18 / 212
一章 クソみたいな女神とクソみたいな異世界転移
第十七話 【朗報】幸助、棄教
しおりを挟む
次の日、幸助と蘭丸はギルドではなく豊作の神ラコルトのいる農村へと足を運んでいた。
「おや、冒険者様。今日はどうなさったのです?」
「実はラコルト様に用がありまして。あれから場所は変わってないですよね?」
「はい、勿論でございます。では、こちらへとどうぞ」
隠居生活の老人に案内された場所は老人が所有する畑の近くの石像。幸助達が近づいて来るやいなや、石像が突如として光り出す。光は人の形を形成し、幸助達の前へと現れる。豊作の神ラコルトの登場だ。
「どうもコウスケさん。まさかこんなにも早く絶縁草を見つけるとは思いませんでしたよ。・・・おや?そちらの異国の恰好の方は?」
「拙者の名は小林蘭丸。幸助と同じく異世界からやってきたしがない武士でございます。今回は神である貴方にお願いがあって馳せ参じました」
「私に用ですか?分かりました。では、コウスケさんの用を終わらせてからでよろしいでしょうか?」
「はい・・・ありがとうございます」
「では、棄教の準備を始めましょう。準備はよろしいでしょうか?」
「はい!いつでも!!」
幸助はリュックから絶縁草を取り出し、ラコルトに渡す。
「では、私に首を垂れるように頭をさげて下さい」
「はい・・・」
王族の前でひざまずく騎士のように片膝をつき、頭をラコルト様へと近づける。ラコルト様は絶縁草を自分の額に近づけ、祈りを捧げ始めた。
「気高き契約の神コントラよ。この者を縛り付ける契約の鎖を打ち砕き給え・・・」
すると、絶縁草は淡い光を纏い始めた。その様子にその場にいた村人と蘭丸さんは驚く。
「なっ・・・!!」
「皆さんお静かに・・・では、燃やします」
ラコルト様は指先に魔術で小さな火を発生させると、絶縁草に点火させる。まだ、植物として新鮮な状態で水分も含んでいる絶縁草はゆっくりと煙を出しながら燃え始めた。ラコルト様は燃える絶縁草を手で扇ぎ、その煙を俺の頭へと浴びせてくる。
煙の匂いが鼻付近で漂い始めた次の瞬間、右肩・・・アモーラ教の証が刻まれている箇所に激痛が走る。
「くっ!・・・ふっ!!」
例えるなら鋭い爪でシールをはがす要領でべりべりと皮膚をはがされているような感覚だ。これが一方的に神との契約を解除する時のデメリットなのか!?
大声をだせば多少だが痛みは和らぐのだろう。しかし、神の儀式という事もあり、途中で何かしらアクションを起こしたら儀式が失敗に終わってしまう可能性があるので声を気合で押し殺して我慢する。大体30分程続いたか?次第に痛みは消え、楽になる。
「・・・これで契約解除の儀式は終わりです。お疲れ様でした」
「ハァ・・・ハァ・・・ありがとう、ございました・・・」
服を脱いで右肩を確認する。少し前まであったアモーラ教の証が消え、元の素肌に戻っていた。この時、この世界に来てから一切感じていなかった感覚が身体の奥底からこみあげてくる。その感覚の名前は『解放感』。ようやく自由になったのだと、俺は叫んで喜んだ。
「うおおおおおおおおおおお!!これで俺も自由だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
村人達が驚く程に叫んだ。叫んで叫んで喉を枯らした。ずっと望んでいたものがようやっと手に入った。こんな喜びは受験に合格した時依頼だ。
「ありがとうございます!ラコルト様!!本当に本当にありがとうございます!!これであの女神の悪口が言える・・・!!」
「ははは。どういたしまして・・・あまり言い過ぎないようにしてくださいね?もしかしたら天罰が下りてくるかもしれないので・・・」
ラコルト様の言葉で一瞬で肝が冷える。そうだ、仮にも女神なんだ。信仰者でなくても容易に人間に天罰を下す事はできるだろう。
「では、次は貴方。私への用とは一体何でしょうか?」
ラコルトの目線が蘭丸へと向けられる。やっときた自分の順番に蘭丸は心を躍らせながら話した。
