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最終章 悪魔戦争

195話 聖剣メア・モークの実力

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「メア!光を溜めろ!!」

『もう貯めてます!いつでも発射可能です!!』

「流石だ!オレの意思を読み取って放て!!良いな?」

『はい!!』

 以前まで、メアの光刃を放つには、息を合わせなければならなかった。しかし、メアに備わっている多数のスキルのうちの1つである『対話』のスキルが10に到達したことにより、会話をしなくても、脳波を読み取ることによるコミュニケーションが可能となったのだ。

 これにより、ほぼ任意のタイミングでメアの光刃を放つ事が可能となったのである。

「おらぁ!!」『はぁっ!!』

 チャージ時間は10秒。この短い時間で放たれた光刃の大きさは全長2m。スキルレベルが1の時はこのレベルの光刃を放つには10分はかかっていた。

「危なっ!!・・・今のは危なかった。喰らってたら即死か致命傷は確実だったな」

 これには、グリット合金の大剣を足で防いでいたキャッソも全力で跳んで退けるレベルだ。

「400年前の武器に関わらず、この威力・・・認めざるを得ないな・・・」

「やっと認めたか!!これからヒートアップしてくからついてこいよ!!!」

「ああ、来い!!ハンス・ベルセルク!!」

 2ヶ月前に打ち直されたメアは、マーサがその日全ての体力と集中を注いで作ったマーサ史上最高の傑作。

 切れ味は勿論の事、頑丈さも兼ね備えた片手剣としては完璧な一品となっている。

 それだけではなく、光の魔力も他のグリット合金の武器とはまるで比べ物にならない。メアの持つ光の魔力と、グリット合金の光の魔力がかけ合わさって悪魔に対して凄まじい威力を放っている。

「隙ありっ!!」

「甘いっ!!・・・あぁぁぁぁ!!熱い!なんだこの刃は!!」

 その威力は、悪魔が触っただけで火傷のような現象を起こさせる程。下級悪魔なら、触っただけで絶命しているだろう。

 真剣白刃取りを見事成功させたキャッソの手の平もケロイド状態となっている。しかも、そこから再生が中々に遅い。

「まだまだ続くぞっ!!」

 目にも止まらぬ剣撃が続く。それに凶暴による身体能力で対応するキャッソだが、反応できても、光の魔力に対応できるわけではない。

 次第にキャッソの自慢の足は再生されずにゆっくりとズタズタになっていき、5分が経過する頃には立つことすらままならなくなっていた。

 互角から再びハンスが優勢を力で勝ち取ったのである。これには、下級悪魔達と奮戦を繰り広げていた戦士達も大興奮。士気の向上に繋がり、人間側の勢いが強くなっていく。

「あ゛ぁ・・・!」

 キャッソはついに足で立てなくなり、立膝となり、首を垂れる。まるで、参ったと言わんばかりにハンスに首を差し出すように。

「・・・楽しかったぜ」

「・・・俺もだ」

 ハンスによって首が刎ねられる。刎ねられた首は血で円を描きながら落下し、ハンスの足元に転がってくる。その顔は死んだというのにとても満足しきった笑みを浮かべていた。

 キャッソの体はエネルギー切れで再生する事はなかった。
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