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5章 400年の輪廻転生

147話 マーサとハンス

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 パァラの言う通り、3日待つ事に決めた俺は、一旦家に帰り、ベルセルクの得物作りに集中していた。

「そういえば、オレら悪魔達と戦ったわけじゃん?」

「ああ、戦ったな」

「特にオレなんかはイカれてるから最前線で戦ったわけだ」

「自覚あったのかよ・・・」

「あるさ。なんたって、スキルに狂暴っていうのがあるからな」

「初めて聞くスキル名だけど、絶対に常人じゃ扱い切れないのだけは分かるよ」

「おいおい、褒めんなよ~~」

 話の内容が大分ずれてしまった。何だったっけ?確か悪魔との戦いだったな。

「オレはその時に大量の悪魔の血を浴びたわけだ」

「ああ、赤黒い血を水浴びのように浴びてたな。それがどうしたんだ?」

「んでもって、悪魔の血にはこの世界の生き物には有害な毒になってるんだろう?」

『そうですね。触れるだけでも死に至るほどの危険性を持っているのが魔毒です。そして、ハンスさんはそれをガッツリ浴びた。にも関わらず、ハンスさんは健康のままです』

 確かに言われてみればそうだ。俺も若干体にかかってしまったが、特に体調不良は起こしていない。

「なんか理屈でもあるのかな?」

『すみません、よくわかりません・・・悪魔の研究はまるでされていなかったので』

 正しくいうなら、研究する余裕がなかったのだろう。

「そもそも、悪魔は一体どうやって城下町に潜伏し始めたんだ?」

「400年前に残った奴らの生き残りじゃね?」

 ベルセルクの呟いた説が1番あり得るだろう。あまり深く考えなくても良さそうだ。

「となると、他の場所にも悪魔は隠れてるってわけか。しかも数が分からねぇ・・・」

「見つけ次第潰すしかないな。その為にも、早くオレの新しい相棒を作ってくれなんし~」

「なんしって何だよ。一体どこの言葉だ?」

「しらね~。おっ、何だよ形は出来てんじゃん!あとは研ぐのを待つだけだけか?え?」

「武器鍛治スキルレベル6舐めんな。ほらよ」

 マーサが完成させたのは、切先がない処刑人の剣によく似た大剣だ。真ん中には、重量削減のために溝が彫ってある。

「成る程!悪魔の処刑人になれって事か!お前もセンスあるな!」

「そりゃどうも。それじゃ、ほれ。払えよ」

 ハンスに向かって手のひらを向ける。ハンスはその手に金貨を乗せる事はなく、代わりに握り返した。

「金はあるが、契約だ。オレも鍛冶場探しに協力する」

「俺が1人で探そうとしてたのを知ってたのか?」

「勘だな。だって、お前優しいし。多分、皆を巻き込みたくないとか思ってそうだしな。でも、契約なら後腐れもクソもないだろ?」

「・・・そうだな」

 マーサはハンスの手を強く握り返した。
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