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2章 稀代の超天才聖人錬金術師パァラちゃん

48話 知識の小瓶救出作戦

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 聖剣さんを握った時、森の精霊の一件の時とは比べ物にならない程の電撃がわたしの手から全身に走った。

「相変わらずだねねねねなね!!聖剣さんんんんんん!!」

『申し訳ございません、ルッタさん・・・』

 早く彼女を苦しみから解放したいのだろう。メアは光を溜め始めていた。

「良いよ!気にしないで下さい!!で、何処狙えば良いんですか!?」

『サクセスさんの右腕を狙ってください』

「え?」

 てっきり、後ろのタコさんの足を斬ると思ったのでびっくりだ。何が目的なのかは分からない。マー君が走り出しているのも良く分からない。けど、マー君が考えたんだ。きっと上手くに違いない。

「それじゃあ、行きますよ!!聖剣さん!!」

『任せて下さい!!』

「喰らえぇぇぇ!必殺光の剣!!」

『ストレートなネーミングですね』

 刀身から、手の平サイズの小さな三日月型の光が放たれる。放たれた光弾は、螺旋を描きながら飛んでいき、サクセスに向かって走るマーサを追い抜き、サクセスの右腕を意図も簡単に切断してしまった。

「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 相当体は脆いようで、右腕を切断した後も、三日月の光弾は勢いを少し落としただけでとどまり、背後にいるタコさんの額に突き刺さった。

「やった!一発命中!!」

『お見事』

 剣の破損は一部分の刃毀れ程度で済んでいる。流石マー君の作った刀身だけある!!

「でも、マー君は一体何を考えてるんだろう・・・あ、取れた右腕の力が抜けて、手の中から何か出てきました!」

『あれが、マーサさんが求めていた物、知識の小瓶です。後は地面に落ちて割れる前にキャッチできればいいんですが・・・』

 リュックも、戦鎚も地面に置いて、最軽量になった状態での全速力。最近は旅を続けているお陰か、足がスムーズに進む。しかし、このままでは間に合わずに小瓶は地面に割れるだろう。

 小瓶の耐久度はそこまで高くはない。少しでも硬い地面に落ちたらアウト。パァラの記憶は全て失われてしまい、俺らの勝機が失われる。

「うおおおおおおぉぉぉぉぉ!!鍛冶屋舐めんなぁぁぁぁぁ!!」

 怪我を顧みないヘッドスライディング。地面は土ではなく、硬い石なので、とてつもなく痛いけれども歯を喰いしばって体勢を低くして、知識の小瓶をナイスキャッチ。

「パァラぁ!!受け取れぇぇぇぇぇ!!!」

 顔面傷だらけ、全身打撲傷まみれの状態で投げた知識の小瓶。割ったらだめだと言う想いがあったからか、小瓶は見事な弧を描きながら、パァラの伸ばした手の中へと入っていった。

「なぁ!?しまった・・・!」

「お前みたいな最高の鍛冶職人初めてみたかもしれねぇ・・・!恩に着るぜ!マーサァ!!」

 小瓶を乱暴に開けると、中から気体が出てくる。パァラはそれを思い切り吸い上げた。
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