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4章 全ての元凶

117話 リッキーに直訴

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「────と言うわけで、俺達は明後日の夜に作戦を実行する!!お前らは不自然に思われないようにいつも通り活動してくれ」

「「「「「応っ!!」」」」」

 そんなに難しい作戦ではない為、説明は5分程で終わった。手が一瞬だけ空いたリッキーに直訴しにいく。

「リッキー。ノックさん・・・ギルド長が行方不明になってるって本当か?」

「マーサ!?一体誰からその事を・・・いや、1人しかいないか。ニコ!!」

「1人だけ教えられていないのは可哀想だと思ったの。アンタだって逆の立場だったら怒るでしょ?」

『それはそうだけどよ・・・」

 どうなら皆して俺にノックさんが行方不明な事を教えるのを控えていたようだ。

「何で教えてくれなかったんだ!!」

「そうなるからだよ。一旦深呼吸して冷静になれ。お前はギルド長が捕まったって聞いた瞬間、どうなった?」

「オストリッチに対する怒りが込み上げてきた・・・」

「だろ?それを予想してたから言わなかったんだ。良いな?」

 冷静に判断が出来なくなる事を見込んで話さなかったのか。なら、良い判断かもしれない。深呼吸をしても俺は全く落ち着いていないからな。

「ノックさんの救助は俺に任せてくれ。きっと、ギルド地下にいる」

「周知の事実だと思うが一応言っておくぞ。ギルド長は元冒険者で、それなりに強い。そんな人をオストリッチが1人にするわけがない。確実に敵が待ってるぞ」

「待ってるって言ったって、オストリッチ派のチンピラ冒険者だろ?この3ヶ月半で俺も強くなったし、ニコもいる」

「アタシも別に戦闘向きの冒険者じゃないけどね。オストリッチ派の冒険者なら楽勝よ」

「・・・・・・分かった。じゃあ、任せて良いんだな?」

「ああ、ギルド地下は任せてくれ」

「まあ、あくまで推測だからいるかは分からないけどね。それでも、罠の設置だけはしておくから安心して」

「俺達ギルド所属の冒険者だけじゃない。この城下町全体の運命がかかっている。言いたくはないが、失敗は許されないぞ」

「それも分かっている」

 町を本来守るはずの兵士達も、理由は分からないが、ロクに働いていない。俺らが最後の砦という表現は粗方間違っていないかもしれない。

「ニコ、隠れ家に設置する予定の罠は今の所どうなってる?」

「30秒吸い続けたら呼吸困難になって死ぬ毒ガスが出るトラップを作ってる。今の所3つ完成したわ」

「予備が欲しいな・・・残り5つ作れるか?」

「素材が足りないから無理」

「分かった。じゃあ、あと1つ頼む。皆は武器を修理出来次第地上に戻ってくれ。ここがバレちまうからな」

「「「「「応っ!!」」」」」

 俺も、修理に戻らなくては・・・。
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