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2章 稀代の超天才聖人錬金術師パァラちゃん
42話 錬金術師の考察
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「・・・やっぱり気になるか?」
「当たり前だ。喋る剣なんて興味の対象以外のなんだと言うんだ?」
「研究者からしたらどうだよな・・・メア、喋っても良いぞ」
リュックに括り付けたメアを揺らす。
『ふあぁぁぁ・・・どうしたんですかマーサさん。港町から出たんですか?』
「ああ、出た。ついでにお前が喋ってるのも聞かれた。目の前の見た目詐欺にな」
「言い方が悪すぎんだろ・・・」
言ってる事自体は間違っていないので、強くはツッコみできないパァラ。そして、メアはホームレス襲撃後から眠っていたようだ。
『・・・なんだか雰囲気変わってません?』
「色々あったんだよ。お前が寝てる間にな」
メアは寝息やいびきをかかないので、寝たのか寝てないのか判断が難しい。製作者はどうして分かるように作らなかったのだろうか?
今は敵の罠に囲まれており、安全な場所では決してないので、簡潔に状況を説明する。
『成程・・・状況は理解できました。錬金術師と呼ばれる方には初めてお会いしましたが、とてもお目がお高いのですね?』
「いや、普通に考えて喋る剣なんて興味の対象でしかないだろ、常識的に考えて」
『そですか・・・』
「一体誰が何の目的で作ったんだ?」
『それはとても長い話になります。そう、あれは───』
「ジッパ王国時代の鍛冶職人が、悪魔王を地獄に送り返す為に作った聖剣。それが正体だ」
『ちょ───!!何で言ってしまうんですか!!しかもそんなに簡単に!』
「ジッパ王国の聖剣?ジッパには無機物に生命体のような意思を石に宿らせる事が出来たのか」
「驚きだよな。俺も6年以上鍛冶屋やってるけど初めて聞いt────今、何て言った?」
「生命体のような意思を石に宿らせる事が出来たのかの所か?それがどうした?もしかしなくてもお前剣自体に宿ってると思ったのか?」
図星である。
「図星だな?まあ、錬金術師ならともかく、ただの鍛治職人なら仕方のない事か」
『そ、そうだったんですか・・・?』
「お前も知らなかったのかよ!!!・・・そうだ、お前の本体。つまり魂が宿っているのはその琥珀だ。人間の部位で例えるならば脳だな」
『凄いですね・・・知識を失ってもなお、そのような事まで分かるなんて・・・つまり私は錬金術によって作られたという事なのですか?』
「さあ?俺はお前を調べていないから分からない。ただ、見ただけで分かった事を話しただけさ。もしかしたら、錬金術かもしれないし、ジッパの失われた技術かもしれない。どっちにしたって面白い事には変わりないけどな」
『そうですか・・・』
「メア、本当に知らなかったのか?」
『知らなかった・・・というよりも忘れてしまったという方が良いかもしれません。何かが抜け落ちてしまったような・・・頭の中のピースが埋まっていないような気持ち悪い感覚です』
もしかしたら、400年もの眠りについたせいで記憶が失われてしまったのかもしれない。もしかしたら、剣を完全に直すだけじゃメアの全盛期の力は戻ってこないかもしれない。
「当たり前だ。喋る剣なんて興味の対象以外のなんだと言うんだ?」
「研究者からしたらどうだよな・・・メア、喋っても良いぞ」
リュックに括り付けたメアを揺らす。
『ふあぁぁぁ・・・どうしたんですかマーサさん。港町から出たんですか?』
「ああ、出た。ついでにお前が喋ってるのも聞かれた。目の前の見た目詐欺にな」
「言い方が悪すぎんだろ・・・」
言ってる事自体は間違っていないので、強くはツッコみできないパァラ。そして、メアはホームレス襲撃後から眠っていたようだ。
『・・・なんだか雰囲気変わってません?』
「色々あったんだよ。お前が寝てる間にな」
メアは寝息やいびきをかかないので、寝たのか寝てないのか判断が難しい。製作者はどうして分かるように作らなかったのだろうか?
今は敵の罠に囲まれており、安全な場所では決してないので、簡潔に状況を説明する。
『成程・・・状況は理解できました。錬金術師と呼ばれる方には初めてお会いしましたが、とてもお目がお高いのですね?』
「いや、普通に考えて喋る剣なんて興味の対象でしかないだろ、常識的に考えて」
『そですか・・・』
「一体誰が何の目的で作ったんだ?」
『それはとても長い話になります。そう、あれは───』
「ジッパ王国時代の鍛冶職人が、悪魔王を地獄に送り返す為に作った聖剣。それが正体だ」
『ちょ───!!何で言ってしまうんですか!!しかもそんなに簡単に!』
「ジッパ王国の聖剣?ジッパには無機物に生命体のような意思を石に宿らせる事が出来たのか」
「驚きだよな。俺も6年以上鍛冶屋やってるけど初めて聞いt────今、何て言った?」
「生命体のような意思を石に宿らせる事が出来たのかの所か?それがどうした?もしかしなくてもお前剣自体に宿ってると思ったのか?」
図星である。
「図星だな?まあ、錬金術師ならともかく、ただの鍛治職人なら仕方のない事か」
『そ、そうだったんですか・・・?』
「お前も知らなかったのかよ!!!・・・そうだ、お前の本体。つまり魂が宿っているのはその琥珀だ。人間の部位で例えるならば脳だな」
『凄いですね・・・知識を失ってもなお、そのような事まで分かるなんて・・・つまり私は錬金術によって作られたという事なのですか?』
「さあ?俺はお前を調べていないから分からない。ただ、見ただけで分かった事を話しただけさ。もしかしたら、錬金術かもしれないし、ジッパの失われた技術かもしれない。どっちにしたって面白い事には変わりないけどな」
『そうですか・・・』
「メア、本当に知らなかったのか?」
『知らなかった・・・というよりも忘れてしまったという方が良いかもしれません。何かが抜け落ちてしまったような・・・頭の中のピースが埋まっていないような気持ち悪い感覚です』
もしかしたら、400年もの眠りについたせいで記憶が失われてしまったのかもしれない。もしかしたら、剣を完全に直すだけじゃメアの全盛期の力は戻ってこないかもしれない。
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