大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太

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一章 クソみたいな女神とクソみたいな異世界転移

第三十七話 憎くて憎くて憎くて憎くて仕方がない

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「へへへ・・・ざまぁみろ・・・」

 私が死ぬ間際、愛する人の口から聞いた言葉は愛の言葉ではなく罵声だった。

 何で?何でこんなにも貴方を愛しているのに貴方は答えてくれなかったの?他の女を愛したの?教えてよ、何で?何でなの!!

 近くに放棄されていた樽を思い切り殴る。しかし、壊れる事はない。だって、今の自分は肉体のない幽霊だから現実に干渉する事はできない。つまりどんなに大声で彼に愛の言葉を叫んでも彼が振り返ってくれる事はない。きっと、愛しの彼に対する思いが私の魂を現代に留まらせたんだ。

 それは嬉しい反面、苦しみもあった。死しても尚、愛しの彼の顔を拝む事はできたが、同時に愛しの彼がどんどん衰弱していく所も見る羽目になったのだから。

 愛しの彼が弱っていく姿は見ていて悲しかったが、同時に嬉しくもあった。だって、彼は私を殺してしまった罪悪感で苦しんでいるのだから。心は読めないが、行動で分かる。唯一の友人であり、命の恩人でもある私を殺してしまったんだ。それは心の底から後悔するだろう。できるなら死ぬまで引き摺っていてほしい。そんな事を思っていたら、既に私が死んでから3日が経過していた。

 3日も経つと、私は肉体への未練はほとんど消えていた。このまま永遠に彼を見続ける事ができるなら別に良いのではないのかと思えてきてしまったのだ。そんな矢先、悲劇が起きる。

 私が制裁を加えてやった魔術師の女と愛しの彼が再会し、「私の死」が付けた心の傷を癒してしまったのだ。そしてあろう事か、魔術師の女は涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった醜い顔で愛しの彼と抱き締めあったのだ。

『ああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!』

 私は発狂した。発狂して、転がり回って、柱に頭を打ち付けた。しかし、私は幽霊。現実世界には干渉できない。当然だが、発狂しても愛しの彼には気付かれず、物も破壊されない。憎しみは消える事なく、増す一方だった。

 何で私がいるはずの場所にあの女がいるんだ!私が!私がいるべきなのに!!

 憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い!!!

 ・・・ああ、こんな思いするなら現代に残らなければよかった・・・。

 幽霊として現実世界に残ってもあるのは苦しみだけだ。それならすぐにこの世界から去ろう。

 半透明だった身体が更に透けていく。良かった、この世界からされるのだ。行きつく先は天国か、はたまた転生か。できるなら転生が良い。記憶を完全に消して、別の人間として生まれ変わりたい。そうしたらこの苦しみから解放されるのだから・・・。










 ──────本当にそれで良いのですか?

『・・・え?』
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