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4章 全ての元凶

119話 反撃作戦、開始

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 夜がやってきて、太陽がやって来る。そして、再び夜がやってきた。

 天気は快晴。気分と体調はまあまあ。道具と作戦は完璧。絶好の作戦決行日和だ。

「改めて、作戦内容を確認する。俺らの目的は大きくわけて2つ!オストリッチを捕縛又は殺害。そして、ギルド長の救出だ」

「水を差すようで悪いが、そのギルド長って奴が殺されてる可能性は?」

「ある。しかし、生きている可能性もある。俺達は生きている事を願っている」

「まあ、そっちの方がモチベーションアップとしては良いよな」

 酒場に集まっているのは、マスターを除いた6人。リッキー、ニコ、俺、ルッタ、パァラそして、ベルセルクだ。

「潜入ですか・・・!!今からワクワクが止まりません!!」

「確かに心拍数は上がってるな。緊張で」

「ここで、各々が向かう隠れ家の場所を再確認する。まず俺ことリッキーは地下牢。ハンスの兄貴は教会地下。噴水の真下はルッタちゃんとパァラちゃん。そして、マーサとニコはギルド地下に向かってくれ」

「オレが向かう教会地下と、噴水の真下は町の外からは入れる地下水道から行けばいいんだよな?」

「ああ。そしてこれが複製しておいた地図だ。作りは粗いが、きっと役に立つ。そして、ギルドの地下は・・・説明しなくても分かるな?」

 ギルドはいわば、俺の実家のような場所だ。構造は完璧に把握している。地下が元は物置きだった事も。

「ギルドは現在オストリッチ派の冒険者達が寝泊まりに使っている。今の時間帯は酒を飲んで寝ているはずだ。足音さえ立てなければバレる事はない」

「なら楽勝ね。この中でも特に戦闘能力が低いアタシとマーサを向かわせて正解だわ。他の場所には番人だったり、魔物がいそうだもの」

「油断するなよ?オストリッチ派の冒険者達は常に三大欲求に飢えている。もし見つかったら・・・とんでもない事になるぞ」

「アタシが一度でも捕まった事ある?」

「無・・・いな。逆に捕まえた事も無い。恋した男をな」

「死ね」

「あだぁ!?」

 リッキーのデリカシーの無い発言に、ニコは怒り、脛をつま先で思い切り蹴る。今のはどう考えてもリッキーが悪いので庇う必要は無い。

「さ、行くわよ。マーサ。くれぐれも足は引っ張らないでね」

「分かってるよ・・・それじゃあ、行ってくる」

 荷物は最低限の物を持っていく。メイン武器の戦鎚と少量の薬。メアは、有資格者であるハンスが持っていく事となった。

「マー君!気を付けてくださいね!!」

「ああ、そっちもね」

 ルッタに激励されながら地上へと向かう。その時、パァラの横を通り過ぎたのだが───。

「便利腕輪を忘れるなよ?」

 と耳元で囁いてきた。勿論、右腕に付けてあるので安心して欲しい。

「オレもぼちぼち行くとしますか・・・」

「師匠とは途中まで一緒に行動します!!」

「私もハンスお兄ちゃんについてく~~」

「俺も地下牢に行くとしますか・・・マスター。朝までに帰ってこなかったら皆によろしく頼む!!」

「もしもの事なんて考えるなバカヤロー!!絶対に帰って来い」

 待っていてくれ、ノックさん・・・。

 反撃作戦、開始。
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