧使いの先輩冒険者と一緒にいれば良かったんじゃ・・・」
「僕、あの先輩苦手なんだよね。何か暑苦しくて・・・」
「そうか?俺は好きだが。使う武器も同じだし」
「それなら何で下で待機しないんだよ!アンタどう見ても隠密行動不向きじゃないか!」
「俺もお前と同じく苦手なヤツがいたんでな。」
今回は急な依頼という事もあって、集まった冒険者の数はあまり多くは無かったが、その代わりに1人1人が戦闘に優れた冒険者ばかりだ。
闘神を信仰するベテラン冒険者、まだ新人ながら多彩な魔術を使用可能な魔術師、複数の魔物に囲まれても勝利する事が可能な戦士と、折り紙付きの精鋭だ。
今回のおとり作戦はとてもシンプル。まず、幸助をおとりとして一人で路地裏を歩かせる。そして、犯人が現れたら屋根の上で待機しているメアリー、魔術師の青年、斧の戦士が下りてきて加勢&大きな音を立て、夜回りを装っていた待機組の蘭丸とベテラン冒険者とボニーが指揮する自警団を呼び出し、全員で囲み逮捕。文字にしても図にしても説明しやすい作戦だ。
シンプルな反面、中々に粗がある作戦だ。そもそも犯人が現れるかも分からないし、夜回りの人数で怪しまれて出てこない可能性だってある。しかし、異世界人にはこの方法しか考える事が出来なかったし、これ以外に効率の良い作戦は出なかったのだ。
他の冒険者を呼んだ後、陽動作戦や、戦闘経験にも恵まれた王国騎士に助けを呼ぼうという案が出て、一度掛け合ってみたのだが『我々が出るレベルではない』と断られてしまったのだ。
聞いた話によると、何人も被害者が出ているアンリの傷害事件も捜索していなかったらしい。一体どのレベルの犯罪が発生したら騎士は動いてくれるのだろうか?
そんな事を考えながら幸助の周りを見張っていると、魔術師の青年は幸助に近づく1つの人影に気付く。しかも手には剣らしき長物が握られている。
「いた!いたよ!誰かいた!しかも武器みたいの持ってる!」
「ああ、こっちも見つけた」
「わ、私も・・・!」
斧の戦士とメアリーも敵らしき人影を見つけたようだ。数秒遅れておとりの幸助も見つけたようで、ブロードソードと買ったばかりのレザーシールドを構える。
「お前ら、準備は良いな?」
「僕は下りなくても良いよね?遠くから魔術投げてれば良いし・・・」
「う、うん。それじゃあ・・・行くとしますかぁ・・・」
戦士は斧を構え、メアリーはエンチャントを拳にかける。
「良し!行くぞ!!」
「応ッ!!」
気合と共に2人は地面へと落ちていき、幸助の横に着地する。
「結構早くに釣れたな、コウスケ!」
「ああ。所で魔術師君は?」
「あの腰抜けは上から魔術ぶっぱだってよ。役に立つから良いけどさ。それよりも早く殴り殺そうぜ?コウスケェ・・・」
人影がゆらりゆらりと近づいてくる。まるで波に揺れる海藻のように動きが不規則でなんだか不気味だ。歩みも遅いし、こちらに気付かれている事は分かっているはずなのに、何の動揺もしない。
「おい!止まれ!俺らは冒険者だ!お前らがどこの誰だか知らんが、負ける気はしないぞ!!」
「そうだぞごらぁ!痛い目見たくなけりゃ、大人しくお縄につきな!そうしたら半殺しで済ませてやる!」
「2人とも落ち着いて・・・あまり抵抗しないでくれ。俺達はあまり争いはしたくはない。もし、言う通りにしてくれれば減刑する事を約束する」
大人しく捕まってくれれば減刑するのは本当だ。どのくらい減刑されるかは自警団の裁量しだいだが。
しかし、案の定止まる事は無く同じペースで歩いてきている。狂信者は刑何て怖くないという気持ちの現れだろうか。仕方がない、少しやるか。
いつでも攻撃を仕掛けられるように剣を構える。すると次の瞬間、鼻に不快な匂いが侵入するように入り込んできた。
「クサ・・・何の匂いだ?」
「すんすん・・・確かに臭いな。これは確か・・・」
「腐った肉と内臓の匂い・・・何でこんな匂いがするんだ?」
突如として腐肉の匂いが漂ってきたのだ。嗅ぎ慣れていない匂いに幸助は思わず顔をしかめる。何故、こんな匂いがするのか、それは近づいてくる人影の正体であっさりと判明する。
ゆっくりと近づいてくる不気味な人影、その正体は────────────
「Aaaaaaaaaaa・・・・」「Uuuuuuuuuu・・・・・」「Ooooooooo・・・・・・・」
灰色の肌、付近に飛び交うハエと腐臭、露出した筋肉と骨、何処を見ているのか分からない目。誰もが一度は恐怖を覚える人間から生まれる恐怖のモンスター『ゾンビ』だ。
野良犬も寝静まりかえる深夜2時。犯罪が起きても誰にも気づかれる事はないだろう路地裏で幸助は注意散漫を装って歩いていた。機嫌を良く見せる為に下手くそな口笛を吹き、足をスキップをしている。
そんな態度を取れるのも、全ては仲間達とギルドの皆が見守ってくれているからである。仲間達は幸助を屋根の上からそっと追っていた。
