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5章 400年の輪廻転生

162話 再びあの遺跡へ

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「・・・久しぶりに来たな」

『ですね。ここから私とマーサさんの旅は始まったと思うと感慨深いですね』

「だな」

 パァラ曰く、遺跡の正体はジッパの典型的な民家らしい。400年前とはいえ、生活感が漂っていた理由はそれか。

「ここは魔毒は無いのか?」

「無い。魔毒が漂ってるのは地下からだ。今のうちに飲んでおいた方が良いぞ」

「それなら一本くれパァラ。美味いやつをな」

「良薬口に苦しだ。文句は言うなよ」

 ベルセルクに続くように薬を飲み干していく。味は・・・うん、パァラの警告通りだ。

「それじゃあ行くとしますか」

 民家にできた階段で地下に降りていく。地下は相変わらずジメジメしており、吸う空気はなんだか・・・不快だ。吸うだけで肺が汚れていくのが分かる。

「解毒剤は効いてるんだよな?」

「気分は悪くねぇだろ?つまり効いてるって事だ。今の所はな」

 今いる場所は、俺が追放されて旅に出てから最初に入った雨宿りの場所。ここの魔毒の濃度はとても低く、正直言って体に害はない。

 虚しくは亡くなってしまったジッパの戦士達の遺体は5ヶ月半前と変わらず健在している。メアの前の持ち主だった戦士も。

「鍛冶屋、もしかしてコイツ・・・聖剣メアの使い手だったんじゃないか?」

 同じ神の使いとしてのシンパシーか、ベルセルクはなんとなく分かるみたいだ。

『はい。ハンスさんに負けず劣らずとても腕の良い戦士でした・・・』

「そいつは残念だ。一度手合わせ願いたかったんだけどな。いや、同じスキルの神の使いだからほぼ不可能か」

 そもそも時代が違うので無理というのは野暮なので言わないでおこう。

「メア、魔毒の濃度とかって分からない?知れたら嬉しいんだけど」

『そもそも、悪魔の血である魔毒が気体化してる事自体、私が生まれた時代では無かった事なのでやったことはありませんが・・・悪魔を探知する要領で濃度が分かるかもしれません』

「良いね、聖剣っぽくなってきたじゃん」

『元から聖剣ですって!・・・・・・あっ、いけました。分かりやすいようにレベル表記で行きます』

 本当に早い。ちゃんと調べたのか疑いたくなるレベルだが、今のメアはとても信用できるので大丈夫だろう。

『今私達がいる場所はレベル1。1年過ごしたら死に至るレベルの濃度です。そして、今から私達が向かう最深部までの道の濃度はレベル3。2時間で死に至るレベルの濃度です』

「MAXは5かな?ありがとう。最深部への道は俺達が降りてきた階段の真っ直ぐの先にある階段で良いんだよね?」

『はい、そこで大丈夫です。行きましょうマーサさん』

 少し前のメアからは信じられない程にその声は勇気と自信で満ち溢れていた。
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