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3章 極悪囚人更生施設サルフル鉱山

81話 ルッタの様子がおかしい

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 光鉱石以外にも最近気になっている事がある。ルッタの動向だ。

 最近の彼女はなんだか元気がない。声量が小さいのは勿論、それを悟られないようにわざと声を大きくしているように感じられる。

 ルッタの様子に違和感を感じているのは俺だけでなく、パァラも同様で、最近は魔法の勉強中の居眠りだけでなく、失敗も多くなったらしい。居眠りも、勉強が退屈だからという眠り方でなく、疲労で眠っているような雰囲気のようだ。

 ご飯はしっかりと食べているし、同じ時間にベッドに入っている。にも関わらず、パァラの次に若い体を持っているルッタがあんなに疲れているのだろう。

 疑問に思っていたわけだが、昨晩やっと理由が判明した。大体深夜の3時頃、ルッタが布団から飛び起き、小屋を飛び出していったのだ。

 最初が尿意か便意を催したのかと思っていたが、1時間経っても帰ってこず、丁度夜が明けた頃に帰ってきて、ベッドに入って俺達が起きるのを待って再びベッドから飛び起きた。

「いやぁーよく眠れました!!今日も頑張りましょう!!」

 いやいやいや、全然眠れてないじゃないか。今更気づいたけど、ちょっと汗臭いし、てか汗だくだし。

「・・・本当によく眠れたか?」

「ええ!?どうしたんですか?マー君。そんな怖い顔しないでくださいよ」

「・・・いや、最近元気が無いから心配しているんだ。何かあったのかなって」

「採掘場の環境に慣れていないのだと思います!!多分!!」

「もう、10日も経つのにか?」

「うぐ・・・そ、それは・・・」

 彼女の不調を感じるようになったのはつい、4日ぐらい前。環境に慣れていないのにならば、最初から不調だったはず。

 それに、ルッタの目は観賞魚の如く泳いでいる。今まで俺に嘘をついた事は無かったので、嘘をつく時のくせなどは不明だったが、今はっきりと分かった。

 そもそも、正直者の彼女が嘘をつく事すら珍しい。恐らく、どんなに問いただしても口は割らないだろう。

「・・・分かった。眠かったらすぐに寝なさい。出発前までには体調は戻しておいてほしいからね」

「え!?良いんですか?本当に良いんですか?」

「パァラには俺から伝えておくよ。朝ごはんも取っておいてあげるからおやすみ」

「やったー!おやすみなさーい!!」

 先程までの元気のなさはどこにいったのやら。眠れると知ったルッタはベッドにダイブし、そのまま眠ってしまった。

「・・・というわけだパァラ。今日の深夜明けておけよ」

「合点承知!」

 パァラは5分前から起きていた。ルッタは結局昼まで起きなかった。
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