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5章 400年の輪廻転生

150話 メアと冒険してきたのは誰と誰と誰と誰?

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「でも、パァラさんが何とかしてくれるというのなら、きっと何とかしてくれますね!!だって、毎回何とかしてくれましたもん!」

「ああ、だから魔毒問題は問題にならないと思ってる。後は、ルッタが同行するか否かだ。正直言って、今回は本当に危険だ。地図も無ければ、死の危険性もある。今までとは比べ物にならない程に危ない旅だ。だから、1日じっくりと──────」

「考えるなんて必要ありません!わたしは行きます!!行って聖剣さんの力を取り戻すのを手伝います!!」

「待て待て!後先考えなさすぎだ!これは俺の問題であって、君の問題ではない!なのに、命を懸けるのはあまりにもばかばかしいだろう!?」

「・・・マー君、それ本気で行ってますか?」

 ルッタの表情が一気に険しいものになる。どうやら彼女の地雷を踏んでしまったようだ。

「これはマー君だけの問題ではありません!わたし達の問題です!だって、聖剣さんはわたし達の友達であり、背中を任せられる仲間なんですから」

 ・・・俺はなんて独りよがりな考えを取っていたんだろう。彼女の言う通りだ。メアを拾ったのは間違いなく俺だ。しかし、メアの力を取り戻してきたのは決して俺の力だけではない。ルッタやパァラ、ベルセルクの力が無ければ強くなっていなかった。

 それを忘れていただなんて・・・俺はとんでもない大馬鹿だ。

「悪かった、ルッタ。俺が間違ってたよ。確かに君の言う通りだ」

「でしょう?」

「ああ、皆で行こう。そして、メアを治して一緒に悪魔を迎え撃とう!!」

「おおーーーーー!!!」

 この時、マーサには柄になく、ルッタに合わせて腕を上げた。



 その日の夜、マーサは晴れやかな気分でベッドに入り、眠りに付くのをゆっくりと待っていた。その間、マーサはメアとの会話を楽しんでいた。

『ルッタさん、本当にいい子ですね』

「なに当たり前の事言ってるんだよ。そんなの常識だろう?」

『常識でも口にしたくなるんですよ。マーサさん、貴方は本当に良い友人と出会えましたね』

「・・・いきなりどうしたんだ?しんみりしちゃって」

『いえ、もし私が元の力を取り戻したとして、その後はどうなるのかなと思いまして・・・』

「ああ、そういう事ね」

 メア・モークの生まれた理由は悪魔王を討伐する事。それが400年ぶりに果たされた時、役目を終えた事になる。人間ではなく、道具であるメアは、その後を考えるのが難しいのだろう。

「それじゃあ、パァラに頼んで動ける体を作ってもらったら?そんで、色んな所を旅するのもいいし、のんびり暮らすのも良い。最高の人生を送りなよ」

『フフッ、それは良いですね』

 後の事は後で考えれば良い。大丈夫、きっと良い事が待っているさ。
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