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5章 400年の輪廻転生
168話 メアの心の整理
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「人間の体は、60%の水で出来ているんだが、その水を抜いた状態で割合を求めると、炭素が半分の50%を占めるんだ」
「だから人の体は燃えるのか」
「まだ、技術が発達してなくて不可能だが、人骨からダイヤモンドを作る事だって可能だ。理論上だけどな。俺もやった事が無い。だが、ジッパにはその技術があったみてぇだな。その証拠がメアだ。メアは石に魂が宿ったんじゃねぇ。元々魂が宿っていた体を石にしたんだ」
『それが・・・私・・・』
「・・・・・・」
メアになんて声をかけて良いのか分からない。ただ、声色から動揺している事が伺える。
「続きを読むぞ。良いか?」
『だ、大丈夫です・・・続けて下さい』
「分かった・・・『エイジ1073年8月10日。メアが琥珀のような宝石になってから半年が経過した。スーフーは悪魔達の復讐の為に魔法使いと協力して、様々な力を与えた。浄化、対魔、自然治癒、魔力増幅、探知、光魔法発射、対話。そして、大人の人間のように喋れる知識を与えた・・・いや、流し込んだと言った方が良いだろうか。次に会う時には、メアはまるで大人の女性のように流暢に喋っていた。私はメアが大人の女性になる過程を見たかった』」
ここで、力が与えられる。
「『エイジ1073年10月10日。スーフーに頼まれて、メアに新たな体を与える事となった。人間のような四足歩行の体ではない。剣だ。メアに与えた様々な力を放つ媒体としたいらしい。メアもやる気だった為、武器鍛冶スキルレベル10の本気を出して作製した剣にメアを埋め込むと、国をも滅ぼせそうな武器が生まれてしまった。盗まれたら、大変な事になりそうだ。スーフーに相談しよう』」
「メア、少し思い出したか?」
『・・・はい。その後に母から使用者制限の力を付与され、それでもなお問題なく扱う事が出来るスサノオという戦士が私を使うようになりました』
「あの遺体か・・・んで、悪魔にこの鍛冶場が襲われて今に至るってわけか。魔毒が充満しているって事は、戦士達は悪魔に血を流させたって言う事だ。ジッパの戦士も優秀だったって証明できたな」
『パァラさん。私は本当に人間だったんですか?』
「ああ、日記にスーフーからの説明もあるけど、読むか?それとも、何か思う事でもあんのか?」
本当は人間でした・・・なんて言われても、心の整理なんかすぐにできるわけがないし、思う事も言いたい事も多いだろう。メアの声は動揺している事を証明するように震えていた。
『悪魔さえいなければ・・・私も皆みたいに暮らせなかったのかなって』
「メア・・・」
『そんなに悲しい感情を漏らさないでください、マーサさん。ショックな事ばかりじゃないです。父と母だと思っていた人達は本当の親だと言う事が分かりましたし、両親の愛が知る事が出来ました・・・それに、この体にならなければ皆さんと出会えてませんでしたし!!』
「それはそうだなぁ!聖剣メア!良い事言うじゃねぇか!!」
「聖剣さん・・・!!」
『すぅ~・・・整理がつきました。これが私の運命だったんです!皆さん!ここまで私を導いてくれてありがとうございます!!そして、妥当悪魔の為に頑張りましょー!!』
心の整理が付いたのか、声色が元の元気なものへと戻る。メア、君が良いのなら、俺はそれで─────。
「あら、良い事言うじゃない。石ころのくせして」
上手くまとまりかけたマーサ達の会話に横槍が入る。その横槍は漆黒の羽に覆われており、非常に煽情的な肉体を持っていた。
6日前、農村を襲った中級悪魔だった。
「だから人の体は燃えるのか」
「まだ、技術が発達してなくて不可能だが、人骨からダイヤモンドを作る事だって可能だ。理論上だけどな。俺もやった事が無い。だが、ジッパにはその技術があったみてぇだな。その証拠がメアだ。メアは石に魂が宿ったんじゃねぇ。元々魂が宿っていた体を石にしたんだ」
『それが・・・私・・・』
「・・・・・・」
メアになんて声をかけて良いのか分からない。ただ、声色から動揺している事が伺える。
「続きを読むぞ。良いか?」
『だ、大丈夫です・・・続けて下さい』
「分かった・・・『エイジ1073年8月10日。メアが琥珀のような宝石になってから半年が経過した。スーフーは悪魔達の復讐の為に魔法使いと協力して、様々な力を与えた。浄化、対魔、自然治癒、魔力増幅、探知、光魔法発射、対話。そして、大人の人間のように喋れる知識を与えた・・・いや、流し込んだと言った方が良いだろうか。次に会う時には、メアはまるで大人の女性のように流暢に喋っていた。私はメアが大人の女性になる過程を見たかった』」
ここで、力が与えられる。
「『エイジ1073年10月10日。スーフーに頼まれて、メアに新たな体を与える事となった。人間のような四足歩行の体ではない。剣だ。メアに与えた様々な力を放つ媒体としたいらしい。メアもやる気だった為、武器鍛冶スキルレベル10の本気を出して作製した剣にメアを埋め込むと、国をも滅ぼせそうな武器が生まれてしまった。盗まれたら、大変な事になりそうだ。スーフーに相談しよう』」
「メア、少し思い出したか?」
『・・・はい。その後に母から使用者制限の力を付与され、それでもなお問題なく扱う事が出来るスサノオという戦士が私を使うようになりました』
「あの遺体か・・・んで、悪魔にこの鍛冶場が襲われて今に至るってわけか。魔毒が充満しているって事は、戦士達は悪魔に血を流させたって言う事だ。ジッパの戦士も優秀だったって証明できたな」
『パァラさん。私は本当に人間だったんですか?』
「ああ、日記にスーフーからの説明もあるけど、読むか?それとも、何か思う事でもあんのか?」
本当は人間でした・・・なんて言われても、心の整理なんかすぐにできるわけがないし、思う事も言いたい事も多いだろう。メアの声は動揺している事を証明するように震えていた。
『悪魔さえいなければ・・・私も皆みたいに暮らせなかったのかなって』
「メア・・・」
『そんなに悲しい感情を漏らさないでください、マーサさん。ショックな事ばかりじゃないです。父と母だと思っていた人達は本当の親だと言う事が分かりましたし、両親の愛が知る事が出来ました・・・それに、この体にならなければ皆さんと出会えてませんでしたし!!』
「それはそうだなぁ!聖剣メア!良い事言うじゃねぇか!!」
「聖剣さん・・・!!」
『すぅ~・・・整理がつきました。これが私の運命だったんです!皆さん!ここまで私を導いてくれてありがとうございます!!そして、妥当悪魔の為に頑張りましょー!!』
心の整理が付いたのか、声色が元の元気なものへと戻る。メア、君が良いのなら、俺はそれで─────。
「あら、良い事言うじゃない。石ころのくせして」
上手くまとまりかけたマーサ達の会話に横槍が入る。その横槍は漆黒の羽に覆われており、非常に煽情的な肉体を持っていた。
6日前、農村を襲った中級悪魔だった。
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