「拙者は、この世界に来る前はとある方に仕えていました。ですが、その方の名前と顔が全く思い出せないのです。ですが、神の貴方なら『記憶』を司る神を知っているのではないかとそこの幸助に言われてここへとやってきました。単刀直入に聞きます!!ラコルト様・・・貴方は記憶の神をご存知ですか?」
一回で簡潔的に事情を話し、目的を伝える。ラコルトは蘭丸の話を聞くと、「う~~ん」と唸り、腕を組み、考え始めた。
「・・・私も天界にいたのはかなり昔の事の上にあまり長い期間滞在していなかったので、多くの神と知り合ったわけではありません。ですが、私の天界にいる時にいつも優しくしてくれた忘却の神と世間話をしている時にこう言い零した事がありました『記憶の女神まじうぜーー。記憶を忘れさせていたずらしてぇけど、力の相性が悪すぎて記憶を消す事ができねぇ』と」
蘭丸の顔に希望が宿る。
「つ、つまり記憶の神は存在するという事ですね?」
「はい。信仰者も多いと聞いた事があるので今も健在だと思われます。ですが、何処に信者がいるのかは分かりません。宗教の自由があるこのフラムにいるとは思うのですが・・・」
申し訳なさそうにするラコルトだが、蘭丸の表情は決して暗いものではなかった。むしろ今まで一番明るかった。
「それだけが知れただけでも拙者は生きる意味を見出せました。ありがとうございます、豊作の神ラコルト様。拙者はこれでまた明日へ歩きだす事が出来るようになりました」
「それは良かったです。他には何かございますか?」
そう聞かれた蘭丸は右肩を少し撫でるとこう答えた。
「幸助。まだ絶縁草は残っているか?」
「はい、もしもの時の為にいくつか予備を採ってきています」
「一つ分けて貰ってもいいだろうか?拙者もあの女神と縁を切りたい。いい加減、頭にあの女神の声が聞こえてくるのもうんざりしていた所だからな」
自分は1か月も経たずに限界を迎えていたのに、1年も耐えた蘭丸さんは凄いと思う幸助だった。
「分かりました・・・では始めます」
この日、2人の男が女神から解放された。
「おや、冒険者様。今日はどうなさったのです?」
「実はラコルト様に用がありまして。あれから場所は変わってないですよね?」
「はい、勿論でございます。では、こちらへとどうぞ」
隠居生活の老人に案内された場所は老人が所有する畑の近くの石像。幸助達が近づいて来るやいなや、石像が突如として光り出す。光は人の形を形成し、幸助達の前へと現れる。豊作の神ラコルトの登場だ。
「どうもコウスケさん。まさかこんなにも早く絶縁草を見つけるとは思いませんでしたよ。・・・おや?そちらの異国の恰好の方は?」
「拙者の名は小林蘭丸。幸助と同じく異世界からやってきたしがない武士でございます。今回は神である貴方にお願いがあって馳せ参じました」
「私に用ですか?分かりました。では、コウスケさんの用を終わらせてからでよろしいでしょうか?」
「はい・・・ありがとうございます」
「では、棄教の準備を始めましょう。準備はよろしいでしょうか?」
「はい!いつでも!!」
幸助はリュックから絶縁草を取り出し、ラコルトに渡す。
「では、私に首を垂れるように頭をさげて下さい」
「はい・・・」
王族の前でひざまずく騎士のように片膝をつき、頭をラコルト様へと近づける。ラコルト様は絶縁草を自分の額に近づけ、祈りを捧げ始めた。
「気高き契約の神コントラよ。この者を縛り付ける契約の鎖を打ち砕き給え・・・」
すると、絶縁草は淡い光を纏い始めた。その様子にその場にいた村人と蘭丸さんは驚く。
「なっ・・・!!」
「皆さんお静かに・・・では、燃やします」
ラコルト様は指先に魔術で小さな火を発生させると、絶縁草に点火させる。まだ、植物として新鮮な状態で水分も含んでいる絶縁草はゆっくりと煙を出しながら燃え始めた。ラコルト様は燃える絶縁草を手で扇ぎ、その煙を俺の頭へと浴びせてくる。
煙の匂いが鼻付近で漂い始めた次の瞬間、右肩・・・アモーラ教の証が刻まれている箇所に激痛が走る。
「くっ!・・・ふっ!!」
例えるなら鋭い爪でシールをはがす要領でべりべりと皮膚をはがされているような感覚だ。これが一方的に神との契約を解除する時のデメリットなのか!?
