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4章 全ての元凶

109話 ドランククラブ、来店

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「マスター!今帰った!懐かしい顔と一緒にな!」

 豪快に足で蹴り開け、店の中に入る。すると、顔馴染みの店主が少し不機嫌気味に顔を出してきた。

「おい、丁寧に開けろ。ただでさえボロいんだからよ・・・って、マーサ!?お前帰ってこれたのか!?」

「久しぶり、マスター。とりあえず、ブルーベリージュースもらえるかな?」

「わたしもそれ飲みたいです!!」

「俺はミルクと混ぜてくれ」

「俺はカルーアミルク」

「友達まで連れてきちゃってまあ・・・この3ヶ月で人との接し方を知ったんだな」

「まるで俺が今まで人とのコミュケーションが下手くそだったみたいな言い方止めてくれ。ジュースありがとう」

「その通りだろ。実際、コミュニケーション下手が原因でオストリッチに追放されたようなもんだしな。お嬢ちゃん、うちの自慢の一品はどうかな?」

「甘酸っぱくて美味しいです!!」

「そりゃあ、良かった。城下町の現状は知ってるか?」

「町に着くまでに色んな人から教えてもらったよ。俺がいなくなってからこうなったんだって?」

「ああ、いつの間にかオストリッチがギルドを仕切りだすようになってから急速にな。ギルド長は2か月前から行方不明だ。国王も何もアクションを起こさない。本気でマーマンに越そうと思ってる感じだ」

「マーマンに来るなら、良い空き家を紹介してやるぜぇ」

「こっちの金髪のお嬢ちゃんは中年おやじみたいな口調だな。やはり類は友を呼ぶのか」

「俺が変人みたいな言い方止めてくれ」

「「「「いや、変人だろ」」」」

 初対面なのに、ハモらないでくれ。ちょっと落ち込むから。

「でも、良い人です!マー君は!!」

「ルッタ・・・」

 変人と思っている事が他の4人と変わらないみたいだ。多分、今月に入って一番ショックかもしれない。

「だって、お前。顔が良くて女にモテるくせして女の扱い方はまるで分かってねぇ。今まで何人の女を泣かせてきた?」

「えっと・・・7人?」

「15人だ、バカヤロー。その中に俺の従妹がいるのを忘れるなよ?」

「そうよね、本当に酷い男よね」

 聞き覚えのある女性の声が横から聴こえてくる。恐る恐る首を左に曲げると、ホットパンツを履いた若干下半身の露出度高めの錬金術師の女が座っていた。

「や、やぁ・・・久しぶり・・・」

「本当に久しぶり。城下町の外では?」

 ニコ・ラース。以前、俺が食事を酷評してしまい、それ以来会っていなかったギルド所属の冒険者。実に9か月振りに見る彼女の目元は赤く腫れていた。
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