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最終章 悪魔戦争

183話 パァラに会いに行く

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「なあ、メア。少し、出かけないか?」

『出かけるって・・・どこにですか?この時間帯に空いている店は酒場くらいしかありませんが・・・』

「別にお酒を飲んだり、食べ歩きをするわけじゃないよ。ちょっとある人の所に行きたいだけ。良いかな?」

『はい、私は全然・・・』

「それじゃあ、行こうか」

 メアを腰に収めて、家を出る。そして少し歩いた先にあるニコの家に到着した。ニコの家の中からは、深夜だというのに光が灯っており、勉強している事が伺える。

 驚かせないようにノックをしようと扉の前に立つと・・・。

「マーサ?」

 ノックする前に気づかれてしまった。

「何で分かるんだよ・・・まあ良いや。パァラいる?ちょっと話があるんだが──────」

「なんだ、アタシに会いに来たわけじゃないのね・・・でも、声が聞けただけでも嬉しい」

 現在のニコは、前よりも落ち着きを取り戻したらしい。声色が安定している。

「先生は今出かけてるの。いつ帰って来るか分からないし、何処に行ったのかもわからないの・・・」

「タイミングが悪かったな・・・分かった、また明日来るよ」

「よ、良かったら中で待ちませんか?先生もそこまで込み入った用事ではないと言っていましたし・・・」

 なるべく明日に持っていきたくない話だ。待ってくるんなら、待っていようか・・・。

「それじゃあ、お言葉に甘えて・・・ん?」

 俺の手首を少女の手が掴む。手を辿ってみるとパァラがニコニコと笑みを浮かべながらこちらを見つめていた。

「だ~めっ☆話があるんならぁ~・・・ドランククラブで聞くぜ」

「・・・はい。ニコ、ごめん来たから大丈夫。勉強頑張ってね~~・・・」

「そ、そんなぁ~」

 ニコの表情は見れなかったが、大変悔しがっていた事だけは分かった。大変申し訳ないが、ニコには顔を見せずに地下酒場であるドランククラブへと向かう事にする。

「どうしたんだ?こんな夜更けに。しかも、メアまで連れてよ」

「いや、ちょっと聞きたい事があったんだ。アンタの事について」

「今更俺の事なんか聞いてどうするんだよ。散々知ったはずだろこれ以上知る必要なんてあるのか」

「ああ、必要だ。メアの今後に関わる事だからな」

「メアの今後ぉ?全く話の流れが見えてこないんだが・・・おい、メア。どういう事だ?」

『い、いえ。私も何も知りません。マーサさんが何を考えているかすら──────』

 メアを連れて、パァラの元にやってきた理由。それは──────。

「メアからホムンクルス体を作る事は可能だろうか」

 パァラのホムンクルス技術の事について聞く為だった。
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