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5章 400年の輪廻転生
149話 ベルセルクの教え
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ベルセルクの手の中に収められる木製の大剣。殺傷力は低いと分かっているのに、迫力がある。
対峙するルッタの手は若干震えている。
「ベルセルク、やりすぎるなよ?」
「任せとけぇ!!合図は任せたから!!」
胸が膨らむまで空気を吸い─────。
「始めっっ!!」
始まりの合図をした瞬間、ルッタが地面を蹴って、一気に距離を詰めていく。ベルセルクが大剣を振り回せない距離感だ。
「もらった!!」
しかし、経験値が圧倒的に違った。ベルセルクはルッタの模造剣を既で掴み、体に当たるのを未然に防いだのだ。
「えっ!?ずるいですよ!師匠!!」
「おバカ!これは剣の訓練じゃない!戦いの訓練だ!ずるもへちまもあるか!!」
片手でそのまま掴むと、模造剣ごとルッタを掴み、10m程ぶん投げた。
「はい、オレの勝ち~~何で負けたか明日までに考えといてくださいね~~」
「むぅ~~リアルな戦いを想定した試合なら、師匠は模造剣を掴んだ時点で手の平が切れて血だらけです!!」
「そうだな。だが、オレには再生のスキルがある。その程度の傷なら1分もすれば跡形もなくなるさ」
殺し合いを想定した試合ならば、その人間の持つスキルも視野に入れなければならない。その事を教えたかったようだ。
「そうでしたね!!流石は師匠!!」
少し意地悪とも見える指導すら真面目に受けとめる。それがルッタの良いところでもある。
「てな感じで今日の訓練は終わり。教官、今日は早めに上げてもいいですかね?」
「ああ、構わんよ。お疲れ様」
「はい!!お疲れ様です!教官!!」
笑顔で手を振ると、強面の教官も頬を緩めて手を振る。修羅場を潜り抜けさせるために鬼になる教官の心をもつかんでしまったというのか?
「訓練を早めに切り上げてどうしたんですか?ギルドの依頼を受けに行くんですか?」
「うんにゃ、違う。今から3日後の外出に向けて準備をする」
3日後と言えば、俺とベルセルクが北の森の遺跡に向かう日だ。まさか、ルッタも向かわせる気か?
「待て、ベルセルク。あそこは危険だ。ルッタを連れてはいけない」
「でも、嬢ちゃんの故郷付近にあんだろ?例の遺跡は。なら、案内を任せた方がいいんじゃねぇか?」
「それはそうだけど・・・」
「2人とも!一体何処に行くんですか?」
「ああ、実は──────」
今までの話を丁寧に説明すると、ポン!と手を叩いた。
「成程!あの遺跡ですか!確かに誰も調査した事が無いかもしれません!!いえ、調査出来なかったって言った方がいいでしょうか?」
「というと?」
「わたしが生まれる遥か前に若かった今の村長が調査に向かって2日程入ったらしいのですが、致死量の6倍の毒を体内に取り込んでしまったみたいでして、それ以降調査はありませんでした!」
やはり、あの村長の強さは昔からだったのか・・・。
対峙するルッタの手は若干震えている。
「ベルセルク、やりすぎるなよ?」
「任せとけぇ!!合図は任せたから!!」
胸が膨らむまで空気を吸い─────。
「始めっっ!!」
始まりの合図をした瞬間、ルッタが地面を蹴って、一気に距離を詰めていく。ベルセルクが大剣を振り回せない距離感だ。
「もらった!!」
しかし、経験値が圧倒的に違った。ベルセルクはルッタの模造剣を既で掴み、体に当たるのを未然に防いだのだ。
「えっ!?ずるいですよ!師匠!!」
「おバカ!これは剣の訓練じゃない!戦いの訓練だ!ずるもへちまもあるか!!」
片手でそのまま掴むと、模造剣ごとルッタを掴み、10m程ぶん投げた。
「はい、オレの勝ち~~何で負けたか明日までに考えといてくださいね~~」
「むぅ~~リアルな戦いを想定した試合なら、師匠は模造剣を掴んだ時点で手の平が切れて血だらけです!!」
「そうだな。だが、オレには再生のスキルがある。その程度の傷なら1分もすれば跡形もなくなるさ」
殺し合いを想定した試合ならば、その人間の持つスキルも視野に入れなければならない。その事を教えたかったようだ。
「そうでしたね!!流石は師匠!!」
少し意地悪とも見える指導すら真面目に受けとめる。それがルッタの良いところでもある。
「てな感じで今日の訓練は終わり。教官、今日は早めに上げてもいいですかね?」
「ああ、構わんよ。お疲れ様」
「はい!!お疲れ様です!教官!!」
笑顔で手を振ると、強面の教官も頬を緩めて手を振る。修羅場を潜り抜けさせるために鬼になる教官の心をもつかんでしまったというのか?
「訓練を早めに切り上げてどうしたんですか?ギルドの依頼を受けに行くんですか?」
「うんにゃ、違う。今から3日後の外出に向けて準備をする」
3日後と言えば、俺とベルセルクが北の森の遺跡に向かう日だ。まさか、ルッタも向かわせる気か?
「待て、ベルセルク。あそこは危険だ。ルッタを連れてはいけない」
「でも、嬢ちゃんの故郷付近にあんだろ?例の遺跡は。なら、案内を任せた方がいいんじゃねぇか?」
「それはそうだけど・・・」
「2人とも!一体何処に行くんですか?」
「ああ、実は──────」
今までの話を丁寧に説明すると、ポン!と手を叩いた。
「成程!あの遺跡ですか!確かに誰も調査した事が無いかもしれません!!いえ、調査出来なかったって言った方がいいでしょうか?」
「というと?」
「わたしが生まれる遥か前に若かった今の村長が調査に向かって2日程入ったらしいのですが、致死量の6倍の毒を体内に取り込んでしまったみたいでして、それ以降調査はありませんでした!」
やはり、あの村長の強さは昔からだったのか・・・。
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