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5章 400年の輪廻転生

144話 融点が高い

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 城下町の立て直しが終わってから数日。俺は一本の大剣を作成していた。

「まだか?まだか?早くしてくれよ~~完成が待ち遠しい!!」

「落ち着いて待っててくれ。ちょっと・・・いや、かなり気が散るから」

 依頼主はベルセルク。彼の得物はチョーダとの戦いで壊れてしまったからだ。

 使用する金属は白銀。吸血鬼などに有効とされる金属だ。

「何で銀なんかで作るんだ?オレは鉄でもなんでもいいっていうのに」

「これから銀が効きそうな敵を相手にするかもしれないからだよ」

「もしかして・・・悪魔の事言ってるのか?」

「それ以外考えられるか?」

「いいや、想像できねぇな」

「だろ?」

「銀が効く所も想像できねぇな」

「そうか?俺は想像できる」

 違う。ベルセルクの言いたい事はもっと別の事だ。銀よりも適正のある素材を何故使わない?だ。

「光鉱石があんだろうがよ。悪魔には光属性の魔法が良く効くんだろう?何で使わない」

「使わないんじゃない。使えないんだよ」

「はぁ?どういう事だよ」

「光鉱石を溶かそうとしても・・・融点が高すぎるせいで溶かせないんだよ」

 鉄の融点は約1500度。俺の家に設置された溶炉は本気を出したら2000度まで上げる事が可能となっている。

 しかし、残念な事に光鉱石はその程度の熱では溶けてはくれないようだ。

「グリット合金に必要なシャイニングもそう。融点が高すぎて溶けない!!」

「てか、宝石って溶けるの?」

「ダイヤモンドは溶ける。融点は3000度を超えてるけどな」

「そんな事する物好きがいるんだな。他の所では試したのか?」

「他の所と言ったらギルド内の鍛冶場か、城下町の端っこにある老人が運営してる場所があるけど、俺の家に設置されてるのが最新型だよ」

『それで、私の体はレイピアになったというわけですか・・・』

「いやならほじくり出してやるぞ」

『いえ、意外とスリムで可愛いので好きですよ。今のからだなら斬撃じゃなくて、槍みたいな光が出せますから!!』

「聖剣メアは相変わらず元気だな。本来の力を取り戻したからか?」

 悪魔との接触により、覚醒のような現象が起き、スキルレベルが6の状態をキープしている。しかし、それ以上上がらない事から察するに、グリット合金で作った剣でないとフルパワーは取り戻せないのだろう。

「そんじゃあ、詰みか?」

「いいや、まだグリット合金を作れる可能性は残ってる」

「ほう、それは何だ?」『ほほう、それはなんですか?』

「おいおい、忘れたのか?知識においては最高に頼れる400歳の性転換野郎がいるじゃん」

「ああ~~確かに!!」

『確か趣味でジッパの事を調べていたと語っていましたね。あの方なら今ニコさんの家で指導をしていますよ』

「情報ありがとう。じゃあ、行くとしますか」

 困った時は、パァラに聞いてみる。それが一番だ。
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