大声をだせば多少だが痛みは和らぐのだろう。しかし、神の儀式という事もあり、途中で何かしらアクションを起こしたら儀式が失敗に終わってしまう可能性があるので声を気合で押し殺して我慢する。大体30分程続いたか?次第に痛みは消え、楽になる。
「・・・これで契約解除の儀式は終わりです。お疲れ様でした」
「ハァ・・・ハァ・・・ありがとう、ございました・・・」
服を脱いで右肩を確認する。少し前まであったアモーラ教の証が消え、元の素肌に戻っていた。この時、この世界に来てから一切感じていなかった感覚が身体の奥底からこみあげてくる。その感覚の名前は『解放感』。ようやく自由になったのだと、俺は叫んで喜んだ。
「うおおおおおおおおおおお!!これで俺も自由だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
村人達が驚く程に叫んだ。叫んで叫んで喉を枯らした。ずっと望んでいたものがようやっと手に入った。こんな喜びは受験に合格した時依頼だ。
「ありがとうございます!ラコルト様!!本当に本当にありがとうございます!!これであの女神の悪口が言える・・・!!」
「ははは。どういたしまして・・・あまり言い過ぎないようにしてくださいね?もしかしたら天罰が下りてくるかもしれないので・・・」
ラコルト様の言葉で一瞬で肝が冷える。そうだ、仮にも女神なんだ。信仰者でなくても容易に人間に天罰を下す事はできるだろう。
「では、次は貴方。私への用とは一体何でしょうか?」
ラコルトの目線が蘭丸へと向けられる。やっときた自分の順番に蘭丸は心を躍らせながら話した。
「拙者は、この世界に来る前はとある方に仕えていました。ですが、その方の名前と顔が全く思い出せないのです。ですが、神の貴方なら『記憶』を司る神を知っているのではないかとそこの幸助に言われてここへとやってきました。単刀直入に聞きます!!ラコルト様・・・貴方は記憶の神をご存知ですか?」
一回で簡潔的に事情を話し、目的を伝える。ラコルトは蘭丸の話を聞くと、「う~~ん」と唸り、腕を組み、考え始めた。
「・・・私も天界にいたのはかなり昔の事の上にあまり長い期間滞在していなかったので、多くの神と知り合ったわけではありません。ですが、私の天界にいる時にいつも優しくしてくれた忘却の神と世間話をしている時にこう言い零した事がありました『記憶の女神まじうぜーー。記憶を忘れさせていたずらしてぇけど、力の相性が悪すぎて記憶を消す事ができねぇ』と」
蘭丸の顔に希望が宿る。
「つ、つまり記憶の神は存在するという事ですね?」
「はい。信仰者も多いと聞いた事があるので今も健在だと思われます。ですが、何処に信者がいるのかは分かりません。宗教の自由があるこのフラムにいるとは思うのですが・・・」
申し訳なさそうにするラコルトだが、蘭丸の表情は決して暗いものではなかった。むしろ今まで一番明るかった。
「それだけが知れただけでも拙者は生きる意味を見出せました。ありがとうございます、豊作の神ラコルト様。拙者はこれでまた明日へ歩きだす事が出来るようになりました」
「それは良かったです。他には何かございますか?」
そう聞かれた蘭丸は右肩を少し撫でるとこう答えた。
「幸助。まだ絶縁草は残っているか?」
「はい、もしもの時の為にいくつか予備を採ってきています」
「一つ分けて貰ってもいいだろうか?拙者もあの女神と縁を切りたい。いい加減、頭にあの女神の声が聞こえてくるのもうんざりしていた所だからな」
自分は1か月も経たずに限界を迎えていたのに、1年も耐えた蘭丸さんは凄いと思う幸助だった。
「分かりました・・・では始めます」
この日、2人の男が女神から解放された。
14
お気に入りに追加
328
あなたにおすすめの小説
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです
yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~
旧タイトルに、もどしました。
日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。
まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。
劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。
日々の衣食住にも困る。
幸せ?生まれてこのかた一度もない。
ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・
目覚めると、真っ白な世界。
目の前には神々しい人。
地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・
短編→長編に変更しました。
R4.6.20 完結しました。
長らくお読みいただき、ありがとうございました。

【後日談完結】10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~
ばいむ
ファンタジー
剣と魔法の世界であるライハンドリア・・・。魔獣と言われるモンスターがおり、剣と魔法でそれを倒す冒険者と言われる人達がいる世界。
高校の休み時間に突然その世界に行くことになってしまった。この世界での生活は10日間と言われ、混乱しながらも楽しむことにしたが、なぜか戻ることができなかった。
特殊な能力を授かるわけでもなく、生きるための力をつけるには自ら鍛錬しなければならなかった。魔獣を狩り、いろいろな遺跡を訪ね、いろいろな人と出会った。何度か死にそうになったこともあったが、多くの人に助けられながらも少しずつ成長していった。
冒険をともにするのは同じく異世界に転移してきた女性・ジェニファー。彼女と出会い、そして・・・。
初投稿というか、初作品というか、まともな初執筆品です。
今までこういうものをまともに書いたこともなかったのでいろいろと変なところがあるかもしれませんがご了承ください。
誤字脱字等あれば連絡をお願いします。
感想やレビューをいただけるととてもうれしいです。書くときの参考にさせていただきます。
おもしろかっただけでも励みになります。
2021/6/27 無事に完結しました。
2021/9/10 後日談の追加開始
2022/2/18 後日談完結
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
スキル【僕だけの農場】はチートでした~辺境領地を世界で一番住みやすい国にします~
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
旧題:スキル【僕だけの農場】はチートでした なのでお父様の領地を改造していきます!!
僕は異世界転生してしまう
大好きな農場ゲームで、やっと大好きな女の子と結婚まで行ったら過労で死んでしまった
仕事とゲームで過労になってしまったようだ
とても可哀そうだと神様が僕だけの農場というスキル、チートを授けてくれた
転生先は貴族と恵まれていると思ったら砂漠と海の領地で作物も育たないダメな領地だった
住民はとてもいい人達で両親もいい人、僕はこの領地をチートの力で一番にしてみせる
◇
HOTランキング一位獲得!
皆さま本当にありがとうございます!
無事に書籍化となり絶賛発売中です
よかったら手に取っていただけると嬉しいです
これからも日々勉強していきたいと思います
◇
僕だけの農場二巻発売ということで少しだけウィンたちが前へと進むこととなりました
毎日投稿とはいきませんが少しずつ進んでいきます

ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる