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5章 400年の輪廻転生
160話 最高傑作の白鉄剣
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「何?話って」
「まず、これを見てくれ」
パァラがポケットから取り出したのは、赤黒い液体が入った小瓶。これはもしかしなくても悪魔の血液・・・魔毒だ。
「悪魔の血がどうしたんだ?」
「この悪魔の血は、2ヶ月半前に下級悪魔から摂取したものだ。そして────」
また同じ容器に入った悪魔の血液が俺の手のひらに置かれる。しかし、全く同じというわけではない。
「2ヶ月半前のと比べて明らかに色が黒いような気がするんだけど・・・」
「そうだな。2つ目の血液はこの農村を襲った下級悪魔のものだ。そして、この血液には2ヶ月半前の血液の倍の魔毒が入ってたんだ。それを証明するかのように今回お前はこの血を浴びて死にかけただろう?」
「ああ。2ヶ月半前は死ぬどころか、元気だった。一体何が原因なんだ?」
「現状は分からん。個体差しか説として挙げられねぇ。そこで聞きたいんだが、お前は何でだと思う?」
「パァラよりも頭の悪い俺に聞くのか?」
「俺とマーサは違ぇ。お前にしか出せない答えがあるはずだ」
俺なりの答え・・・そういえば、オストリッチ・・・チョーダは一刀両断されるまで何処か不調で本気を出せていなかったのに、切断されてから数分後に再生と明らかなパワーアップを果たしていた。
そして、この農村を襲っていた悪魔。中級悪魔の強さは戦っていないので不明瞭だが、下級悪魔となら戦ったので分かる。明らかに強くなっていた。個体差という線も大いにありえるが、それにしてはあまりにも格差がありすぎる。そんな中、俺の口から自然と出てきた言葉は────。
「パワーアップ・・・?」
「ああ、なるほど!パワーアップねぇ・・・説としてはありだな」
「そうか?」
「魔毒はその時のパワー・・・実力によって濃度が変わってくる。乳牛が調子が悪い時には乳の量で質が下がるみたいなもんだろ。パワーアップの原因はまるで分からんけどな」
「パワーアップの理由が分かった時、俺ら人間達が悪魔達に対しての勝機が見えてくるってわけか・・・」
「研究のしがいがありそうだな・・・それとも、話が通じる悪魔でも探して吐かせようか」
「悪魔に自白剤って効くのか?」
「いや、多分効かねぇと思う。血液に強い毒への耐性があった。多分小手先のテクニックじゃ無理だ」
「因みにメアは知ってるのか?悪魔達が強くなる条件」
『いえ、全く。ですが、はっきりと言えるのが、401年前に蔓延っていた悪魔達は、農村を襲った悪魔達よりも遥かに強かったという事です。そして、魔毒はもっと即効性の毒でした』
パワーアップにはまだ上があると言う事か。ベルセルクが聞いたら興奮ものだろうが、俺みたいな非戦闘員からしたら恐怖でしかない。
「そんな悪魔達をぶっ殺す為にも強い剣を作らなきゃですね!!」
「言い方が物騒だよ、ルッタ」
下級でも完全に人間の上位互換と言っても過言ではない生物悪魔。そんな悪魔が10年もかけて光鉱石とシャイニングを掘って隠していたという事実。
グリット合金の作成成功と、悪魔のパワーアップの原理の追求。その2つを目標にして動く事にしよう。その前にまずはルッタの剣を打つ事にしよう。
鍔も刃側だけ研いでつばぜり合いになった時に相手を刺せるようにしよう。そんでもって、十字架に見えるように鍔も剣もまっすぐに。鞘は白色の鉄が見栄えよくするために茶色の牛革を使おう。それと、宝石がいくつかある。彼女も立派な戦士なんだから鍔に埋め込むのも良いな・・・。
ルッタの新しい相棒作りはここ半年で1位2位を争う面白さだった。とにかく、楽しく美しくそして、打たれ強い白い鉄剣が12時間後に完成した。
会心の出来だ。名前は何にしよう・・・あっ、そうだ!!
「『ジャッジメント』・・・完成だ」
「良いですね!最高です!!」
ルッタがジャッジメントを握った瞬間、ジャッジメントは真に剣として完成した。思わず涙が出てしまいそうになった。
「まず、これを見てくれ」
パァラがポケットから取り出したのは、赤黒い液体が入った小瓶。これはもしかしなくても悪魔の血液・・・魔毒だ。
「悪魔の血がどうしたんだ?」
「この悪魔の血は、2ヶ月半前に下級悪魔から摂取したものだ。そして────」
また同じ容器に入った悪魔の血液が俺の手のひらに置かれる。しかし、全く同じというわけではない。
「2ヶ月半前のと比べて明らかに色が黒いような気がするんだけど・・・」
「そうだな。2つ目の血液はこの農村を襲った下級悪魔のものだ。そして、この血液には2ヶ月半前の血液の倍の魔毒が入ってたんだ。それを証明するかのように今回お前はこの血を浴びて死にかけただろう?」
「ああ。2ヶ月半前は死ぬどころか、元気だった。一体何が原因なんだ?」
「現状は分からん。個体差しか説として挙げられねぇ。そこで聞きたいんだが、お前は何でだと思う?」
「パァラよりも頭の悪い俺に聞くのか?」
「俺とマーサは違ぇ。お前にしか出せない答えがあるはずだ」
俺なりの答え・・・そういえば、オストリッチ・・・チョーダは一刀両断されるまで何処か不調で本気を出せていなかったのに、切断されてから数分後に再生と明らかなパワーアップを果たしていた。
そして、この農村を襲っていた悪魔。中級悪魔の強さは戦っていないので不明瞭だが、下級悪魔となら戦ったので分かる。明らかに強くなっていた。個体差という線も大いにありえるが、それにしてはあまりにも格差がありすぎる。そんな中、俺の口から自然と出てきた言葉は────。
「パワーアップ・・・?」
「ああ、なるほど!パワーアップねぇ・・・説としてはありだな」
「そうか?」
「魔毒はその時のパワー・・・実力によって濃度が変わってくる。乳牛が調子が悪い時には乳の量で質が下がるみたいなもんだろ。パワーアップの原因はまるで分からんけどな」
「パワーアップの理由が分かった時、俺ら人間達が悪魔達に対しての勝機が見えてくるってわけか・・・」
「研究のしがいがありそうだな・・・それとも、話が通じる悪魔でも探して吐かせようか」
「悪魔に自白剤って効くのか?」
「いや、多分効かねぇと思う。血液に強い毒への耐性があった。多分小手先のテクニックじゃ無理だ」
「因みにメアは知ってるのか?悪魔達が強くなる条件」
『いえ、全く。ですが、はっきりと言えるのが、401年前に蔓延っていた悪魔達は、農村を襲った悪魔達よりも遥かに強かったという事です。そして、魔毒はもっと即効性の毒でした』
パワーアップにはまだ上があると言う事か。ベルセルクが聞いたら興奮ものだろうが、俺みたいな非戦闘員からしたら恐怖でしかない。
「そんな悪魔達をぶっ殺す為にも強い剣を作らなきゃですね!!」
「言い方が物騒だよ、ルッタ」
下級でも完全に人間の上位互換と言っても過言ではない生物悪魔。そんな悪魔が10年もかけて光鉱石とシャイニングを掘って隠していたという事実。
グリット合金の作成成功と、悪魔のパワーアップの原理の追求。その2つを目標にして動く事にしよう。その前にまずはルッタの剣を打つ事にしよう。
鍔も刃側だけ研いでつばぜり合いになった時に相手を刺せるようにしよう。そんでもって、十字架に見えるように鍔も剣もまっすぐに。鞘は白色の鉄が見栄えよくするために茶色の牛革を使おう。それと、宝石がいくつかある。彼女も立派な戦士なんだから鍔に埋め込むのも良いな・・・。
ルッタの新しい相棒作りはここ半年で1位2位を争う面白さだった。とにかく、楽しく美しくそして、打たれ強い白い鉄剣が12時間後に完成した。
会心の出来だ。名前は何にしよう・・・あっ、そうだ!!
「『ジャッジメント』・・・完成だ」
「良いですね!最高です!!」
ルッタがジャッジメントを握った瞬間、ジャッジメントは真に剣として完成した。思わず涙が出てしまいそうになった。
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