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最終章 悪魔戦争
190話 地獄の門、開門
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あれから、どれほどの時が経ったのだろうか。
「402年でございます」
正直に言ってしまえば、私は人間の底力を舐めていた。武力では私達の方が圧倒的に優っていたが、相手の方が一枚上手だった。
「奴らは相手が作った一瞬の隙を見つけるのが得意なだけです。それさえなければ、私達悪魔は勝っていました。そうでしょう?我が王」
背中に生えた灰色の翼。戦士としての屈強な肉体を覆う白い羽毛。そして、鋭く尖れたナイフのように逞しい顔立ち。
王と呼ばれた男の名はハァピィ。悪魔の世界である地獄を統治し、悪魔王という称号を得た悪魔の英雄。
400年前に人間界に進軍し、あと一歩の所でジッパの魔法使い達によって門ごと封印された悪魔王本人である。
悪魔は人間では無い。人間のように60や70で死ぬような生き物ではない。寿命はずっと長い。
故に悪魔王は長く感じた。人間界から締め出された400年間を。途中数えるのを止める程に。
しかし、永遠というものは存在しない。悪魔達が唯一人間と共通して持っている概念と言っても良いだろう。
言葉は存在するのに、確立しない概念。なんとも不思議だ。
そして、400年前に人間が施した封印も同様に永遠ではなかった。年月が経つにつれて劣化していき、完璧だった封印に穴が出来始めたのであった。
390年が経った頃から封印が緩くなり始め、隙間から尖兵として中級悪魔2体と下級悪魔複数体を送り込む事はできたが、悪魔王本人が侵入する事は不可能だった。
それは何故か?理由は簡単で、彼の体が大きすぎたからである。サイクロプスよりも巨大な体は門から通り抜けることを許してくれなかったのだ。
その為に、封印が完全に溶けた時の為に、幸先をよくする為に部下を送り込んだのだ。
変身能力を持っている悪魔ならば、長期間の潜伏は何も問題はないはずだ。身分の高い者に化けて成り替わり、今頃一国を支配しているだろう。
悪魔が支配する人間の国。想像するだけで笑みが溢れてきてしまいそうだ。悪魔王様もニヤケが止まっていない。
しかし、未だに連絡はないのは何故だろうか?まさか、人間如きに手こずっているわけではなかろうな?
「落ち着け、キャッソ将軍。先に送り出したチョーダはサプライズが大好きだったろう?レイヴンは4ヶ月前に連絡に来たばかりでないか」
「それも、そうですね・・・すみません」
悪魔王様に気を使わせてしまったことを深く反省していると、門の封印がビリビリと音を立てて完全に解ける。俺は下級悪魔達に向かって叫んだ。
「門を開けぇ!!」
「「「キキキキ!!」」」
下級悪魔達によって門が開かれる。さあ、人間!402年前の雪辱を晴らしてやろう!!まずは門付近を守っている人間からだ。5匹程度だと聞いているので、肩慣らしには丁度良いだろう!!
開門にもって狂喜乱舞鋭くキャッソ。そんな彼を待ち構えていたのは、人間の軍団であった。
「よぉ、悪魔さん!!待ってたぜぇぇぇぇ!!!」
最初に切り掛かってきたのは、巨躯で大剣を振り回す狂戦士を彷彿とさせる男であった。
「402年でございます」
正直に言ってしまえば、私は人間の底力を舐めていた。武力では私達の方が圧倒的に優っていたが、相手の方が一枚上手だった。
「奴らは相手が作った一瞬の隙を見つけるのが得意なだけです。それさえなければ、私達悪魔は勝っていました。そうでしょう?我が王」
背中に生えた灰色の翼。戦士としての屈強な肉体を覆う白い羽毛。そして、鋭く尖れたナイフのように逞しい顔立ち。
王と呼ばれた男の名はハァピィ。悪魔の世界である地獄を統治し、悪魔王という称号を得た悪魔の英雄。
400年前に人間界に進軍し、あと一歩の所でジッパの魔法使い達によって門ごと封印された悪魔王本人である。
悪魔は人間では無い。人間のように60や70で死ぬような生き物ではない。寿命はずっと長い。
故に悪魔王は長く感じた。人間界から締め出された400年間を。途中数えるのを止める程に。
しかし、永遠というものは存在しない。悪魔達が唯一人間と共通して持っている概念と言っても良いだろう。
言葉は存在するのに、確立しない概念。なんとも不思議だ。
そして、400年前に人間が施した封印も同様に永遠ではなかった。年月が経つにつれて劣化していき、完璧だった封印に穴が出来始めたのであった。
390年が経った頃から封印が緩くなり始め、隙間から尖兵として中級悪魔2体と下級悪魔複数体を送り込む事はできたが、悪魔王本人が侵入する事は不可能だった。
それは何故か?理由は簡単で、彼の体が大きすぎたからである。サイクロプスよりも巨大な体は門から通り抜けることを許してくれなかったのだ。
その為に、封印が完全に溶けた時の為に、幸先をよくする為に部下を送り込んだのだ。
変身能力を持っている悪魔ならば、長期間の潜伏は何も問題はないはずだ。身分の高い者に化けて成り替わり、今頃一国を支配しているだろう。
悪魔が支配する人間の国。想像するだけで笑みが溢れてきてしまいそうだ。悪魔王様もニヤケが止まっていない。
しかし、未だに連絡はないのは何故だろうか?まさか、人間如きに手こずっているわけではなかろうな?
「落ち着け、キャッソ将軍。先に送り出したチョーダはサプライズが大好きだったろう?レイヴンは4ヶ月前に連絡に来たばかりでないか」
「それも、そうですね・・・すみません」
悪魔王様に気を使わせてしまったことを深く反省していると、門の封印がビリビリと音を立てて完全に解ける。俺は下級悪魔達に向かって叫んだ。
「門を開けぇ!!」
「「「キキキキ!!」」」
下級悪魔達によって門が開かれる。さあ、人間!402年前の雪辱を晴らしてやろう!!まずは門付近を守っている人間からだ。5匹程度だと聞いているので、肩慣らしには丁度良いだろう!!
開門にもって狂喜乱舞鋭くキャッソ。そんな彼を待ち構えていたのは、人間の軍団であった。
「よぉ、悪魔さん!!待ってたぜぇぇぇぇ!!!」
最初に切り掛かってきたのは、巨躯で大剣を振り回す狂戦士を彷彿とさせる男であった。
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