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最終章 悪魔戦争
197話 悪魔王の蹂躙
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「ん?今、地面が揺れなかった?」
「揺れたわね。静かになってきたと思ったら今度は地震?・・・嫌な予感しかしないんだけど」
静かになったタイミングで地震。ニコのいう通り、これか
ら何かきますよという合図に感じる。
揺れは段々と強くなっていき、馬は暴れ、兵士達は武器を構え始める。俺も立ち上がり、戦鎚を構える。
すると、目の前の地面がいきなり盛り上がり始めたのだ。まるでモグラが出てきたようにぽっこりと。
しかし、モグラのようにゆっくりとは姿を現さなかった。土の盛り上がりの正体は、爆発でも起きたのかと勘違いするほどの音を立てながら地面から飛び出してきた。
出てきたのは案の定悪魔。しかも、4mはゆうに超える巨大な悪魔だ。嘴の先には、見覚えのある男が突き刺さっていた。
「ベルセルク!?」
「えっ?嘘。あの人やられちゃったの?聖剣使える人なのに?」
「いや・・・生きてる。よく見て。手足がしっかりとあのデカい悪魔を掴んでる」
意識の有無はともかくとして、死んではいないらしい。しかし、あの悪魔・・・まさか・・・!!
「あ、悪魔王だ!!悪魔の王がついに現れたぞ!!」
こちらも案の定というべきだろうか、巨大な鳥のような悪魔は400年前に人間界に侵略をしかけてきた悪魔の王らしい。
そういえば、確かに絵本に描かれていた挿絵と姿形がかなり似ている。
「悪魔って鳥みたいなのしかいないわけ?アタシ、鶏肉嫌いなんだけど・・・」
「道理で鶏肉料理が出ないと思った。俺、好きなんだけどね」
「じゃあ、アタシも好き」
「えぇ・・・ん?」
悪魔王が作った穴から人間が数人よじ登ってくる。足場にはゴーレムがおり、押し上げてもらったらしい。
登ってきたのは、ルッタとパァラそして、リッキーだった。
「3人とも!無事で良かった!!他の最前線の人達は?」
「半分死んで、4分の1が戦闘不能だ。今、残ってる戦力は俺達を含めた26人だ」
分かっていた。全力の悪魔と真正面から戦うという無謀さ。心のどこかで理解していた。しかし、最前線で戦ってくれた戦士達は勇敢にも率先して前線へと赴き、武器を振るってくれた。
彼らの墓は必ず建てる事を誓─────。
「違うんです!マー君!!下級悪魔と戦っている時は誰も死ななかったんです!!けれども、あのデカい悪魔・・・悪魔王が最前線をあっという間に崩壊させてしまったんです!」
・・・はぁ?
「う、嘘だよな。あの100人の中には他の国にも名前が売れていた冒険者がいたんだぞ?そんな人達を一瞬で?あり得ない・・・だろ?パァラ!」
「マーサ、悪いが現実逃避はやめてくれ。これは現実だ」
パァラの低い声が、俺を絶望のどん底へと叩き落とした。
「揺れたわね。静かになってきたと思ったら今度は地震?・・・嫌な予感しかしないんだけど」
静かになったタイミングで地震。ニコのいう通り、これか
ら何かきますよという合図に感じる。
揺れは段々と強くなっていき、馬は暴れ、兵士達は武器を構え始める。俺も立ち上がり、戦鎚を構える。
すると、目の前の地面がいきなり盛り上がり始めたのだ。まるでモグラが出てきたようにぽっこりと。
しかし、モグラのようにゆっくりとは姿を現さなかった。土の盛り上がりの正体は、爆発でも起きたのかと勘違いするほどの音を立てながら地面から飛び出してきた。
出てきたのは案の定悪魔。しかも、4mはゆうに超える巨大な悪魔だ。嘴の先には、見覚えのある男が突き刺さっていた。
「ベルセルク!?」
「えっ?嘘。あの人やられちゃったの?聖剣使える人なのに?」
「いや・・・生きてる。よく見て。手足がしっかりとあのデカい悪魔を掴んでる」
意識の有無はともかくとして、死んではいないらしい。しかし、あの悪魔・・・まさか・・・!!
「あ、悪魔王だ!!悪魔の王がついに現れたぞ!!」
こちらも案の定というべきだろうか、巨大な鳥のような悪魔は400年前に人間界に侵略をしかけてきた悪魔の王らしい。
そういえば、確かに絵本に描かれていた挿絵と姿形がかなり似ている。
「悪魔って鳥みたいなのしかいないわけ?アタシ、鶏肉嫌いなんだけど・・・」
「道理で鶏肉料理が出ないと思った。俺、好きなんだけどね」
「じゃあ、アタシも好き」
「えぇ・・・ん?」
悪魔王が作った穴から人間が数人よじ登ってくる。足場にはゴーレムがおり、押し上げてもらったらしい。
登ってきたのは、ルッタとパァラそして、リッキーだった。
「3人とも!無事で良かった!!他の最前線の人達は?」
「半分死んで、4分の1が戦闘不能だ。今、残ってる戦力は俺達を含めた26人だ」
分かっていた。全力の悪魔と真正面から戦うという無謀さ。心のどこかで理解していた。しかし、最前線で戦ってくれた戦士達は勇敢にも率先して前線へと赴き、武器を振るってくれた。
彼らの墓は必ず建てる事を誓─────。
「違うんです!マー君!!下級悪魔と戦っている時は誰も死ななかったんです!!けれども、あのデカい悪魔・・・悪魔王が最前線をあっという間に崩壊させてしまったんです!」
・・・はぁ?
「う、嘘だよな。あの100人の中には他の国にも名前が売れていた冒険者がいたんだぞ?そんな人達を一瞬で?あり得ない・・・だろ?パァラ!」
「マーサ、悪いが現実逃避はやめてくれ。これは現実だ」
パァラの低い声が、俺を絶望のどん底へと叩き落とした。
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