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4章 全ての元凶

141話 戦いの余韻

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 チョーダの頭を砕いた瞬間、心の中で燻っていたモヤモヤや怒りが消え去るのを感じた。先程感じなかったのは、チョーダを仕留めきれていなかったという警告だったのだろうか。

 チョーダだったモノが散らばった床を見る。それは既に肉塊であり、生き物ではなくなっていた。

「・・・ちょっとやりすぎたんじゃないか?」

「ああでもしなきゃ仕留められなかったろ?文句言うんじゃねー」

 ベルセルクの言う通りなのだが、これだとみんなにどう説明すればいいのか・・・オストリッチは実は悪魔で、チョーダという名前でした!などと言って信じてもらえるだろうか。

「少なくとも、俺は信じるぜ。マーサ」

「リッキー!?」

 振り返ると、謁見の間の出入り口の付近の壁に少し傷を負ったリッキーが寄りかかっていた。額や腕から血を流しているが、命に別状はないようだ。

「一体いつからいたんだ?」

『チョーダをハンスさんが一刀両断した時に丁度きていました。それよりも大事が起きていたので言えませんでしたが』

「てことはこの惨状になる前からいたってわけか」

「お前が大事そうに持ってきてた剣が喋ってたのも見たぜ、その話はあとでじっくりとしようじゃないか」

 リッキーになら話しても問題はないだろう。金が大好きな人間ではあるが、他人の物を盗むような人間ではないし。

「そっちは終わったのか?」

「多分、終わったんじゃないかな?俺は途中で抜け出してお前らの手助けに来たから最後は分からない。でも、必要なかったみたいだな」

「んな事ぁねぇよ。証人が出来たんだからな」

「あ、喋り方が最初に会った時と同じになった。そっちも後で話は聞かせてもらうぜ」

 流石は熟練の冒険者と言った所だろうか、奇天烈な仲間達に冷静な態度を取っている。

「おかしいと思ったんだ。マーサのダチが普通なわけないってな」

「それ馬鹿にしてんの?」

「いいや、褒め言葉さ。マーサが連れてこなかった3人がいなければ、俺達はオストリッチ・・・じゃなかったチョーダに殺されてた」

「それを言うなら俺もだ。リッキー達がいなかったら俺は今頃───ん?地震か?」

 老朽化が激しい城だ。崩れかけているのかもしれない・・・と思ったが、揺れの元はベルセルクが動かした玉座からだった。

「何やってんの?」

「俺がハンスに頼んだんだ。玉座付近の床だけ妙に擦り傷が多かったからな。玉座をどかしたら何かあるんじゃねぇかと思ったんだが・・・予想は的中したみたいだな」

 ベルセルクがどかした玉座の下には、下へと続く階段が存在していた。
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