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3章 極悪囚人更生施設サルフル鉱山

53話 天才錬金術師が仲間になった

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「─────ってなわけで、コイツらとちょっくら旅してくる。悪いんだけど、俺の家の掃除と立ち入り禁止の看板と結界を張っといてくれないか?ギルド長」

「相変わらずいきなりな上に行動力が高いですね・・・」

 その後すぐに旅立ち!!というわけには行かず、俺達はギルド「シーウォーリアー」のギルド長の元へとお礼とお願いにやってきた。

 厳密に言えば、お願いはパァラのものだが。

「それにしても喋る剣とは・・・齢48にしてこんなにも珍しい物が見れるだなんて、これからの人生も楽しみですね」

 しかもサラッとメアの事も言ってるし。

「ああ、ご心配なく。この事を口外は致しませんので」

「ギルド長の口はめちゃくちゃ硬い。昔、俺がゴロツキに命を狙われた時、居場所を吐くように半殺しにされても口を割らなかった最高の男だからな」

「我慢強いだけが取り柄の男ですので・・・では、パァラさんしばらくのお別れですね」

「おう!そこまで長旅じゃないから心配はしなくて良いぜ!それと、お土産は甘い物と辛い物と甘い物の何が良い?」

「珍味でお願いします」

 こうして、俺とルッタは一日も経たずに港町マーマンを出て行くことになった。

「なあ、そんなに急がなくても良いんじゃないのか?別に急ぎの旅じゃないのだから」

「旅って言うのはな、いきなり出た方がいいんだよ。色々準備してたら、未練やら何やらが生まれて旅立ちたく無くなるからな」

「そんなものなのでしょうか!わたしはいきなりだったので良く分かりません!!」

「まぁ、経験値が違うからな!!いずれ分かるようになるぜ!所でなんだが、何でさっきからメア・モークは喋らないんだ?」

 港町から出たところで、疑問をぶつけるパァラ。周りに自分達以外は人がいないことを確認してから言葉を放ち始める。

『やはり、喋る剣というのは珍しく、下衆な輩に狙われる可能性があるとマーサさんから警告を受けたからです。私自身そんな事はないだろうとタカを括っていましたが、パァラさんを殺した輩を見た事で正しいと感じました』

 なんだかんだで、メアと出会ってから外道な人間とであった事は一度もなかったような気がする。

 メアを分からせるには、面倒だった一連の騒動も無駄では無かったかもしれない。

「そうか?最悪盗まれても問題はないんじゃないか?」

「良くはないでしょう。良くは・・・」

「いや良くはねぇよ?でもさ、最悪盗まれても資格がなけりゃ使えないんだろ?なら大丈夫じゃねぇか」

「その使用者を制限するスキルも弱体化してて、俺でも握りれるんだ。はっきり言って地味に嫌だぐらいの電撃しか流れない」

「成程ね。さっき使えてたのはそれが理由か・・・それも今後の課題だな。頑張れよ?聖剣さん」

『いえ、私には手足が無いので、マーサさんに頑張ってもらいます』

「超他力本願。嫌いじゃないぜ、そういうの」

 こっちからしたらいい迷惑である。
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