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5章 400年の輪廻転生

146話 メアとの出会いに思いをはせる

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「マーサ、こっちの指示があるまで来るなって言ったろ。まあ、禁断症状出てたからナイスタイミングだったけどな」

「前は5日はもってなかった?」

「前は4日だな。回数を重ねるごとにひどくなってる」

 マーサは既に2ヶ月もの間ニコに甘えん坊のような態度を取られている為、若干慣れてしまっている。

「それで?俺に何のようだ?指示を無視してまで尋ねてきたんだ。それなりの理由があるんだろ?」

「ああ、実は・・・」

 光鉱石とシャイニングの融点が高く、最新型の溶炉でも溶かす事ができない事、ジッパの失われた技術の中にこれら2つの石を溶かす方法があると考えた事を話す。

「ああ~忘れた。そういえば、光鉱石って融点めっちゃ高いんだっけ」

「知ってたのね・・・それで融点はどのくらいなの?」

「4500度」

「・・・はぁ?」

「ダイヤモンドより1000度上の4500度だよ。因みにシャイニングはちょっと下がって4200度だ」

 とてもじゃないが、今の技術ではそんな温度は出せない。

「じゃあ、魔法で出せばいいじゃねぇか。駄目なのか?」

「溶炉が耐えきれなくなると思う。これはどう考えても無理だ・・・」

『マーサさん!絶望する為にここに来たわけじゃないでしょう!?』

 そうだった。あまりにも高すぎる融点に思わず目的を忘れていた。俺が聞きたかったのは、ジッパの鍛冶の技術だ。

「でも、ジッパはグリット合金を作ったんだろ?」

「ああ、確かに作ったな。どうやって作ったのかは知らねぇけどな」

「もしかしたら、ジッパの遺跡として鍛冶場が残ってるんじゃないかな?」

「可能性としてはあるな・・・1つだけだけどな」

 流石はパァラと称賛すべきだろうか?既に調査は粗方終わってしまっているようだ。

「城下町から北に向かった先に小さな森があるんだ。そこに俺がまだ調査してねぇ遺跡がある」

「北の森・・・あぁ、ルッタの故郷がある森じゃん」

「もしかしてお前らが調べちゃった?」

「いや、オレは調べてねぇな。マーサだけじゃねぇのか?」

「うん、俺だけ。なんたってあそこでメアを見つけたからな」

『ああ、あそこでしたか。もう5ヶ月と半月になりますね。かなり経っているのにほんの少し前のように感じます』

「メアを見つけてから怒涛の日々だったからね」

「ああ、前言ってたところか。他には何かあったのか?」

「いや、調べなかった。そういうよりも調べたくなかったって言った方が良いかな?あそこに数時間いたら気分悪くなっちゃって」

『恐らく、悪魔の血であり、この世の生物全てに有害な『魔毒』が気化して地下に充満していたからでしょうね』

「魔毒か・・・3日ぐらい待ってくれねぇか?準備するから」

「?・・・ああ、分かったよ」

 何の準備かは分からないが、パァラの事だから何か対策を練ってくれるのだろうと期待を込めて、話を切り上げ、帰ろうとしたのだが、ニコが中々離れない為、10分以上かかってしまった。
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