「ひぃぃぃぃ!高い所怖いぃぃ!」
「じゃあ、何でここに来たの?高い所が怖いなら、下で待機してる斧使いの先輩冒険者と一緒にいれば良かったんじゃ・・・」
「僕、あの先輩苦手なんだよね。何か暑苦しくて・・・」
「そうか?俺は好きだが。使う武器も同じだし」
「それなら何で下で待機しないんだよ!アンタどう見ても隠密行動不向きじゃないか!」
「俺もお前と同じく苦手なヤツがいたんでな。」
今回は急な依頼という事もあって、集まった冒険者の数はあまり多くは無かったが、その代わりに1人1人が戦闘に優れた冒険者ばかりだ。
闘神を信仰するベテラン冒険者、まだ新人ながら多彩な魔術を使用可能な魔術師、複数の魔物に囲まれても勝利する事が可能な戦士と、折り紙付きの精鋭だ。
今回のおとり作戦はとてもシンプル。まず、幸助をおとりとして一人で路地裏を歩かせる。そして、犯人が現れたら屋根の上で待機しているメアリー、魔術師の青年、斧の戦士が下りてきて加勢&大きな音を立て、夜回りを装っていた待機組の蘭丸とベテラン冒険者とボニーが指揮する自警団を呼び出し、全員で囲み逮捕。文字にしても図にしても説明しやすい作戦だ。
シンプルな反面、中々に粗がある作戦だ。そもそも犯人が現れるかも分からないし、夜回りの人数で怪しまれて出てこない可能性だってある。しかし、異世界人にはこの方法しか考える事が出来なかったし、これ以外に効率の良い作戦は出なかったのだ。
他の冒険者を呼んだ後、陽動作戦や、戦闘経験にも恵まれた王国騎士に助けを呼ぼうという案が出て、一度掛け合ってみたのだが『我々が出るレベルではない』と断られてしまったのだ。
聞いた話によると、何人も被害者が出ているアンリの傷害事件も捜索していなかったらしい。一体どのレベルの犯罪が発生したら騎士は動いてくれるのだろうか?
そんな事を考えながら幸助の周りを見張っていると、魔術師の青年は幸助に近づく1つの人影に気付く。しかも手には剣らしき長物が握られている。
「いた!いたよ!誰かいた!しかも武器みたいの持ってる!」
「ああ、こっちも見つけた」
「わ、私も・・・!」
斧の戦士とメアリーも敵らしき人影を見つけたようだ。数秒遅れておとりの幸助も見つけたようで、ブロードソードと買ったばかりのレザーシールドを構える。
「お前ら、準備は良いな?」
「僕は下りなくても良いよね?遠くから魔術投げてれば良いし・・・」
「う、うん。それじゃあ・・・行くとしますかぁ・・・」
戦士は斧を構え、メアリーはエンチャントを拳にかける。
「良し!行くぞ!!」
「応ッ!!」
気合と共に2人は地面へと落ちていき、幸助の横に着地する。
「結構早くに釣れたな、コウスケ!」
「ああ。所で魔術師君は?」
「あの腰抜けは上から魔術ぶっぱだってよ。役に立つから良いけどさ。それよりも早く殴り殺そうぜ?コウスケェ・・・」
人影がゆらりゆらりと近づいてくる。まるで波に揺れる海藻のように動きが不規則でなんだか不気味だ。歩みも遅いし、こちらに気付かれている事は分かっているはずなのに、何の動揺もしない。
「おい!止まれ!俺らは冒険者だ!お前らがどこの誰だか知らんが、負ける気はしないぞ!!」
「そうだぞごらぁ!痛い目見たくなけりゃ、大人しくお縄につきな!そうしたら半殺しで済ませてやる!」
「2人とも落ち着いて・・・あまり抵抗しないでくれ。俺達はあまり争いはしたくはない。もし、言う通りにしてくれれば減刑する事を約束する」
大人しく捕まってくれれば減刑するのは本当だ。どのくらい減刑されるかは自警団の裁量しだいだが。
しかし、案の定止まる事は無く同じペースで歩いてきている。狂信者は刑何て怖くないという気持ちの現れだろうか。仕方がない、少しやるか。
いつでも攻撃を仕掛けられるように剣を構える。すると次の瞬間、鼻に不快な匂いが侵入するように入り込んできた。
「クサ・・・何の匂いだ?」
「すんすん・・・確かに臭いな。これは確か・・・」
「腐った肉と内臓の匂い・・・何でこんな匂いがするんだ?」
突如として腐肉の匂いが漂ってきたのだ。嗅ぎ慣れていない匂いに幸助は思わず顔をしかめる。何故、こんな匂いがするのか、それは近づいてくる人影の正体であっさりと判明する。
ゆっくりと近づいてくる不気味な人影、その正体は────────────
「Aaaaaaaaaaa・・・・」「Uuuuuuuuuu・・・・・」「Ooooooooo・・・・・・・」
灰色の肌、付近に飛び交うハエと腐臭、露出した筋肉と骨、何処を見ているのか分からない目。誰もが一度は恐怖を覚える人間から生まれる恐怖のモンスター『ゾンビ』だ。
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